トヨタ、ル・マン制覇に向け「1度たりともミスをする余裕はない」

シェア
コメント
トヨタ、ル・マン制覇に向け「1度たりともミスをする余裕はない」
執筆: Filip Cleeren
2018/06/12 7:04

トヨタのチームディレクターであるロブ・ルーペンは、ル・マン制覇に向けて、ライバルとなるプライベーターたちへの警戒を強めている。

#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Kamui Kobayashi
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Jose Maria Lopez
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Jose Maria Lopez
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Mike Conway
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050
#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050
Official cars group photo
Alexander Wurz, Fernando Alonso, Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Jose Maria Lopez, Toyota Gazoo Racing bike the track
#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050
#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050
Fernando Alonso, Toyota Gazoo Racing
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Jose Maria Lopez, Fernando Alonso, Anthony Davidson
#7 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Mike Conway, Kamui Kobayashi, Jose Maria Lopez, Fernando Alonso, Anthony Davidson

 トヨタの世界耐久選手権(WEC)LMP1チームディレクターを務めるロブ・ルーペンは、ル・マン24時間レースの制覇というトヨタの悲願を達成するためには、ひとつのミスも許されないと考えているようだ。

 アウディの後を追うようにポルシェがLMP1クラスから撤退し、トヨタはLMP1クラス唯一のマニュファクチャラーとなった。

 ル・マンでは何度も涙を呑んでいるトヨタ。過去2年、ル・マンを制する”速さ”は持っていたものの、トラブルや他車との接触に見舞われていた。それを踏まえチームは今年、信頼性の改善とトラブル対応力の向上に取り組んでおり、現在のWECプログラムが発足して以来、7度目となる今回の挑戦で悲劇の歴史に終止符を打とうとしている。

「我々はパフォーマンスよりも信頼性に焦点を当ててきている。そのため、昨年よりも環境が整っていると思う」と、ルーペンはmotorsport.comに語った。

「我々の問題は、常に予想外の事態に見舞われてきたということだ。今年は、それを防ぐために集中的に取り組んできた」

「品質管理は我々にとって大きなテーマだった。メカニックによる徹底的で集中的な取り組みにより、すべてが適切に管理されていることを確認した」

 小林可夢偉やマイク・コンウェイとトヨタの7号車TS050 HYBRIDをシェアするホセ・マリア・ロペスは、次のように付け加えた。

「レースが僕たちにとって大変なものであっても、僕たちはそれを楽しむことができる」

「テストや開発、準備などやれることは全てやったし、僕たちは強いままで(ル・マンに)戻ってこれた。今はレースを楽しむことが大事だ。その時になってから、ル・マンが僕たちの優勝を許してくれることを願おう」

 LMP1クラス唯一のマニュファクチャラーであるトヨタのTS050は、ハイブリッドシステムを搭載。優れた加速と燃費で、開幕戦スパではプライベーターたちを圧倒した。しかし、バイコレスやレベリオン、ジネッタ、ダラーラが作ったBR1といったライバルたちへの警戒は緩めていないようだ。

「アウディやポルシェがいない今は、プレッシャーも少し違ったものになっている。しかし、我々は慎重になる必要があると思う」とルーペンは説明した。

「優勝に向かって、クルーズをするような状況にはない」

「我々には、ひとつのミスも犯す余裕などない。昨年、我々はトップを走っていたが、それでもうまくはいかなかった」

「当然、我々は(昨年より)準備を整えていく必要がある。我々はそれを7年間続けてきたんだ。すべてを結実させなければならない」

 FIAとWECのプロモーターであるACO(フランス西部自動車クラブ)は、全長13.6kmにも及ぶサルト・サーキットで、トヨタとプライベーターのラップタイム差を0.5秒以内に収めようと、EoT(技術均衡値)を設定しようとしている。

 公式テストでは、フェルナンド・アロンソが最速タイムを記録したトヨタの8号車と、プライベーター最速だったマティアス・ベッシェのレベリオン3号車のタイム差は0.6秒だった。

 しかしアロンソのタイムは、昨年の予選で小林が記録したレコードである3分14秒791から4秒以上遅いタイムであり、トヨタが全力で走っていなかったのは明白だ。一方、プライベーターたちはまだ新しいマシンからパフォーマンスを引き出す段階にあり、適切にEoTを設定するのはかなりの難題だ。

 ル・マンのレースを前に、新しいEoTが出される可能性はある。しかしコンウェイは、これまでのところFIAやACOはだいたいにおいて適切だったと考えている。

「レベリオンは非常に強力だ。僕たちが予想していた位置にいる」とコンウェイは語った。

「ル・マンでは、スパよりも彼らが近づいてくるのは明らかだ。そういうルールなんだ」

「ル・マンはスパと比べて1周の距離が2倍になるのに、ハイブリッドエネルギーは2MJしか増えていない(スパでは8MJ)。一方で、レベリオンは燃料消費のことをほぼ気にすることなく、全開で加速できるんだ」

「だから彼らはとても近づいてくるけど、それはみんなにとって良いことだ。競争が生まれるというのは素晴らしい」

 テクニカルディレクターのパスカル・バセロンは、マニュファクチャラー間での争いがないからといって、ル・マン制覇の名誉には変わりないと主張し、本当の敵はル・マン自体だと語った。

「我々は過去4年のうち、2014年と2016年、2017年の3回、理論的にはル・マンに勝てたはずだ」

「パフォーマンスの面では、すでにル・マンでライバルたちを倒すことができていた。我々は、ル・マン24時間に負けたのだ。だから我々の挑戦は変わっていない。トヨタ vs ル・マンなんだ」

【ル・マン24hをとことん楽しむならJ SPORTSオンデマンド!】
スタートからゴールまでは勿論のこと、公式練習、予選、ウォームアップ走行まで全てLIVE配信!
次の Le Mans ニュース
伝統のル・マン24時間にやって来る有名人。チャップリンの孫娘も来場

前の記事

伝統のル・マン24時間にやって来る有名人。チャップリンの孫娘も来場

次の記事

ル・マン初挑戦のバトン「SMPレーシングの目標はプライベーター最速」

ル・マン初挑戦のバトン「SMPレーシングの目標はプライベーター最速」

この記事について

シリーズ Le Mans
イベント ル・マン24時間レース
ロケーション Circuit de la Sarthe
チーム Toyota Gazoo Racing
執筆者 Filip Cleeren
記事タイプ 速報ニュース