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〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦:ミサノ2戦目は納得得られない“珍しい”レースに。経験豊富なアルガルヴェに期待?

MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPを9位で終えたIDEMITSU Honda Team Asiaの小椋藍。今季2度目のミサノでのレースは厳しい内容となったが、本人としても納得の行くレースではなかったようだ。

Ai Ogura, Honda Team Asia

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 第16戦エミリアロマーニャGPは、今シーズン2回目となるミサノワールドサーキット・マルコ・シモンチェリでの開催だ。5週間前に同地で行った第14戦サンマリノGPは、9月17日から19日という日程。季節としては晩夏で、サーキットからほど近いリミニ、リッチオーネ、カットリカ等のアドリア海沿岸に連なる街々も、通常の世の中ならば欧州各地からたくさんの観光客が訪れて賑わいを見せる、そんな時期だ。それからわずか1ヵ月少々で、季節はもはや晩秋。人が訪れない季節外れの街の食堂は次々とシャッターを降ろし、一帯は冬に近いような肌寒さである。

 サーキットのコンディションも、1ヶ月前とは大違いだ。

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 金曜午前から冷たい雨が降り、路面と気温はともに15℃少々、午後も20℃に届かないような温度条件で推移した。朝の冷たい雨の影響で濡れた路面は、午後になって徐々にレーシングラインが乾き始めるものの、完全にドライといいきるほどには至らない。場所によってウエットパッチなどが残る、なんとも微妙で難しいコンディションだった。

 金曜午前のフリープラクティス1回目はウエット、午後のFP2はハーフウエットからドライ。土曜午前はふたたびウエットで、午後の予選は冷える空気の中でかろうじてドライコンディションとなった。

 

 この土曜午後予選で、IDEMITSU Honda Team Asiaの小椋藍はセッション半ばに転倒。十分なタイムアタックをできず、日曜の決勝レースは6列目18番グリッドからのスタートとなった。今季のスタート位置としては、開幕戦カタールGPの19番手に次ぐ低ポジションだ。

 全25周で争う決勝レースは、日曜の午後12時20分にスタート。この決勝が、今回のウィークを通じて最も良好なコンディションになった。気温は19℃とあいかわらず低めだが、陽光が射し、路面は22℃。この週末では最も高い温度だ。

 18番グリッドの小椋は、序盤の数周で周囲の選手にやや揉まれて呑み込まれる格好になり、ポジションアップに苦労した。その後、少しずつ位置をあげてゆきながら、最後は9位でチェッカーフラッグを受けた。18番手から9位という順位を見れば、まずまずの回復といえそうだが、優勝選手のタイムからは18.905秒差。シーズン後半戦は前の見える位置でゴールすることが多かっただけに、やや厳しい内容だった感は否めない。

「うーん……、レース開始直後の何周かは、後方スタートのライダーにチャンスなんですけど、それをうまく活かせなかったし、レースが落ち着いた後もペースはトップ集団のほうが速かったので、縦長になって淡々としたレース状態でした。……だから、なんとか完走しました、みたいなレースでしたね」

 そう振り返る小椋の口調は、いつも以上に歯切れが悪い。何であれ納得できそうな要素を掴むことにも苦労した様子は、その話しぶりからも窺える。ただ、これまであまり経験を積めなかったウエットコンディションでしっかり走行をできたことは良かった、とも話す。

「雨では周回数をこなすことが必要だったので、今回はたくさん走れたのはよかったんですけど、逆にドライでの走行が少なくて、完全なドライは決勝レースだけでした。しかも後ろからスタートだったので難しかったんですが、雨で走れたことは良かった。だから、ウィーク全体としては、良くも悪くもなかったです」

 

 とくに今大会は、5週間前のレースの際にMoto2で走行しているサーキットだけに、そのときの経験を有効に活かしたかったところだ。しかし、コンディションや温度条件等が違っていたため、思っていたようには運ばなかった。第14戦で得たものを今回のレースで活用できたどうか尋ねてみると、小椋は少し考えてから

「……なかったですね、今回は」

 そういって苦笑した。

「そういう感じじゃなかったです。全部ドライで走れていれば、たぶん何か(活用できる要素が)あったかもしれないけど、ドライがレースだけとなると、スリックを履いてただ頑張るだけなので、前回は前回、今回は今回、という感じでした」

 今回のレースウィークでは、コンディション変化や温度条件の低さもあって、Moto2クラスに限らずあらゆるクラスのあらゆるセッションで転倒が多かった。その事実からもわかるように、選手たちはおしなべて、レインコンディションではちょっとしたウエットパッチに足もとをすくわれ、ドライコンディションでは冷えた路面を走るタイヤ性能を維持するための温度域管理に苦労する、ということが多かったようだ。

「前回よりはたしかに難しかったですね。MotoGPでも15コーナーではよく転倒していたし、気温が低かったので対応が難しかったです。ドライでも路面がカチッとしてないヘンな路面だったというか……、まあ、雨あがりでしたからね」

 この小椋の言葉には若干の説明が必要だろう。通常、選手たちがコースを走行すると路面にはタイヤのラバーが付着し、グリップ感も増して、セッションを重ねるたびに路面状況はよくなっていく。しかし、雨が降るとこのラバーが流されてしまうために、いわば、またイチからやり直し、といった状態になる。小椋が「カチッとしていないヘンな路面」と表現しているのは、要はそういうことだ。

 今回のレースは、収穫もありながら課題も多く、ただレースを走りきっただけ、と苦笑する小椋だが、次に戦う会場はポルトガルのアルガルベサーキット。プレシーズンテストでも走り込み、シーズン第3戦ですでに経験している会場でもある。

「テストやレースで、Moto2バイクの走行回数は1番多いんじゃないかというくらい走っているコースなので、他よりはいい感じ乗れなければならないですよね。でも、やることはいつもと同じで限られているので、それをただやっていくだけです」

 大言壮語を好まない、いかにも小椋らしい〈抱負〉だ。だが、第3戦ポルトガルGPの際には、4番グリッドからスタートして追い上げの最中に他車の転倒に巻き込まれる、という不本意な結果だった。それだけに、第17戦アルガルベGPに向けた小椋の心中には、期すものがきっとあるにちがいない。日曜のレースでそれを結果として見せてもらえることを、いまはひとまず愉しみに待つとしよう。

 

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