ル・マン合同テストの性能調整発表。LMHマシンはWEC通常戦と同じピーク出力に
8月21~22日に開催されるル・マン24時間レースで、LMH規定のマシンはWECの通常レースで使用しているパワーレベルで走行することになるようだ。
写真:: Paolo Belletti
8月21~22日に開催される第89回ル・マン24時間レース。15日(日)の合同テストを前に、テストにおけるハイパーカークラス性能調整(BoP)が発表された。トヨタとグリッケンハウスのLMH規定マシンは、今季のWEC(世界耐久選手権)の直近2レースと同じ出力となっている。
トヨタのGR010 HYBRIDのピークパワーは515kW、グリッケンハウスの007 LMHは520kWとなっており、これは6月のWEC第2戦ポルティマオや、7月の第3戦モンツァのレースと同様だ。しかしLMH規定では最大出力について、WECのレギュラーレースでは520kW、ル・マンでは500kWと定められている。
規定を超える出力が設定されたことについて説明はされていない。しかしWECのプロモーターでありル・マンの主催者のフランス西部自動車クラブ(ACO)とFIAは、ハイパーカークラスとLMP2クラスのパフォーマンス・ギャップを維持しようとしており、それが性能調整に表れていると理解されている。
WECの開幕3レースでは、ハイパーカークラスとLMP2クラスマシンのラップタイムがかなり接近。LMP2クラスが総合トップに立つこともあり、この”逆転現象”は大きな話題となった。
トヨタとグリッケンハウスは、最低重量の増加やエンジン出力の低下など、LMP2クラスのマシンを減速させるための対策が十分に進んでいないと主張している。
一方、WECを走るLMP2マシンはシリーズの全レースで、ダウンフォースレベルの低いル・マン仕様のボディワークを使用することになっている。
8月15日に行なわれるル・マンでの合同テストに向けて、ハイパーカークラスのBoPで唯一変更があったのは、フランスのシグナテック・チームが走らせるアルピーヌA480に関するものだった。
A480は1スティントで使用できる最大エネルギー量が918MJから844MJに引き下げられている。その理由は定かではない。
A480は昨シーズンまで、レベリオン・レーシングのR-13としてWECに参戦していたLMP1規定のマシンだ。オレカのLMP2マシンをベースに開発された車両であり、燃料タンク容量が75リットルしかない。一方、トヨタのGR010はプレス資料によると90リットルの燃料タンクを搭載している。
そのため、A480は割り当てられているエネルギー量に相当する燃料を搭載できておらず、WEC開幕戦ではLMHマシンとスティントの長さを揃えることができなかった。ル・マン24時間レースでは30回以上ピットインすることになるため、1回あたりのスティントでどれだけ走れるかはかなり重要な要素となってくるはずだ。
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