トヨタ、ル・マンは1回の給油で11周走行可能。プライベーター勢より1周分優位に
トヨタは、今月のル・マン24時間レースにおいて、LMP1プライベーターたちよりも燃料補給の間隔を1周延ばすことができるだろう。
#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso, Brendon Hartley, Mike Conway
Paul Foster
トヨタは6月のル・マン24時間レースで、LMP1クラスのプライベーターたちよりも燃料補給の間隔を1周延ばすことができるだろう。
最新のEoT(技術均衡値)によれば、通常のレース速度ならトヨタのTS050 HYBRIDは1回の給油でサルト・サーキット(13.626km)を11周走行することができる。対してプライベーターのレベリオンやSMPレーシング、バイコレス、ドラゴンスピードは10周でピットに戻ってくる必要がある。
昨年のル・マンで優勝したトヨタの8号車は37回ピットに入っている。ピット回数の多いル・マンで1スティントあたり1周長く走ることができれば、ピット作業が数回少なくて済むことになる。
2018/19年シーズンに導入された最初のEoTで、ハイブリッドシステムを搭載するトヨタのTS050が1スティントに走れる距離を長くすることや、トヨタがプライベーターに対してラップタイムで0.25%のアドバンテージを持つことが定められた。
しかし、プライベーター勢とトヨタの差が大きかったことから、WECは昨年10月の富士6時間レースを前に、トヨタのアドバンテージを排除することを決定。トヨタもそれに同意していた。
ただトヨタは、当時からル・マンに関してはその変更が適用されないと強調していた。
トヨタ・モータースポーツ(TMG)のテクニカルディレクターを務めるパスカル・バセロンは、トヨタが1スティントあたりに使用できる燃料量は、プライベーター勢よりも大幅に少ないと説明した。
「我々は、35%の違いについて話しているんだ」
「ハイブリッドシステムがもたらす効率性によるアドバンテージを実証する、より良い機会を得ることを夢見ることすらできていなかった」
プライベーター勢のマシンが1スティントで使える燃料量(≒最大燃料搭載量)は、ターボエンジンを使うSMPレーシングのBR1が48.4kg、それ以外の自然吸気エンジン車は50.8kgとされている。前戦スパまではそれぞれ52.8kg、56.5kgだった。一方、トヨタのTS050は35.1kgだ。
また燃料給油リストリクターの変更と給油量の違いにより、ピット作業のたびにトヨタは2秒のアドバンテージを得ることになるだろう。
EoTの変更により、トヨタTS050の車重は前戦スパよりも16kg軽くなっている。しかし昨年の富士を前に26kg増となっていたため、昨年のル・マンと比べれば10kg増ということになる。通常のWECレースと比べ、ル・マンは1周の距離が長い。そのため、使用できる燃料とハイブリッド・エネルギーの量が相対的に少なくなっていることが反映されているのだ。
また車重が10kg重くなったことで、ル・マンでは1周あたり0.5秒のスピードダウンに相当する。これにより、昨年トヨタが持っていた0.25%のアドバンテージは取り除かれた。
バセロンは、この”0.5秒”はトヨタにとって、プライベーター勢のポテンシャルに対する『一種の安全策』だったと表現した。
「今、我々はそれを必要としていないので、それがゼロになっている」
#8 Toyota Gazoo Racing Toyota TS050: Sébastien Buemi, Kazuki Nakajima, Fernando Alonso, Brendon Hartley, Mike Conway
Photo by: Marc Fleury
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