接戦で磨かれる若き才能たち。成長楽しめるMoto3クラスの醍醐味

ジョアン・ミルが開幕2連勝を飾り自信を深めている。僅差の接戦が多いMoto3クラスは、ライダーの成長を見られるのも醍醐味のひとつだ。

 またひとり、新たな若い才能が出てきたな、という印象を抱かせる選手である。Moto3クラスで2年目のシーズンを迎える19歳のジョアン・ミル(レオパード・レーシング)が、開幕戦に続き、第2戦アルゼンチンGP2連勝を達成した。

 今回のレースに先だち、激しいバトルを制した開幕戦を振り返ったミルは「大集団の中でスリップストリームを使いあう典型的なMoto3の展開になって、最後まで集中力を途切れさせずに戦い、勝つことができた。特に終盤数周は厳しいバトルになったので、勝てて本当にうれしい」と語った。

 そして、今回のアルゼンチンGPに向けては「Moto3はいつもバクチのような展開になるので予測は難しいけれども、決勝でトップグループにつけることを目標にして、可能なら終盤に優勝争いへ持ち込みたい」と話していた。

 実際に金曜のフリー走行1回目から、他の選手たちよりも頭ひとつ抜け出したラップタイムで優勢な走り出しになったが、土曜は予選の組み立てに失敗して16番手。6列目からのスタートになってしまった。このような低位置からでは、さすがに今回は厳しいかとも見えたのだが、日曜午後1時にレースが始まってみると、序盤で一気にポジションを上げて激しい先頭争いを繰り広げた。そして、最後はそのバトルを制してトップでチェッカー。

「今日は後方グリッドからのレースで厳しくなると思ったので、とにかく落ち着いて走るように心がけた。カタールのときとはまた違った優勝で、本当にうれしい」と、彼はコメントした。

 結果的にレース前に語っていたとおりの展開へ持ち込んで勝負強さを見せ、シーズン序盤2戦を制した格好だ。リザルトもさることながら、開幕戦と第2戦でそれぞれ自分の置かれた異なる状況を見極めながら冷静に、かつ機を逃さず勝負を組み立ててゆくクレバーさが、なにより強く印象に残る。

 レッドブルMotoGPルーキーズカップを経てMoto3にデビューした昨年は、シングルフィニッシュや下位グループに飲み込まれる展開など、それなりに浮き沈みのあるレースを続けながら、シーズン後半のオーストリアGPで初優勝。年間総合5位で終えてルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

 2017年の開幕2戦を連勝で終えたミルは、チャンピオン争いに向けて自信をどんどん深めている様子が、話す口調からもはっきりと窺える。Moto3は若い選手たちが僅差の大接戦を続けるクラスだけに、こういった自信の有無という心理的な要素は、パフォーマンスにも大きな影響をおよぼす。

 その意味では、ミル同様に開幕戦と今回で連続して表彰台を獲得したジョン・マクフィ(ブリティッシュ・タレント)やホルヘ・マルティン(グレシーニ・レーシングMoto3)も、優勝候補の一角として今シーズンは大きく飛躍しそうな気配が濃厚に漂っている。そして、そんな若い選手たちの成長を目の当たりにできることが、登竜門であるこのMoto3クラスを観戦する醍醐味のひとつでもある。

取材・執筆/西村章

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シリーズ Moto3 , MotoGP
記事タイプ 速報ニュース