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MotoGPコラム:“和製イタリア人”鈴木竜生。「打ち解ける力」が躍進の鍵

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MotoGPコラム:“和製イタリア人”鈴木竜生。「打ち解ける力」が躍進の鍵
執筆:
2019/06/04 2:59

2019年シーズンはMoto3へ参戦中の日本人ライダーの活躍が目立つ。鈴木竜生は一躍優勝候補の一角へ躍り出たが、そこには“和製イタリア人”とも称する、彼のコミュニケーション能力が活きていた。

 握手の習慣があまりない日本では想像が難しいかもしれないが、手を握り合ったときに伝わるものは、ときに表情や言葉よりも雄弁なことがある。SIC58 Squadra Corseを率いるパオロ・シモンチェッリと握手を交わすとき、彼の分厚くがっしりとした掌からは、屈強な意志と闘志、相手への信頼、そして侠気に満ちた力強い情熱が一気になだれ込んでくる。そんな彼の率いるチームで三年目のシーズンを迎える鈴木竜生が、激戦の続くMoto3クラスで優勝候補の一角として大きな存在感を発揮している。

 開幕戦から第3戦までの鈴木は、やや流れを掴みあぐねているようにも見えたが、ヨーロッパラウンドの端緒となるスペインGP・ヘレスサーキットでは2番グリッドからスタートして2位でゴール。Moto3クラス5年目で初表彰台を獲得した。第5戦フランスGPでも終始トップグループをリードしたものの、このときは惜しくも転倒リタイア。そして、チームのホームグランプリ、第6戦のイタリアGPでも、鈴木は序盤から最後まで激しい優勝争いを繰り広げた。

 今回のレースウィークは金曜からトップタイムを記録して調子良く走り出し、土曜の予選でもポールポジションを争って5番手タイム。セッション開始時に、ピットレーンのシグナルが赤信号で赤旗も提示されていたにもかかわらず、コースインしてしまったためにペナルティを受け、予選の最速タイムがキャンセルされることになった。だが、二番目の自己ベストタイムでも3列目9番グリッドを維持できる水準だったことは不幸中の幸い、というべきか。

 この土曜にお披露目したホームGP用スペシャルヘルメットは、チームマネージャーのシモンチェッリ氏を大きくあしらった絵柄で、今大会の全クラスでも屈指の注目を集めた。

 そのヘルメットで挑んだ決勝レースでは、スタートを決めてMoto3クラスならではの激しい混戦で一歩も退かないバトルを続けた。しかし、最後の最後はスリップストリームを使われる側になってしまい、0.595秒差の8位でゴール。

「最終ラップに向けて先頭で最終コーナーを立ち上がってきて、(スリップストリームを使われた結果)1コーナーでは5、6番手になり、そこからどう仕掛けようにも前がごちゃごちゃで抜きどころを見つけられず、そのまま終わってしまいました」と、レースを振り返った。

「ここのレースは速い人が勝つというよりもずる賢い人が勝つので、そういう中で最終ラップまで頭を使って計算していれば、もっといいレースをできたんじゃないかな。最終ラップまでは圧倒的に100点なんですけど、最終ラップを含めると80点くらいですね」

 この数戦のレース内容を経て、今の鈴木はすでにライバル陣営や他選手たちから優勝争いの一角と認識されている。

「トップ集団でもずいぶんラクに戦えるようになっていて、自分の強みを他のライダーもわかっているので、無理にしかけてこない。そういう意味ではよくなっているのかな、と思います」

 このように鈴木がライダーとして成長し、自分の実力を発揮できるようになったのは、チームの中に〈身内〉として溶け込んでいることが大きな要因のひとつだ。

 このチームへ移籍した初年度からシモンチェッリ氏の一家にかわいがられて常に行動を共にし、その近くに住まいを定めて起居するようになった鈴木は、「和製イタリア人」とヘルメットの後頭部に記しているとおり、今ではイタリア人のチーム関係者やジャーナリストたちにも仲間として扱われている。日常生活のレベルからごくあたりまえのように交流を深めることで緊密なコミュニケーションができあがり、それがレースの現場でも深いレベルでチームとの微妙な意思疎通となってあらわれる。

 いつも日本人と日本語でしか交流しないような状態だと、とてもここまでの関係性をつくることはできない。いつまでも高い垣根を崩さない借りてきた猫のようなライダーなら、チームからも「金さえもらえればあとは適当に乗せておくだけでいいや」というぞんざいな扱いを受けてしまいかねない。ことほど左様に、〈相手と打ち解ける〉能力は選手の才能開花を左右する。

 それは佐々木歩夢(Petronas Sprinta Racing)や鳥羽海渡(Honda Team Asia)、真崎一輝(BOE Skull Rider Mugen Race)たちにも言えることだ。今の日本人Moto3選手たちはいずれも、それぞれのチームが持つ異なる文化や慣習、雰囲気に馴染み、積極的に溶け込んでいる。あたりまえの話だが、人間同士が信頼を獲得しあい、才能や持ち味を発揮するときは、言語や国境の障壁など易々と超えてしまうものだ。

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この記事について

シリーズ MotoGP , Moto3
イベント Mugello
ドライバー 鈴木 竜生
チーム SIC58 Squadra Corse
執筆者 西村 章