アロンソ「スターターを経験した時からル・マンに参戦したかった」

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アロンソ「スターターを経験した時からル・マンに参戦したかった」
執筆: 赤井邦彦
2018/06/16 14:05

インディ500スポット参戦や今年のWEC参戦など、F1以外での活動を行うアロンソは、どのレースにも違った楽しみがあると話した。

 TOYOTA GAZOO Racingの一員としてWEC(世界耐久選手権)に参戦し、ル・マン24時間レースに参戦するフェルナンド・アロンソ。今年はF1とWECというふたつの世界選手権を掛け持っており、多忙を極めているが、彼はどのレースにも違った楽しみがあるのだと語った。

 アロンソは、昨年はインディ500へのスポット参戦、今年はWECフル参戦とF1以外の活動を行ってきている。F1で思うような成績を残せないことによるフラストレーションを抱えているのではないか、それゆえ他のカテゴリーへの参戦を行ってきたのではないかという推測もなされているが、彼はそれを否定し、F1以外のレースでは新たな楽しみを覚えたと語った。

「それは全然違う。100%違う。みんなそう思っているんだろうけど、そうじゃない。実は2014年、F1ではフェラーリに乗っていたときにル・マンに来てスタートフラッグを振った。その時からいつかはル・マンに来て走りたいと思っていた。その時にはF1で勝っていたけど、それとは別にル・マンを走りたいと思っていた。完全に別の話だ」

「どのレースにも違う楽しみがあり、いま真剣に取り組んでいるWECにはまた違った楽しみがある。スポーツカーレースはチームメイトとクルマをシェアしなければいけない。それは仲間を信じるということ。自分の担当が終わって2時間後にテレビでチームメイトが走っているところを見るんだけど、そこにはお互いを信頼している関係がある。チームの全員を信頼してレースをするという最高の状態を経験できる。24時間レースといえば、F1グランプリ16戦分だ。1日で16戦のF1を戦うのと同じ。凄いことだよね」

 F1とWECのマシンの違いについて問われたアロンソは、ふたつのマシンが対極の性格を持ち合わせていることや、WECマシンでの楽しみについても述べた。

「F1もWECもチャレンジングだ。難しい。カナダではFP1では最初の20分はトップタイムを出していた。FP1が終わったときには4番手。でも、走ったことがない人はそれがどれだけ難しいか理解出来ない」

「それから違うカテゴリーのクルマに乗って、シートポジションも違えばクルマの性格も違い、スピードも違う。運転のアプローチも違う。F1でコーナーを攻める時にはギリギリまでブレーキを遅らせてガツンと踏む。それでコーナーを立ち上がったらすぐ加速する。WECは多分その対極。ブレーキは早くから緩やかに踏みコーナーではスピードに気をつけて、出口ではブーストを全開にする。コース上には多くのクルマが混走していて、動きを予測しながらコーナーにはいる前にGTカーを抜くかどうか、あるいはコーナーの中でどうするか考えなくてはいけない。F1とWECは同じモータースポーツだけど、完全に違うスタイルだ」

「WECはF1以上のところもある。例えばポルシェコーナー、あそこは時速250〜260㎞で全開だ。クルマの中で身体が傾き、タイヤはグリップの限界。本当にチャレンジングだ。ドライバーはクルマと一体になった感覚になる。このコースはLMP1で走ると最高に楽しい素晴らしいコースだ」

 14日(木)には予選が行われ、アロンソらの乗る8号車はポールポジションを獲得した。そしてその翌日15日(金)、2020年以降のWECの新しいレギュレーションの概要が発表された。彼はレーシングカーの技術を市販車に活かすことについて、前向きなコメントを発した。

「方向性は良いと思う。クルマのスタイルなどは違うだろうが、市販車を売っているメーカーにとってみればレースを走っているクルマから技術などを市販車に移行できるということなどを考えると、一理あると思う。僕の将来に関してはまだ分からない。でも、もっと多くのF1ドライバーがここに来るはずだ。みんな新しい挑戦をしてみたい、楽しみたいという気持ちがある。問題はF1のボスが他のシリーズを認めるかどうかだね」

 ただ市販車への興味があるかと訊かれると、「市販車? 今は(興味は)ないけど、将来は分からない。僕にとってはモータースポーツが人生だけど、変わるかも」と答えた。

 自分の将来についてはわからないと答えたが、彼はマクラーレンが他のカテゴリーへの参戦を検討していることに賛成している。またマクラーレンCEOであるザク・ブラウンがドライバーのことを理解しているのだとアロンソは考えている。

「彼(ザク・ブラウン)自身がレーサーで、ドライバーの要求を理解しているのだと思う。彼はマクラーレンがF1だけに集中するチームではなく、インディにもF1にもル・マンにも参加すべきだと考えているはずだ。モータースポーツはF1だけではないという考えは、僕も同意する」

 だがやはりアロンソ自身も今シーズンは非常に忙しいということを認めている。

「本当に忙しい。レース、テスト、パブリックイベントと山盛り。でも、レースで最高の成績を出したいので、そのためには本番に臨む前のホームワークが重要だ。TS050 HYBRIDに関してもステアリングの操作を覚えるだけでも16頁に及ぶマニュアルを読み込まなくてはならなかった。こんなに真剣に勉強したのは学校以来だ」

 そう語るアロンソは、いよいよル・マン24時間レースの決勝レースを迎える。8号車は中嶋一貴のドライブでポールポジションを獲得し、姉妹車の7号車が2番手と、トヨタ2台が揃ってフロントロウからレースをスタートする。レースは、16日(土)の日本時間午後10時より行われる。

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この記事について

シリーズ Le Mans
イベント ル・マン24時間レース
ロケーション Circuit de la Sarthe
執筆者 赤井邦彦