我々はBoPが嫌いだ。メルセデスF1ウルフ代表、ル・マン挑戦に後ろ向きな理由を明かす「F1こそ理想の形。ピュアなレース」
トト・ウルフが、メルセデスのル・マン24時間レース復帰にあたって障壁となっているものが何なのか語った。
写真:: Andrej Isakovic - AFP - Getty Images
メルセデスF1チーム代表兼CEOのトト・ウルフが、メルセデスのル・マン24時間レース復帰の可能性について言及。バランス・オブ・パフォーマンス(BoP)と呼ばれる性能調整が撤廃されれば復帰する可能性があると説明した。
「ル・マンか……私はレーサーで、ル・マン24時間は世界最高のレースのひとつだ」
『Bloomberg』のポッドキャスト番組で、ウルフ代表はそう語った。これはメルセデスが耐久レースの世界最高峰であるル・マンに再挑戦するのかと尋ねられた際のコメントだが、彼はF1が“ベスト”だと考えているようだ。
「もちろん、バイアスもあるかもしれないが、私にとってはF1がベストだ。最高のドライバー、最速のマシン、最高のサーキットがある。ただ、その次に何を選ぶかと言われれば、ル・マン24時間やインディ500になるだろう。さらに玄人向けになると、ニュルブルクリンク24時間とかね。これらはレース界の頂点だ」
「F1のレースウィークでない時は、ル・マンの中継を夜通し見ることもある。知っているドライバーも何人かいるし、個人的には興味がある」
メルセデスとル・マン、両者の因縁めいた繋がりは非常に深い。1955年にはピエール・ルヴェーが駆る300 SLRが観客席に飛び込み、83名もの死者を出すというモータースポーツ史に残る惨劇が起き、メルセデスは撤退することになった。
その後メルセデスはCLRで復帰を果たすも、空力的な不安定さを抱えていたことから、1999年にはマシンが宙を舞うというアクシデントも発生。再びル・マンから姿を消した。最近ではカスタマーチームであるアイアン・リンクスとのタッグでLMGT3クラスから復帰を果たしたとはいえ、ワークス参戦、そして総合優勝を争うトップカテゴリーへの参戦には至っていない。
「メルセデスとしてル・マンに挑戦した過去はある」とウルフ代表は言う。
「ただ正直言って、我々にとって幸せな場所とは言えなかった。50年代にはひどい事故があり、それで撤退した。その後90年代には、プロトタイプマシンが文字通り飛んでいってしまうということがあった」
「今の我々にとって重要なのは、F1というメインプラットフォームに集中すること。これが我々のやるべきことで、それ以外は二の次なんだ」
「とはいえ、GT3カテゴリーではメルセデスとして活動している。これはカスタマー向けプログラムの一環として注目している分野だ」
「ただそこには注意すべき点がある。我々はレースをする人間だ。BoPは嫌いだ……誰かがパワーや燃費、車重などを決めるのは好きではない」
「時間も金も労力もかけて最速のクルマを作ったのに、そこに10kgのバラストを載せられてしまうんだ。私はそんなのはごめんだ。ただ速いマシンを作って戦いたいだけなんだ」
「F1が理想の形を示している。(F1のように)予算制限があればいいんだ。例えば全員が3000万〜4000万ドル(約40億円〜60億円)の範囲で開発しなければいけないが、その範囲なら何をしてもいい、というようにね。もちろんレギュレーションは必要だが、テストや予選で駆け引きする必要もなくなる。それがピュアなレースだ」
「もしル・マンでもそういう制度になれば、間違いなく我々は(参戦を)検討するだろう。でも、今のようにBoPで“速すぎる”と判断されて翌日に重量を加えられるような環境では、今のところ参戦はしない」
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