〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦:“納得”のMoto2初表彰台! 「ちゃんと表彰台で終わることができてよかった」

MotoGP第11戦オーストリアGPで、Moto2クラス初の表彰台を獲得したIDEMITSU Honda Team Asiaの小椋藍。今シーズンのMoto2クラスデビュー以来着実な成長を見せてきたが、そのひとつの成果と言えるだろう。小椋本人は今回のリザルトについて“納得”を持てていると語った。

〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦:“納得”のMoto2初表彰台! 「ちゃんと表彰台で終わることができてよかった」

 小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)、Moto2クラス初表彰台である。

 本来なら、という言い方が妥当かどうかはわからないが、前週の第10戦スティリアGPでも小椋は表彰台を射程圏内に収めたパフォーマンスを披露していた。しかし、トラックリミット超過によるロングラップペナルティをレース終盤に通告され、5位で終えることになった。

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 そのような出来事があっただけに、2週連続のレッドブルリンク開催となる第11戦オーストリアGPは、捲土重来を期して今回こそ表彰台を狙う、という意味でも小椋とチームにとって重要な一戦だった。

「先週は表彰台の見える位置で走行できていたのに5位で終わったので、今回のレース結果はうれしい気持ちと同じくらい、ちゃんと表彰台で終わることができてよかった、という気持ちですね」

 表彰式と記者会見をひととおり終えた小椋は、いつものとつとつとした口調でMoto2初表彰台の印象をそんなふうに振り返った。表彰台そのものは、Moto3時代に何度も経験している。それだけに、新鮮な喜びよりもむしろ、Moto2クラスでも上位で戦えるという手応えを掴んだ安堵感が大きかった、ということだろうか。

Ai Ogura, Honda Team Asia race

Ai Ogura, Honda Team Asia race

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

「表彰台のうれしさは(Moto3時代と)そんなに違わないですけど、Moto2のほうがプラクティス段階から自分の位置も把握しやすいし、レースもラップ数が多いのでがんばって走りきって、思っていたような順位で終われました。Moto3で表彰台を獲ったときは『やったー!』という気持ちだったんですけど、Moto2はしっかり(積みあげてきた成果を)出せた、というかんじですね」

 この言葉にもあるとおり、小椋は金曜午前のフリープラクティス1回目でトップタイムを記録。以後も、セッションを重ねるたびに走りの内容とマシンのセットアップを積みあげて、高いポテンシャルを発揮してきた。そのひとつの成果が、土曜午後の予選で獲得したフロントロウ3番グリッドだ。前週の第10戦に続く、2戦連続のフロントロウである。この段階までの走りの内容を見る限りでは、予選の一発タイムに限らず、各セッションでの安定したラップタイムは、Moto2クラスの上位常連ライダーたちと比較しても充分に遜色ない内容だった。

「今週はずっとトップライダーたちと同じくらいの調子で走れていたので、そこで戦えるだろうとは思っていました」

 実際に、決勝レースでは序盤からトップグループを構成した。

 オープニングラップは3番手。5周目に2番手へ浮上すると、以後の小椋は先頭を走るラウル・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)のコンマ数秒背後で周回を続けた。終盤まで0.3〜0.4秒の僅差が続いたが、ラスト3周でフェルナンデスがさらにプッシュ。0.4秒だった距離がさらに少し広がり、最後は0.845秒差となって小椋は2位のチェッカーフラッグを受けた。

「残り6周くらいで、ちょっと前に追いついたんですよ。けっこう近くまで行けたんですけどね。近づいたら向こうがまた攻めて、少し差が開いた。そこから先の余力は、自分にはちょっと残っていませんでした」

 シーズン前半戦の小椋は、順位こそ5位や6位でレースを終えても、レース内容ではトップ争いを繰り広げるライダーたちから数秒離された位置でゴールをしていた。しかし、今回は自分自身が先頭グループの一角を構成し、最後まで僅差の争いが続いた。前半戦では、ブレーキングからコーナー進入の技術面でトップライダーたちとの差を感じる、と話していたが、今回のレースではその課題は大きく改善したのだろうか。

「そこの判断が、難しいんですよ。ここ(レッドブルリンク)のブレーキングって、バイクが立ってるじゃないですか。だからよかったんですけれども、バイクが寝ているときのブレーキングから進入にかけてが、上位の人たちは上手なんですよ。そういうコーナーがここはあまりなかったので、だからちょっと、それについてはまだなんとも言えないですね」

 とはいえ、優勝が見える位置で最後まで僅差の争いを続けた事実は、小椋自身の大きな自信に繋がったといえそうだ。

Ai Ogura, Honda Team Asia race

Ai Ogura, Honda Team Asia race

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

「今回は、前半戦に自分が敵わなかったライダーたちと一緒に走れたので、うまく乗ることができれば戦える、ということはわかりました。それは前回のレースと今回で証明されたと思うので、あとは自分がどこまでトップライダーたちに近づけるか、ですね」

 次戦イギリスGPの舞台シルバーストン・サーキットは、シーズン全カレンダーでも屈指の高速サーキットだ。レイアウトはこの2連戦を戦ったレッドブルリンクのようなストップアンドゴータイプではなく、むしろ高いコーナースピードを維持しながらリズムよく走り続けることが要求される。

 つまり、小椋自身が自らの課題として挙げていた事項、コーナーへ入っていく際のブレーキングしながらのターンイン動作をいかにスムーズにできるかどうかが、ラップタイムを大きく左右する、ということだ。そんな特性を持つコースで、連続表彰台を狙えそうだろうか。そう訊ねると、

「それはまだわかりません。走ってみないと」とまるで他人事のような調子で答え、笑ってみせる。だが、醒めているようには見えながらも、その実、意気込みはやはり高い。

「モチベーションとしては、まあ、高いんじゃないですかね。前にも言いましたけど、今回よかったからといって、次も必ず同じようになるという確証なはなにひとつないわけで、だからこそ自分たちにできることをひとつひとつしっかりやって、頑張る。それだけです」

 

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