トヨタ7号車のマイク・コンウェイ、ル・マン初優勝に「小さな女の子みたいに泣いた」
2021年のル・マン24時間レースで優勝したトヨタ7号車のマイク・コンウェイは、これまで何度も優勝を逃してきたこともあり、「小さな女の子のように泣いた」と語った。
Mike Conway, #7 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 - Hybrid Hypercar
Rainier Ehrhardt
第89回ル・マン24時間レースは、TOYOTA GAZOO Racingの7号車が総合優勝を記録。小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ホセ・マリア・ロペスらはル・マン初優勝となった。
トヨタ7号車は今年を含め3年連続ポールポジション獲得と、ル・マンで速さを示してきた。しかし肝心の決勝レースでは毎回のようにトラブルに見舞われるなどしたため、僚友の8号車に優勝を奪われる、というフラストレーションの溜まる結果が続いていた。
今回の7号車のル・マン優勝はそうした過去をようやく乗り越える、非常に感動的な勝利だったと言える。同車のクルーのひとりであるコンウェイはレース後、小さな女の子のように泣いてしまったと語った。
「僕らは何度も優勝に近づいた。そして新しいハイパーカーで(成功を)成し遂げるために、チームメイトやスタッフは常に素晴らしい仕事をしてくれた」
コンウェイはそう語る。
「様々なことが走馬灯のように思い出されて、感情が爆発した。小さな女の子のように泣いてしまったよ」
「毎年このレースのためにハードに働いていても、それがどれだけ大変なことなのか忘れてしまうんだ。これはその一端だ」
今回の7号車の優勝も平坦な道のりではなかった。残り6時間を切ろうとする頃に僚友の8号車に燃料システムのトラブルが発生すると、7号車でも同様のトラブルが発生したのだ。
しかし彼らは、走行を続けながら問題に対処すると、ライバルに逆転を許すことなく、最後はワンツーのランデブー体制でフィニッシュすることができた。ただコンウェイと共に7号車を走らせたロペスは、燃料システムのトラブルが発生して以降、特にストレスを感じていたと語った。
「僕らは遠いところからやってきた。辛い時もあったし、父とも長いこと会っていない。やるべきこともたくさんあったんだ」
そうアルゼンチン出身のロペスは言う。
「何年もこうして苦戦していると、勝利も特別なものだと思う。そして初めての勝利というのは、いつだって特別なものだ」
「終盤に燃料システムの問題を抱えたときには、マシンに乗りながら沢山のことをしなくちゃいけなかった。とても緊張したよ」
また最後に7号車のステアリングを握ってチェッカーを受けた小林は、これまで勝利を逃してきた経験が、7号車のクルーの結束を強め、こうした結果に導いてくれたと語っている。
「僕たちには何度も勝つチャンスがありましたが、それを失ってきました。ですがやっと勝つことができたんです」と、小林は語った。
「僕らは(以前よりも)チームとしてより一体になっていると思います。ル・マンでは特別なことは何もできませんが、チームとして互いのことを信じています」
「チームとしてより強くなったと思いますし、だからこそ今回勝利できたのだと、僕は考えています」
WECは今年がハイパーカー規定初年度。来年以降はこの最高峰クラスに新規定のLMDhマシンも参入可能になる予定だ。この新規定の最高峰クラスには、プジョーやフェラーリ、アウディやポルシェといった世界中の巨大メーカーが参入予定。その他にもマクラーレンやランボルギーニ、キャデラックなども参戦を検討していると伝えられている。そうなった場合、ル・マン24時間はメーカー同士の対決が激化する、魅力的なカテゴリーとなるだろう。
小林はそうした新たなライバルとの戦いを楽しみにしていると話した。
「将来的には、ハイパーカーとLMDhによる最高峰カテゴリーは、とても大きくなると思います。ル・マンも、もっと大きなレースになるでしょう。そこで、(新しく参戦してくる)彼らと戦うのを楽しみにしています」
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