Moto2オーストラリア決勝:最後は”タイヤひとつ分”の激戦で、ルティが連勝。中上痛みに耐え5位
Moto2オーストラリアGPの決勝レースが行われ、トーマス・ルティが優勝を果たした
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
前日までの荒天からは打って変り、MotoGPオーストラリアGPの舞台であるフィリップ・アイランドは青空に包まれている。Moto2クラスの決勝スタート時の気温は12.7℃と少々低めながら、過ごしやすいコンディションと言えるだろう。前日の予選で転倒した際に肩を脱臼した中上貴晶は(IDEMITSU Honda Team Asia)、元気にグリッド上に姿を見せている。
シグナルがブラックアウトし、各車が一斉にスタート。ポールポジションのトーマス・ルティ(Garage Plus Interwetten)がホールショットを奪い、マティア・パッシーニ(Italtrans Racing Team)が2番手を得る。もてぎでトラブルに遭いながらもなんとかこのGPに出走を果たしたレニー・ガードナー(Tasca Racing Scuderia Moto2)は、1周目にハフィス・シャヒン(Petronas Raceline Malaysia)と接触。転倒してしまう。中上はスタート位置から若干ポジションを落とすが、なんとかすぐに回復して見せている。
2周目には後方を走っていたサム・ローズ(Federal Oil Gresini Moto2)が転倒。レースを諦める。
先頭争いは熾烈。フランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)がパッシーニを交わして2番手に浮上すると、その勢いのままルティも交わして首位に。パッシーニもルティを交わすが、そうはさせじとルティがこれを抜き返す。
モビルデリがこのまま逃げていくかと思われたが、ルティが再び追いつき、5周目にはこれをオーバーテイク。先頭に復帰する。しかしモルビデリはこれを諦めず、テール・トゥ・ノーズの状態で食らいついていく。
後方では中上が順調に順位を上げていく。5周目には9番手、6周目には7番手まで浮上。7周目にはタイトルを争うアレックス・リンス(Paginas Amarillas HP 40)後方に追いつく。しかし、そのリンスが転倒。コーナーをオーバーランしてしまったのだ。リンスはこれでレースを諦めてしまう。一方、中上はこれで労せずして6番手に浮上する。
ルティ、モルビデリ、パッシーニの3台は快調なペースで飛ばし、先頭グループを形成し4番手以下を引き離していく。4番手争いはジョナス・フォルガー(Dynavolt Intact GP)とロレンソ・バルダッサーリ(Forward Team)の接近戦。その後方で中上がサンドロ・コルテセ(Dynavolt Intact GP)とシモーネ・コルシ(Speed Up Racing)と共に6番手グループでまとまっている。
中上はフォルガーを抜いたもののコルテセに抜かれて6番手キープとなっていたが、13周目にコルテセを交わして5番手に浮上。ただコルテセも速く、ふたりは抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開していく。
残り9周というところで、トップの3台に4番手バルダッサーリが急接近。さらにその後方からコルテセも近づき、トップ集団は5台の大集団となっていく。さらにここに中上も近づいてくる。20周目、コルテセがバルダッサーリを交わして4番手に浮上した。
残り5周、ルティが5台の集団を率いて先頭をキープしていく。中上は上位5台と同じペースで走るが、その差をなかなか詰めていくことができない。残り2周でコルテセがパッシーニを交わしてついに3番手に浮上。抜かれてしまったパッシーニは、その直後にターン4で転倒。せっかくの好ポジションをフイにしてしまう。
残り2周、モルビデリがルティを抜いてついに先頭に立つ。これに、コルテセも近づいて、3台によるラスト1周の激しい優勝争いになった。
最終ラップ、ルティは諦めずにモルビデリの隙を狙っていくが、なかなか抜くことができない。そして最終コーナーを立ち上がり、モルビデリが優勝かと思われた。しかし、この立ち上がりでモルビデリのリヤが僅かに揺れる。ルティはスリップストリームに入り、急加速。そして2台は並んだままチェッカー……最後はルティが僅かに前に出て、もてぎに続く連勝を果たした。ふたりの最終的な差は0.010秒。フロントタイヤひとつ分の差であった。
3位には追い上げたコルテセ、4位にバルダッサーリ、5位には肩の痛みをこらえて決勝に出走した中上が入った。
このレースの結果、ルティが獲得ポイントを204まで伸ばし、リタイアしたリンスを抜いてランキング2位に浮上。ランキング首位のヨハン・ザルコ(Ajo Motorsport)が12位に終わったため、ザルコとルティのポイント差は18ポイントとなった。今季残りは2戦。激しいタイトル争いは続いていく。
Cla | # | ドライバー | バイク | Laps | 時間 | ギャップ | インターバル | km/h | リタイア | ポイント | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | Thomas Luthi | Kalex | 0 | 39'15.891 | 25 | |||||
2 | 21 | Franco Morbidelli | Kalex | 0 | 39'15.901 | 20 | |||||
3 | 11 | Sandro Cortese | Kalex | 0 | 39'16.421 | 16 | |||||
4 | 7 | Lorenzo Baldassari | Kalex | 0 | 39'18.972 | 13 | |||||
5 | 30 | Takaaki Nakagami | Kalex | 0 | 39'19.706 | 11 | |||||
6 | 94 | Jonas Folger | Kalex | 0 | 39'26.978 | 10 | |||||
7 | 24 | Simone Corsi | Speed Up | 0 | 39'29.182 | 9 | |||||
8 | 49 | Axel Pons | Kalex | 0 | 39'32.302 | 8 | |||||
9 | 23 | Marcel Schrötter | Kalex | 0 | 39'33.541 | 7 | |||||
10 | 97 | Xavi Vierge | Tech 3 | 0 | 39'33.556 | 6 | |||||
11 | 19 | Xavier Simeon | Speed Up | 0 | 39'33.653 | 5 | |||||
12 | 5 | Johann Zarco | Kalex | 0 | 39'33.687 | 4 | |||||
13 | 2 | Jesko Raffin | Kalex | 0 | 39'47.466 | 3 | |||||
14 | 57 | Edgar Pons | Kalex | 0 | 39'50.561 | 2 | |||||
15 | 14 | Ratthapark Wilairot | Kalex | 0 | 39'56.345 | 1 | |||||
16 | 10 | Luca Marini | Kalex | 0 | 40'03.598 | ||||||
17 | 70 | Robin Mulhauser | Kalex | 0 | 40'50.361 | ||||||
18 | 93 | Ramdan Rosli | Kalex | 0 | 39'26.190 | ||||||
dnf | 20 | Alessandro Nocco | Kalex | 0 | 38'11.544 | リタイア | |||||
dnf | 54 | Mattia Pasini | Kalex | 0 | 34'34.627 | リタイア | |||||
dnf | 52 | Danny Kent | Kalex | 0 | 35'05.193 | リタイア | |||||
dnf | 87 | Remy Gardner | Kalex | 0 | 21'50.867 | リタイア | |||||
dnf | 60 | Julian Simon | Speed Up | 0 | 14'21.367 | リタイア | |||||
dnf | 27 | Iker Lecuona | Kalex | 0 | 14'36.321 | リタイア | |||||
dnf | 40 | Alex Rins | Kalex | 0 | 9'33.844 | リタイア | |||||
dnf | 22 | Sam Lowes | Kalex | 0 | 3'16.300 | リタイア | |||||
dnf | 55 | Hafizh Syahrin | Kalex | 0 | リタイア |
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments