2017年ル・マンのレコード更新は”不可能ではない”。小林可夢偉「長く残る記録を出したい」
トヨタは、2017年のル・マン24時間予選で小林可夢偉が記録したラップレコードを更新できる可能性はゼロではないと考えている。
第88回ル・マン24時間レースを前に、TOYOTA GAZOO Racingのテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、トラックコンディションが良好であれば、2017年に小林可夢偉が記録したサルト・サーキットのラップレコードを更新できる可能性はあると語った。
コロナ禍の影響により、9月に開催がずれ込んだ伝統のル・マン24時間レース。舞台は1周13.629kmのサルト・サーキットで、コースの3分の2の区間は普段、一般公道として利用されている。
このサルト・サーキットのラップレコードは、2017年の予選で小林可夢偉が記録した3分14秒791だ。2018年は中嶋一貴が3分15秒377、2019年は小林が3分15秒497でポールポジションを獲得したが、レコードの更新はできていなかった。
今年のル・マン24時間に臨むトヨタのマシン、TS050 HYBRIDは新たなEoT(技術均衡値)の調整により、2019年よりも7kg、2017年よりも17kg重いマシンになっており、ラップタイムの面で不利に働いている。
しかし、その間もトヨタはTS050の熟成を進めてきた。さらにプラス要素はそれだけではない。
今年のル・マンでは予選フォーマットが一新され、”ハイパーポール”セッションが導入されている。17日(木曜日)に行なわれる予選から、各クラス上位6台がハイパーポールに進み、タイムを出すことになる。
例年のル・マンでは60台近いマシンが様々なプログラムで走っている中を縫うようにアタックしなければならなかったが、今年はクリアラップを走れる可能性が高いのだ。
小林の記録を更新できるかと訊かれ、バセロンはラップレコードを破れるかどうかは、ハイパーポールの時点で路面がどれだけグリップするかにかかっていると答えた。
「通常なら、これまでの年と同じようなラップタイムで走れるはずだ」
「2017年のポールタイムを上回るのが難しいということは、すでに2度証明されている。当時の路面は非常に例外的な状況にあったためだ。2017年のあのセッションと同じくらい、路面のグリップレベルが高くなったのを見たことがない」
「しかし理論的にはそのチャンスがある。そのラップタイムをわずかに更新することができるかもしれない。それは不可能ではない。それはすべて、トラックのグリップレベルに依存する。それは毎年同じではないんだ」
WEC(世界耐久選手権)では、来年からLMP1クラスに代わり、LMH(ル・マン・ハイパーカー)規定のマシンが最高峰クラスを走ることになる。LMH規定のマシンは理論上、LMP1マシンよりも遅くなるとされている。そのため、今後数年ラップレコードが更新される可能性はほぼ無くなるだろう。
小林は自身の記録をさらに更新し、長く残る記録にしたいと意気込んだ。
「一旦レコードを記録できたら、もう一度それを更新したいと思いますよね」と、小林は語った。
「ハイパーポールがあるので、トラック上をひとりで走るチャンスが増えます。なので今年は重要です」
「来年から、今よりも少し遅いハイパーカーになるので、今年レコードが出せたら、その記録は長く残るでしょう」
「僕は記録を破って、その記録を長く保ちたいです。30年から50年くらい残ったらいいですね!」
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