レースレポート
FIM Endurance Suzuka 8 Hours
鈴鹿8耐決勝レポート:レース結果が改定、最終ラップ転倒の10番カワサキが優勝
鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝レース。赤旗終了によりレース結果が錯綜したが、Kawasaki Racinr Teamが優勝となった。
永安陽介
編集: 2019/07/29 10:19
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三重県・鈴鹿サーキットで行われている第42回“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝レースが終了。赤旗による途中終了となったためレース結果に関して混乱が見られたが、最終的には#10 Kawasaki Racing Teamが優勝となった。
【更新】29日(月)に車検が終了し、レースリザルトは#21 Kawasaki Racing Teamの優勝で確定した。
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■ファクトリー3チームは一歩も譲らず
折返しの4時間を消化した段階でのトップは#10 Kawasaki Racing Teamのジョナサン・レイとなっており、そこに#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMと#33 Red Bull Hondaのステファン・ブラドルが続いた。
トップを快走していた#10 Kawasaki Racing Team(ジョナサン・レイ)は110周目にピットインし、レオン・ハスラムへと交代。次周には#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行)もピットへ向かい、アレックス・ロウズに交代した。
118周目には#33 Red Bull Honda(ブラドル)もピットインし、高橋巧にライダーチェンジ。なお、こまでカワサキとホンダは3名エントリーではあるものの、2名のライダーで走行を続けた。
ピットイン後、トップのハスラムは2番手のロウズに対して7秒ほどのギャップを築いた。3番手を走るホンダの高橋が当初5秒ほど存在した前方とのギャップをラップごとに秒単位で縮め、2番手ロウズにテール・トゥー・ノーズの位置まで接近した。そして129周目にロウズが130Rでラインを外したことで、高橋はそこを突いて2番手に浮上し、トップのカワサキの追撃に入った。
高橋は徐々にハスラムとのギャップを削り、137周目にはコンマ数秒とテール・トゥー・ノーズの状況に持ち込んだ。さらに3番手のロウズも2台に追いつき、ファクトリーチームの争いは再び三つ巴の様相を呈した。
139周目、多数のバックマーカーがひしめくS字で、高橋がアウト側から仕掛けハスラムをパスしトップを奪還。ハスラムは周回遅れに挟まれる状況となり、その後ろのロウズにもオーバーテイクを許してしまった。
ポジションを落としたハスラムは140周目にピットイン。ジョナサン・レイへマシンを託した。143周目にはヤマハのロウズもピットへと戻り、マイケル・ファン・デル・マークと交代した。
ファン・デル・マークがピットアウトすると真後ろにレイがつけており、130Rであっさりとかわされてしまった。
148周目には高橋がピットイン。ステファン・ブラドルへとライダーを交代したが、そのアウトラップでレイとファン・デル・マークのふたりに次々とオーバーテイクを許してしまった。
ブラドルはペースが全く上がらず、先行する2台について行くことができず、160周を終える頃には、ギャップが9秒にまで広がった。
ただ、そこからブラドルはペースの改善が見られ、2番手のファン・デル・マークには1秒ほどまでギャップを圧縮した。
167周目、トップを走るレイがピットイン。ライダーはハスラムへと交代した。カワサキがピットインしている間にブラドルはファン・デル・マークを捉え、168周目にオーバーテイク。トップに躍り出た。
■レース終盤は近年稀に見る波乱の展開に
レースは残り2時間。徐々に日は傾いてきたが未だに気温は高いコンディションが続いている状況だ。
171周目にはファン・デル・マークもピットイン。中須賀へとライダーチェンジを行った。そして176周目にブラドルがピットへ戻り、高橋へ交代を行った。
ただコースへ復帰する段階で#10 Kawasaki Racing Teamのハスラムが前に出ており、復帰位置は2番手となった。
