ル・マン10勝目を目指すフェラーリ、開発中のLMH車両には”F1の知識”も活用
2023年からWECに参戦するフェラーリの新型LMH車両は、F1チームで使われている技術を採用しているようだ。
写真:: Rainer W. Schlegelmilch
フェラーリは、2023年の世界耐久選手権(WEC)参戦に向けて、LMH(ル・マン・ハイパーカー)規定プロトタイプカーの開発を進めている。
フェラーリのLMHプロジェクトを指揮するアントネッロ・コレッタは、フェラーリにとって50年ぶりとなるファクトリープロトタイプカー開発プログラムは、社内のあらゆる技術的リソースを活用していると説明した。
「フェラーリが持つテクノロジーは、我々にとって最も重要な資産のひとつであり、すべてのプロジェクトでこのテクノロジーを共有することは普通のことだと思う」
そうコレッタは、motorsport.tvの独占インタビューに答えた。
「LMHプロジェクトは、F1だけでなく、ロードカーの経験も活用している。我々の知恵を結集しているのだ」
「我々の技術者は、これらすべてをミックスして、非常に競争力のある素晴らしいクルマを実現したいと考えている」
またコレッタは、LMHプロトタイプのソリューションの一部は、すでに「F1とロードカーの両方における過去の経験から得られたもの」であるという。
「フェラーリは、非常に重要な技術的伝統を持つ偉大な企業であり、我々の役割は常にイノベーターである」
「新しいレギュレーションを考えると、知識を漁らないわけにはいかない。強調したいのは、LMHは会社の一部のプロジェクトではなく、フェラーリがひとつである以上、横断的なプロジェクトであるということだ」
「自由に使えるノウハウを全て利用しないのは愚かなことだ」
コレッタは、WECの一戦でもあるル・マン24時間レースでフェラーリにとっての通算10勝目を獲得することは、LMHプロジェクトの重要な挑戦だと語った。
フェラーリは、内燃機関の構成を含むLMHの技術的な詳細をまだ発表していないが、6月中にさらなる発表を行なう予定である。
フロントアクスルにハイブリッドシステムを搭載するフェラーリのLMH車両。その初走行は7月に行なわれる予定だが、コレッタはまだ「確定したわけではない」と強調した。
テクニカルディレクターであるフェルディナンド・カンニッツォは、LMHプロジェクトが順調に進んでいると認め、シミュレータ上では1年前から走行が行なわれていると明かした。
「セッションごとに新しいアイデアがもたらされる」と彼は説明した。
「このクルマはバーチャルに存在するもので、我々は常に開発を続けている。 そして今、サーキットを走るマシンを見るのが楽しみだ」
コレッタは、WEC GTE Proのチャンピオンであるアレッサンドロ・ピエール・グイディやジェームス・カラドなど、既存のフェラーリGTドライバーを起用してテストを開始する意向を再確認した。
また、将来的には北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦する可能性についても示唆した。
「フェラーリにとって、アメリカ市場は極めて重要だ。しかし2023年には、WECだけに参加することになる」
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