ウエットでの苦戦続くヤマハ。ビニャーレス「状況が悪化している」
ヤマハは今季ウエットコンディションで苦しむ問題を解決できておらず、ビニャーレスはシーズンが進むにつれて問題が悪化していると語った。











MotoGP第15戦日本GP初日、ツインリンクもてぎは雨に見舞われ、FP1とFP2はウエットコンディションで行われた。
ヤマハのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、難しいコンディションの中でリヤタイヤのトラクション不足を訴えた。苦しい状況は彼らの順位にも反映され、FP2ではビニャーレスが11番手、ロッシが12番手に沈んだ。
ビニャーレスは以前から、ウエットでのパフォーマンスを改善しなければタイトルを失う危険性があると語っていた。彼は今、チームがシーズン中盤から”後退”しているとさえ思っているようだ。
「僕たちがウエットで改善できていないのは事実だ」と彼は述べた。
「実際、この1年で僕たちのパフォーマンスは悪化している。アッセンでは、ウエットでもバイクはそんなに悪い状態じゃなかった」
「問題はバイクのリヤ部分にある。スロットルを開けてもトラクションがかからないんだ。僕とバレンティーノは非常に似たような症状に苦しんでいるので、問題の原因もすごく似ているんだと思う」
ロッシにも、自分が抱えている問題がビニャーレスと近いものなのか訊くと、彼はこう答えた。
「そうだ。僕たちは多くのことをバイクに試してみたけど、原因が分からなくて困っている」
「昨年は、ウエットでも僕はすごく競争力があった。バイクに良い感触を持っていたんだ。でも今年、僕たちは苦労している。奇妙な感じだ」
「修正を試みているけど、バイクには乗りづらいし、結局はトップからかなり離されている。ドライでも一部の問題は残っているんだ。リヤのグリップがないっていう問題がね」
中須賀と野左根の比較がヒントに?
苦戦するファクトリーチームをよそに、1年落ちのヤマハバイクを使うサテライトチーム、テック3のヨハン・ザルコはウエットを苦にせず。FP1、FP2ともにロッシ、ビニャーレスを上回った。
ロッシは「古いバイクのデータを見るのは、かなりフラストレーションが溜まる」と語った。
「僕たちは特に来年に向けて、今のバイクを理解していかなければならない」
「僕たちは今日、すごく多くの変更を施した。今回、これ以上のことはできないので、かなり心配している。だから、来年に向けての理解を進めなくちゃいけないんだ」
ロッシは、テック3からMotoGPデビューを果たした野左根航汰のパフォーマンスにも言及。彼の印象的な走りが、ファクトリーチームの悲惨さを強調する証拠だとロッシは述べた。
体調不良でドイツに帰国したフォルガーの代役として、テック3の2台目のバイクを駆った野左根は、FP2でロッシのすぐ後ろ、13番手となった。一方で、ファクトリースペックのバイクで開発作業を進めている中須賀克行(ヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシング)よりも前でセッションを終えた。
「僕からしてみれば、ふたりの日本人ライダーを見るのは面白い」とロッシ。
「中須賀は、僕たちのバイクに乗っている。野左根は古いバイクだ」
「中須賀は野左根よりも経験が豊富で、通常であれば彼のほうが速いはずだが、今日は彼のほうが2秒遅かった。だからそれは大きな一歩なんだ」
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この記事について
シリーズ | MotoGP |
イベント | 日本GP |
ロケーション | ツインリンクもてぎ |
ドライバー | マーベリック ビニャーレス , バレンティーノ ロッシ |
チーム | Yamaha Factory Racing |
執筆者 | Jamie Klein |