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小林可夢偉、性能調整に納得できない思いを明かすも「僕らの”強さ”で、辛い状況をなんとか変えたい」

ル・マン24時間レースに向けて、トヨタの小林可夢偉と平川亮は性能調整に対する複雑な思いを語りながらも、気持ちを切り替えてレースに臨むと語った。

#7 Toyota Gazoo Racing Toyota GR010 - Hybrid of Kamui Kobayashi

 Toyota Gazoo Racing WEC(世界耐久選手権)チームの代表兼7号車のドライバーである小林可夢偉と、8号車のドライバーである平川亮がル・マン24時間レースに向けて意気込みを語った。

 今季から新たにWECハイパーカークラスに参戦してきたライバルたちを相手に、WEC開幕3戦では勝利を飾ったトヨタ。しかし第4戦目として迎えたル・マン24時間レースでは状況が大きく変わった。

 テストデーを前に性能調整が行なわれ、各車の最低重量が引き上げられたのだ。トヨタGR010は37kg増。トヨタにとって最大のライバルだと目されていたフェラーリ499Pは24kgの引き上げとなった。

 今季はタイヤウォーマーなしで使用できるタイヤ(ル・マンではタイヤウォーマーの使用が限定解禁)になり絶対的な性能が落ちたことにより、昨年以上に重量増の悪影響が出ているという。

 この性能調整について小林は、FIAやACO(フランス西部自動車クラブ)のシミュレーションが正しくなかったのではないかと語り、調整のタイミングにも疑問を呈した。

「もちろん抗議もしました。それが無意味だったかどうかは分からないものの、僕らのシミュレーション、いわゆるレコメンドでは僕らの方がフェラーリより遅いというデータを出したんですよ。それは実際正しかったなというのも確認できました」

 そう小林は性能調整について語った。

「今回なんでこうなったのかというところでいくと、彼らが本当にシミュレーションできていなかったんじゃないかという部分もありました」

「いきなり37kg増というのは正直ないだろうと。ましてや(レースまで)2週間もないタイミングで変更するのは、僕らが戦うことを考えて調整を通知してくれたのかっていうところも含めて疑問ではあります」

 確かにトヨタはこれまで、実質的にライバルがいない中でもWECへの参戦を続け、その間に自己研鑽に励んできた。フロントロウを独占したフェラーリ勢も、”ル・マンの勝ち方”を知っているトヨタ勢が決勝で逆襲してくるのではないかと警戒している。

 しかしそのトヨタの努力を頼りにするかのような性能調整は、とても納得できるようなものではないだろう。

 小林はル・マンのファンの一人としても、100周年を迎えたル・マンがこうした状況で開催されることについて残念だと話す。

「彼らが特に押してくるのは『トヨタは強いから勝てるだろう』ということ。そういうことを言っているけど、それは僕たちが今までずっとやってきたから強いという思いで言っているわけで、何も根拠がないし納得がいきません」

「僕たちはこれまで、この100周年のル・マンで勝ちたいという思いでやってきましたが、しっかり準備してやってきた結果が結局これなのかと、頑張ってくれたエンジニアやメカニックに対しても、代表として本当に申し訳ないなという思いでいます」

「ル・マンのファンだった僕自身が、正直この100周年で歴史に残るレースってなんだろうなと考えた時に、技術とドライバーの真剣勝負というところがこの100周年大会に一番合っているんじゃないかと思っていました」

「でもこの変更は、やっぱりレースを魅せたいという思いでやったと明言されました。それは分かるんですけど、あくまでも準備をしっかりした上で真剣勝負をするのがレースでありスポーツだと僕自身は信じているので、そういう経緯に至ったというのは非常に残念だと思っています」

 困難な状況で決勝レースに臨むことになるトヨタだが、小林は気持ちを切り替えチーム一丸となって勝利を目指すと意気込んだ。

「チームとしては、レースに強いGR(GAZOO Racing)を出せるように気持ちを切り替えています。パフォーマンス的に僕たちが一番有利ではないということはもう明確になったと思います。ここはレースでの強さ、勝ち方を知っているGRとして挑んでいきたいという思いで、チーム一丸となって取り組んでいます」

「この状況で文句を言ってもしょうがないので、今はもうチームの力を出し切った上で、24時間という長いレースなので逆に僕らの強さで今のこの辛い状況をなんとか変えていきたいなと思います」

 今年のル・マンは雨が降る可能性も高い予報となっており、トヨタ8号車の平川はまだ雨のル・マンを走ったことがないことを警戒。厳しい戦いを覚悟しつつも、自分を信じて戦うと語った。

「普通のレースだったら雨でも行っちゃうしかありませんが、ル・マンはいかにリスクを見極めて走るかっていうのが大事です。雨のル・マンを走ったことがないのはすごく不利にはなってくると思うんですが、5人のチームメイトやみんなに頼って、少しでもリスクを減らしてレースに臨めればと思います」

「やっぱり予想はしていたんですけど、本当に厳しい戦いになると思うので、自分とチームを信じて24時間しっかり戦いたいと思います」

 
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