〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦:自己ベストより嬉しい7位フィニッシュ。課題は“ムリ”の使いドコロ?

MotoGP第4戦スペインGPのMoto2クラス決勝で7位入賞となった IDEMITSU Honda Team Asiaの小椋藍。彼は7位という結果そのものより、トップとの差が縮まりつつあることに手応えを感じているようだ。

〈アジアから“世界”へ〉小椋藍とIDEMITSU Honda Team Asiaの挑戦:自己ベストより嬉しい7位フィニッシュ。課題は“ムリ”の使いドコロ?

 MotoGPを象徴するサーキットのひとつが、第4戦スペインGPの舞台・ヘレスサーキットだ。ここでは、過去に数々の名勝負や激戦が繰り広げられてきた。

 レースの本場だけあって、決勝レースが行われる日曜日には例年なら10万人を超える観客がコースサイドをびっしりと埋め尽くす。しかし、新型コロナウイルス感染症蔓延が収まらない現状では、まだ通常開催の状態に戻すわけにもいかず、昨年と同様に無観客での実施となった。とはいえ、コース上の至るところで繰り広げられる選手たちの熱い戦いはいつもと変わらない。

 Moto2クラスの決勝レースは12時20分(日本時間19時20分)から全23周で争われた。IDEMITSU Honda Team Asiaの小椋藍は、3列目9番グリッドからのスタートだ。転倒ノーポイントで終わった前戦ポルトガルGPでは、序盤のフルタンク状態でいいフィーリングを得られなかった、と話していたが、今回はどうなのだろう。

「決勝日朝のウォームアップでは、いつもレースを想定した状態のバイクで走るんですが、今日はそんなに悪くなくて、全体的に土曜午前のFP(フリープラクティス)3回目や(タンクが軽い状態の)午後の予選と似たフィーリングでした。チームがよくマネージしてくれたと思います」

 レースがスタートしてしばらくすると、表彰台を争う集団はやや前方に離れてしまったものの、小椋は終始1分42秒台前半を刻む安定したペースで、チャビ・ビエルヘ(Petronas Sprinta Racing)やジョー・ロバーツ(Italtrans Racing Team)たちと6番手を争うグループで戦い続けた。23周を終え、最後は7位でチェッカーフラッグを受けた。

「優勝選手とのタイム差は12秒でした。23周のレースなので、1周あたり0.5秒離れていた計算ですが、予選の一発タイムでも上位の人たちは自分よりも0.5秒ほど速かったので、その差がそのまま決勝レースに出た、という結果になりました」

 6位争いのグループで、小椋はビエルヘの背後にピタリとつけて走り続けたが、レース終盤には勝負をしかけた。

「ラスト3周になったときに、8コーナーでビエルへ選手の前に出ました。9コーナーで抜き返されたので、10コーナーでもう一度前に出て、その後の11〜12コーナーはぼくが前にいたんですが、最終の13コーナーでまたオーバーテイクされてしまいました」

「最後は、ビエルヘ選手よりも前に出て集団の先頭でゴールしたかったんですが、今回はビエルヘ選手がミスせず、ブレーキングがかなり良かったので、(勝負を)できませんでした。自分ももっとガツガツ勝負を仕掛けていかなきゃいけなかったんですが、ロバーツ選手も後ろからきていたので『行ける場所で行こう』と考えて、その結果が、ラスト3周の8コーナーで入っていくだけの展開になってしまいました。スピードもレースの組み立ても、まだまだ考えていかなきゃいけないし、無理できる場所でもうちょっと無理をできるようになっていかないといけないですね」

 レース内容について反省する面もありながら、今回の7位というリザルトについては、「カタール(第2戦ドーハGP)の5位よりも、嬉しい感じはありますね」と、良好な手応えを掴んだとも話す。

「カタールのほうがトップとの差が大きくて、たしか20数秒だった記憶があるんですよ(実際は16.640秒)。今回のレースタイムは12秒差で、上位の人たちが一発タイムで0.5秒速い分だけの差でした、しかも、ヘレスは皆、走り慣れているコースで速いですから、そこで7位を獲得できたのは(意義が)大きいと思います」

 しかも、レースウィーク全体の積み上げとして、セッションごとに内容と順位を改善していけたことも、今回の良好な手応えと実感につながっているようだ。

「金曜午前のFP1では29番手だっただけに、そのあと停滞するんじゃなくて、確実に改善しながら上げて行けたのは良かったと思います。ダメなときにも、こういう(右肩上がりでセッションを進めていく)ところがきっと大事になってくるでしょうから」

 次の第5戦フランスGPが行われるルマンは、土地柄として天候が不安定になりがちで、温度条件も低いままウィークが推移することが多い。その点では、チームのマネージメント力も問われる大会といっていいだろう。小椋自身にとっては、今回よりもトップとのタイム差を詰め、さらに上位の順位で終えることが、具体的なターゲットになる。フランスGPのMoto2クラスは、5月14日(金)午前10時55分(日本時間午後5時55分)にフリープラクティス1回目の走行がスタートする。

 

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