ウクライナ危機を踏まえ、ル・マン24時間レースとWECのエントリー手続きが期間限定で再開
Gドライブ・レーシングのエントリー取り止めもあり、ル・マン24時間レースとWECのエントリーが期間限定で再開された。
写真:: JEP / Motorsport Images
ル・マン24時間レースのオーガナイザーであり、FIA世界耐久選手権(WEC)のプロモーターであるACO(フランス西部自動車クラブ)は、3月7日にル・マン24時間レースおよびWECのエントリー受付を再開すると発表した。
6月11日〜12日に開催される第90回ル・マン24時間レースのエントリーは、3月7日午後3時(中央ヨーロッパ時間)から48時間限定で再開された。
ACOによる短い声明は以下の通りだ。
「ロシア軍によるウクライナ侵攻を受け、国際競技団体(FIA)が最近とった措置は、モータースポーツチームやドライバーに影響を及ぼす」
「そこで選考委員会は、2022年のル・マン24時間レースについて、48時間の期間限定で新たなエントリーを募ることにした」
今回のエントリー手続きの再開は、Gドライブ・レーシングのエントリー取りやめが大きく影響しているだろう。
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、FIAはロシア/ベラルーシのチームおよびドライバーに対し、中立的な立場でならレースの出場を認めるとしている。しかし、チーム代表兼ドライバーとしてGドライブ・レーシングを率いるロマン・ルシノフは、「差別的な条件だ」とエントリーを取り止めると発表したのだ。
同チームは今年、元F1ドライバーのダニール・クビアトをドライバーに迎え、WECにフル参戦する予定だった。さらに、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズにも参戦し、2台体制でのル・マン参戦を目指していたのだ。
また、LMH規定のマシン『9X8』でのル・マン参加を目指していたプジョーが、デビューをル・マン以降に延期したことも、エントリー再開の一因と言える。
ル・マン24時間レースのエントリーリストは、当初1週間前に発表されているはずだった。しかしACOが「管理上の理由」と呼ぶ原因により発表は延期されていた。
今回の発表を見るに、Gドライブの撤退とプジョーのデビュー延期によって生じた欠員を埋め合わすことができるような応募、あるいはACOが求めるクオリティをクリアできるだけのエントリーがなかったことが示唆される。
最大62台で争われるル・マン24時間レース。1月に発表されたWECのエントリーリストからプジョーの2台とGドライブを除いた36台がその中に含まれる。
ハイパーカークラスはトヨタ2台とアルピーヌ1台、グリッケンハウス1台がWECフル参戦組。グリッケンハウスは2台体制でル・マンに挑むと見られており、最大5台でル・マン総合優勝を争うことになる。
グリッケンハウスは、ル・マンで3台目のマシンを走らせることに前向きであるとツイートしているが、これがどこまで本気なのかは不透明だ。
また、今季WECにフル参戦するシボレー・コルベットC8.Rも、ル・マンでもう1枠エントリーが得られ、2台体制となるようだ。
その他、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップやヨーロッパ・ル・マン・シリーズ、アジアン・ル・マン・シリーズでの成績によって、合計14台のエントリーが保証されることになっている。
ACOは今回の発表でエントリーリストの公開時期を明示しておらず、「後日公開する」としている。
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