ラウル・フェルナンデスはMoto2残留? KTM上層部が最高峰クラス昇格の噂否定
KTMは2022年にMotoGPクラスへ昇格するのではないかと噂されているラウル・フェルナンデスに関して、本人が「Moto2にもう1年とどまりたい」と希望していることを明かし、最高峰クラスでの起用を否定した。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
2021年にRed Bull KTM AjoからMoto2クラスへとステップアップしたラウル・フェルナンデス。彼はルーキーながら既に2勝を挙げる活躍を見せており、2022年には早くもMotoGPクラスへと昇格するのではないかという噂がある。
現在のチームメイトであるレミー・ガードナーは、既に2022年からテック3・KTMに加入しMotoGP最高峰クラスを戦うことが決定済み。彼とチャンピオンシップを争っているフェルナンデスの昇格が噂されるのも、無理はないだろう。
しかしKTMのモータースポーツディレクターを務めるピット・ベイラーは、フェルナンデス本人がMoto2クラスにもう1年留まることを希望していると明かした。
「現時点ではそれほど大きな動きはない。ラウルと最後に話したのは数週間前だが、彼はもう1年間Moto2に留まりたいと話していたんだ」
ベイラーはmotorsport.comの独占インタビューに対し、そう答えた。
「このことは、我々にも多少落ち着く時間をもたらしてくれる」
「我々はレミーを信じ、昇格させることを決定した。そして彼は昇格を伝えられてからは更に強くなった。自信を多少なりとも後押ししたんだ。そうした姿を見られるのはいいことだ」
「一方で我々にはテック3にイケル(レクオナ)とダニーロ(ペトルッチ)という素晴らしいメンバーが在籍している」
「ふたりのことが好きだし、彼らとの仕事は終わっていない。イケルとダニーロ、彼らを良くすることが我々の大きな目標でもある」
「少なくとも全員に残留のチャンスがあり、ラウルはMoto2、そしてペドロ・アコスタもMoto3に残ることができる」
「だからこの決定には時間をかけたいと思っている。今後数週間はKTMからこの件のニュースは無いだろう」
なおフェルナンデスに関しては、ペトロナス・ヤマハSRTがバレンティーノ・ロッシの後任として引き抜きを狙っている可能性も指摘されているが、その場合はヤマハが移籍に関する費用を負担しなければならないと考えられている。
またガードナーがMotoGPクラスに昇格することで空くMoto2クラスのシートを巡っては、Moto3の新鋭であるペドロ・アコスタが昇格するとも言われている。
しかしベイラーはアコスタの昇格も急ぐべきではなく、下位カテゴリーで経験を積むことが大事だと考えている。
「我々としては、『君は16歳なのだから、時間をかけていこう』と言わなければならない」と、ベイラー。
「急いでカテゴリーを移る必要はないんだ。パドックの素晴らしいライダーを見れば、彼らは皆Moto3で少なくとも2年、Moto2でも2年を経験してからMotoGPへと移っているからだ。それでも彼らは長いキャリアを過ごしている。30、31、32歳といったMotoGPライダーをたくさん目にする事ができるだろう」
「だから20歳だったとしても、MotoGPで10年以上を過ごせるだけの時間があるんだ、とね」
「それこそが、落ち着け、より成長し理解を深めろと言う理由だ」
「人々がペドロをMoto2に上げろと言っている時、我々は彼が2〜3回厳しいレースを経験している姿を見ることができた」
「これは普通のことで、彼は素早く学習するだろう。ただ我々もライダーの希望は聞きたい」
「上のクラスへの昇格を急ぎたくはない。我々は彼ら、そしてその親が何を考えているのかも感じたいと思っている」
「この話の根底にあるのは、彼の側なんだ。もし彼が『絶対Moto2へ行きたい』と言うなら、我々は耳を傾けてそれを現実のものにするだろう」
「そして彼がまだMoto3に留まることを望んだなら、我々はそれに耳を傾ける」
「しかしこうした若手ライダーはシーズン中の成長が非常に速い。4月や5月に決定するのではなく、決定に時間を与えたいと考えている。16歳の少年というのは5月から11月にかけて大きく成長することができるんだ」
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