ハスラムと高橋のギャプは約10秒となっており、高橋と3番手の中須賀のギャップも同じく10秒ほどの間隔となった。
路面温度が下がり始めたことが影響しているのか、各ライダーのペースは上昇気味で、こうしたギャップはなかなか縮まらない状況が続いた。
高橋は184周目あたりからペースアップ。一気に先頭のハスラムがバックマーカーに手間取ったこともあり、186周目にはギャップは約3秒ほどに縮まった。
189周目にはギャップはコンマ5秒となりテール・トゥー・ノーズに。そして190周目のS字でバックマーカー処理に手間取ったハスラムをオーバーテイクし、高橋がトップを奪還した。
2番手のハスラムは余力が無いのか高橋についていくことはできず、ギャップが2秒ほどに拡大。中須賀も高橋との差を詰めることはできず、約10秒の差をつけられた状態だ。
トップを高橋が快走する中、伝統の“ライトオンパネル”が掲示。レースは残り1時間となり、ラストスパートに入った。
194周目、ハスラムが最後のピットイン。ラストスティントを担当するジョナサン・レイに優勝の望みを託した。
そのレイは2分6秒911とファステストラップを更新する驚異的な走りで前の高橋を追った。
197周目にトップを走るホンダの高橋と中須賀は最後のピットイン。高橋は交代せずダブルスティント作戦でピットアウト。ヤマハはロウズが最終スティントを担当した。
高橋とレイのギャップはアウトラップを終えた段階で約3秒。しかし、199周目にはレイが2分6秒805と自身の記録したファステストラップをさらに更新し、ギャップは1.4秒にまで縮まった。
200周目を終えると高橋とレイはテール・トゥー・ノーズ状態に。ふたりがホームストレートで横並びになると、レイがターン1で遂に高橋をオーバーテイク。
204周目、S字に落ちたデブリを踏んで#29 DOG HOUSEが転倒。その真横にいたレイは間一髪で接触を避け難を逃れた。
残り時間は30分に。トップのレイと2番手高橋のギャップは約8秒だ。
しかし、レースも佳境に入ったタイミングで自然が牙を剥いた。残り27分にスプーンカーブで雨という情報が入り、雨が降ってきたことを知らせるレッドクロスフラッグがマーシャルによって振られた、これによりピットでは慌ただしくレインタイヤの準備が始められた。
こうした状況の中、2番手の高橋はペースが上がらず、3番手のロウズが一気にペースを上げたことで211周目に10秒以上あったギャップは消滅し、テール・トゥー・ノーズにまで追い上げられてしまった。
そしてロウズがS字で高橋を追い抜き、2番手にポジションを上げた。
残り時間は10分を切り、日が落ちてコース上は闇に包まれた。
残り5分、#2 Suzuki Endurance Racing Team(エティエヌ・マッソン)のマシンにまさかのエンジンブローが発生。マッソンは白煙を吹きつつコース脇へと移動したが、マーシャルからはオイル旗が振られる事態に。そして、Suzuki Endurance Racing TeamのEWCチャンピオン獲得の夢が泡と消えた瞬間だった。
そして更にドラマは続いた。残り時間が2分となり最終周に突入したカワサキのレイが、まさかの転倒を喫してしまったのだ。この直後に赤旗が掲示され、レースは217周で終了した。
これにより優勝はどのチームになるのか、現地は大混乱となったが、FIM世界耐久選手権の規定に基づき、#10 Kawasaki Racing Teamがフィニッシュラインに帰って来られなかったとして、#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMが優勝ということになった。
しかし、暫定表彰式終了後に出されたカワサキ側からの抗議の結果、赤旗中断の1周前の順位が採用されることになり、#10 Kawasaki Racing Teamが優勝。カワサキ勢に26年ぶりの優勝をもたらした。2位には#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM、3位に#33 Red Bull Hondaという結果で現時点では落ち着いた。なお、この決勝結果の変更も暫定のものとなっているため、今後も変更が起きる可能性は残されている。
なお、EWCの2018-2019シーズンのチャンピオンは#11 TEAM SRC KAWASAKI France(ジェレミー・ガルノニ/エルワン・ニゴン/デビッド・チェッカ)が獲得した。
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