ル・マン連覇を狙うトヨタ7号車、テストデー首位。小林可夢偉「まだル・マンウィークが始まったばかり」
第90回ル・マン24時間レースの事前テストが行なわれ、トヨタの7号車が総合トップとなった。
FIA世界耐久選手権(WEC)の第3戦として開催される、第90回ル・マン24時間レースの事前テストが6月5日に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racingの7号車(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ・マリア・ロペス)が総合トップとなった。
ル・マン24時間レースの舞台であるサルト・サーキットは、コースの3分の2が普段公道として使用されており、フルコースを走れる機会は少ない。6月8日(水)のフリー走行開始までにマシンのチェックやセットアップを進めようと、各車が計8時間の事前テストで走行を重ねた。
昨年、7号車が優勝したTOYOTA GAZOO Racingもその例外ではない。LMH車両『GR010 HYBRID』は今季に向けてタイヤサイズや空力面が変更されており、チームは空力面での最適化と、メカニカル及びコントロールのセットアップ作業に集中した。
それでも、7号車を駆ったロペスが午前のセッション残り15分のところで3分31秒626をマーク。2番手となったグリッケンハウス708号車に0.109秒差をつけた。
トヨタの8号車は、ブレンドン・ハートレーが3分31秒977をマークし、午前を終えた。なお、セバスチャン・ブエミはフォーミュラEのジャカルタePrixを戦った後、フランスに急行し午後からチームに合流した。
7号車のロペスは午後のセッション後半にタイムアップ。3分29秒896をマークし、これがこの日の最速となった。2番手はグリッケンハウス708号車で、3分30秒104。3番手は平川亮が3分30秒490を記録した、トヨタ8号車だった。
グリッケンハウスの709号車が4番手となったが、ハイパーカークラスの残る1台、アルピーヌ36号車はLMP2クラスよりも遅い、7番手でセッションを終えている。
なおロペスの7号車はセッション終了間際、コースサイドでマシンを止める場面もあったが、マシンに大きなダメージはなかった。
チーム代表兼7号車のドライバーである小林可夢偉は、「スムーズで順調な1日だった」とコメントしつつも、慎重な姿勢を崩していない。
「トラブル無く、スムーズで順調な一日でした。まだル・マンウィークが始まったばかりで、これから1週間かけてコースコンディションはどんどん変わっていきます。今日はシステムチェックに時間を費やし、今後のコンディションの変化に応じて調整できるように準備を進めました。我々のGR010 HYBRIDはル・マンにあわせてデザインされており、今のところバランス面での感触は良いですが、来週はどう変わるかわかりません。これからが楽しみです」
ル・マンで初めてGR010を走らせた平川亮は、信じられないほど感触が良く、驚いたと語った。
「GR010 HYBRIDでの、私にとって初めてのル・マン走行でしたが、楽しむことができました。GR010 HYBRIDはル・マンのために開発された車両ではありますが、信じられないほど好感触で、良い意味で驚かされました。毎周回、本当に楽しむことができましたし、これでレースを戦うのが楽しみです。来週からの走行に向け、多くの分析やテストを行ない、既に感触はいいのですが、まだ改良できる部分もあり、一歩一歩進めていきます。これまでのところは順調ですし、レースウィークもこの調子で頑張ります」
LMP2クラスは、ユナイテッド・オートスポーツの22号車がJOTA38号車に0.3秒近い差をつけてトップとなった。
またLM-GTE Proクラスは、首位のコルベット64号車に僅差でAFコルセ・フェラーリの52号車が続いた。ポルシェは91号車が3番手につけている。
LM-GTE Amクラスのトップは、ケッセル・レーシングの57号車フェラーリ。日本の木村武史もドライバーに名を連ねているチームだ。D'station Racingの777号車アストンマーチン(星野敏/藤井誠暢/チャーリー・ファグ)はクラス11番手となっている。
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