トヨタ、GR010の信頼性トラブル解消に自信「これまでに発生した全ての問題に対して対策ができている」
トヨタは、WECモンツァで発生したGR010の信頼性トラブルについて、ル・マン24時間レースのテストデーを前に解決できたと確信しているようだ。

TOYOTA GAZOO Racing ヨーロッパのテクニカルディレクターであるパスカル・バセロンは、7月のWECモンツァでLMHマシン『GR010 HYBRID』に発生した信頼性トラブルについて、原因は特定され修正できたと語った。
WECモンツァでは、8号車は燃料関連のトラブルに見舞われ、ピットで1時間近くの時間を費やしたが、バセロンはトラブルの原因が燃料のコンタミネーション(汚染や異物混入などの意味)が原因だったと明らかにした。
このコンタミネーションは、燃料を供給しているトタルではなく、チームが使用しているプロセスとシステムに関連しているとバセロンは説明した。このトラブルは、モンツァのフリー走行では7号車にも発生していたという。
8月15日(日曜)のル・マン24時間レースのテストデーを前に、バセロンは「コンタミネーションがどう起きたのかは、はっきりとは分からない。目視しづらいもので、フィルターを使っても見えなかった」と語った。
「燃料の供給とは関係なく、燃料を管理する我々の機械の中でコンタミネーションが発生したのだ」
一方、モンツァでは燃料以外にも信頼性トラブルが発生していた。トヨタ7号車に乗る小林可夢偉が、コース上にマシンを停めてシステムを再起動。1分近くのタイムロスを余儀なくされていた。
バセロンはこの問題については詳細な説明を避けたものの、修正が完了。現在の信頼性には大きな自信を持っているという。
「こうした電気系の問題について、詳細を説明するのは非常に難しいのだが、修正されている」
「今、可能な限りの問題を持っている。これまでに発生したすべての問題に対して納得のいく対策を講じており、根本的な問題はない。ただ何らかの事態は起こりうる」
LMH規定のマシンは、当初想定されていたレベルよりも高い出力でル・マンを走ることになる。LMHのルールでは、WECのレギュラーレースでの最大出力は520kW(697bhp)、ル・マンでは500kW(670bhp)と定められていたが、テストデーの性能調整ではGR010の最大出力は515kW、グリッケンハウスの007 LMHは520kWとされているのだ。
しかし、バセロンは4度実施した耐久シミュレーションテストを高い出力レベルで実施しており、「大きな心配をせずに走行できる範囲内だ」と話した。
ただ性能調整は、テストとフリー走行、予選で収集されたデータに基づき、FIAやル・マンの主催者でありWECプロモーターのACO(フランス西部自動車クラブ)が変更を行なう可能性がある。
最大出力の引き上げは、今季のLMP2マシンが、ハイパーカークラスに参戦しているトヨタとグリッケンハウスのLMH、アルピーヌのLMP1マシンとの性能が近づきすぎているという懸念を反映したものだ。かねてよりトヨタとグリッケンハウスは、LMP2クラスとの間にもっとギャップを設ける必要があると主張してきた。
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