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〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦:初体験のムジェロで6位は「悪くないけど……良くもない」更に上目指す小椋の“贅沢”な悩み

MotoGP第6戦イタリアGPを、6位で終えた IDEMITSU Honda Team Asiaの小椋藍。初のムジェロ・サーキットでの走行に関わらず結果を残してきたが、彼はまだ満足のできる位置ではないと、更に上のポジションでのフィニッシュを目指す志の高さを見せた。

Ai Ogura, Honda Team Asia

Ai Ogura, Honda Team Asia

Gold and Goose / Motorsport Images

 第6戦イタリアGPは、シーズン全体でも最高の盛り上がりを見せる大会のひとつだ。その戦いの舞台、フィレンツェ郊外のムジェロ・サーキットは山間部の自然地形を高低差に活かしたレイアウトで、名コースとして知られる反面、攻略の難しさでも屈指の会場である。 

 昨年のイタリアGPは新型コロナウイルス感染症蔓延の影響によりキャンセルされたため、今年は2年ぶりの開催である。IDEMITSU Honda Team Asiaの小椋藍は、Moto3時代の一昨年は負傷によりイタリアGPを欠場していたため、今回がムジェロ初体験になった。

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 そのため、金曜午前のフリープラクティス1回目(FP1)は慣熟走行のような走りで、31人中26番手という位置だった。しかし、セッションごとに習熟を重ね、土曜午後の予選Q2へダイレクト進出。そのQ2では7番手タイムで、決勝に向けて3列目のグリッドを獲得した。

 日曜の決勝レースは6位でゴール。優勝選手から約23秒後にチェッカーフラッグを受けた。ムジェロを走り慣れてここを得意とする選手たちや地元出身のイタリア人ライダーたちが数多ひしめくなか、初経験のコースでこの結果を獲得したのだから、上々のリザルトといっていい。

 だが、レースを終えた小椋自身は案の定、少し醒めたような口調で「こんなことをいうとちょっと贅沢かもしれないんですが、『まあ、こんなもんかな』というレースでした」と21周の戦いを振り返った。

「レースタイムも(優勝ライダーから)20数秒開いていましたし、決勝中の自分のペースもそれほど良いわけではなかったですからね……。優勝した選手や上位のライダーたちは、序盤から1分51秒台で走っていたけど、自分はレースで一度も51秒台を出せなかった。予選では出せていたタイムで、タイヤも予選と同じだったのに、決勝では52秒台に入れるのも苦しい状態でした。そういったことを全部考えると、『まあ、こんなものなのかな』というレースだったと思います」

 そして、少しとってつけたように、「でも、順位は良かったです」と付け加えた。

 Moto2クラスのルーキーライダーである小椋にとって、毎戦トップを争う選手たちとの間にはまだ埋めがたい差がある。今回のレースは初体験のコースであることとも相俟って、それが如実にレースタイムの差、という結果となって表れた。歴然としたこの事実を前にすれば、自分もまた彼らとチャンピオンシップを戦っている以上、大きく離された位置でのゴールはやはり満足をできない、ということなのだろう。

 とはいえ、初めて走るサーキットでの6位という順位は、充分に高い水準の結果であることはまちがいない。

「いや、そうなんですよ。たしかに悪くはない順位だとは思うんですよ。でも、べつに良かったというほどでもないし、この6位を手放しで喜べるのかというと、それもまた違うじゃないですか。だから、順位は順位として、レース内容はまた別、という考え方ですよね。だから……、あまり今回は話すことがないんですよ」

 そういって苦笑を見せる。過剰なリップサービスのない、このような自己評価の厳しさはいかにも小椋の性格をよくあらわしている。同時にこれは、自分自身に対する高い目標設定のあらわれ、とも言えるだろう。だが、もちろんそのような考え方とレースに向き合う姿勢は、誰よりも速く走ることを目指す世界選手権の選手である以上、自らに課すべき当然の規範でもある。

 今回のイタリアGPを終え、シーズン前半の残る3戦、バルセロナ・カタルニアサーキット(第7戦カタルニアGP、ザクセンリンク・サーキット(第8戦ドイツGP)、TTサーキット・アッセン(第9戦オランダGP)はいずれも、小椋の走行経験があるコースだ。何もかもが初めて尽くしだった今回のムジェロよりも戦いやすいコース、といえそうだ。

「そうですね。そうだと思います。そうしていかなきゃいけないし」

 とはいえ、そう簡単に上位陣へ肉迫できるとも考えてはいないようだ。

「でも、毎戦がんばってこれだから、どうなんですしょうね。次の3戦で、じゃあトップの人たちと同じ位置でゴールできるのかというと、そうじゃないと思うんですよね」

 ここにもまた、小椋らしい冷静で醒めた一面が垣間見える。しかし、このように俯瞰した視点から己自身を突き放すように観察する手法は、欠点を改善しながら長所を伸ばし、速さを研ぎ澄ませていくための、おそらく小椋流の方法論でもあるのだろう。

 第7戦カタルニアGPは、6月4日(金)午前10時55分(日本時間午後5時55分)にMoto2クラスのFP1がスタートする。今週末はこのセッションでの小椋の位置取りに、まずは注目をしよう。

 

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