シュワンツ、ビニャーレスを絶賛。「ヤマハ移籍は間違いか?」
ケビン・シュワンツは、イギリスGPで優勝を果たしたビニャーレスに賞賛を贈ったが、彼はヤマハへの移籍を疑い始めることになると語った。












通算25勝をすべてスズキのバイクで記録しているケビン・シュワンツは、先週のイギリスGPでのスズキの復帰後初優勝はサプライズだったと語ったが、チームの作業と、マーベリック・ビニャーレスの成熟性の両方を賞賛した。
「週末を通して、マーベリックとアレイシ(エスパルガロ)のどちらもトップ10に入っていた」とシュワンツはmotorsport.comに語った。
「それは良い兆候だと思った。けど、決勝でマーベリックが見えなくなるほどリードするとは、全く思っていなかった。明らかに、それは彼の増してきている成熟性のおかげだ」
「年の始めに、彼はアルゼンチンGP残り3周でクラッシュし表彰台を逃したり、グリッドの先頭に並んでいる時に、何回かスタートを失敗したこともあった」
「しかし彼はライダーとして、レーサーとして成熟した。シルバーストンでの彼は、本当に無敵に思えたよ」
ポールシッターだったカル・クラッチロー(LCRホンダ)とバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ホンダのふたりのライダーのバトルが、ビニャーレスがギャップを築くのに役に立ったか尋ねると、シュワンツはレースの結果に何も影響を与えなかったと考えている。
彼は、「(マルク)マルケスがロッシと激しいバトルをしていた時マーベリックは少し助かったように見えた。でも彼は最速だったし、マルケスはマーベリックに追いつけたとは思わない」と語った。
「もしマルケスがスタートからビニャーレスと争っていたら、マルケスとのレースになっただろうか? おそらくそうなっただろう。もしマルケスが前のグリッドを得て、マーベリックが後方からのスタートだったら、仮定が乱暴かもしれないが、おそらく簡単にはいかなかっただろう」
「けどマーベリックは、予選でフロントロウを獲得していて前が開けていたから、すぐにレースでリードすることができたんだ」
「そして正直に言えば、バイクは良く見えたし、レースをコントロールできたという彼のコメントから判断すると、もしマーベリックに何かプレッシャーがかかれば、彼はもっと速く走ることができたのだと思う。このことから、彼の自信だけじゃなく、スズキや彼らの進化について多くのことがわかる」
スズキは2017年のタイトル争いに参加できるか?
シュワンツは、ビニャーレスのイギリスGPでの優勝によって、すぐにスズキが優勝の常連になることはないだろうが、正しい方向に進んでいると励みになるだろうと語った。
「ここから彼らがどのように進んでいくのか楽しみだ」とイギリスGP優勝を4度経験(すべてドニントン・パークでの優勝)しているシュワンツは語った。
「シルバーストンは長くて速いサーキットだが、独特なサーキットというわけじゃない。彼らはストレートの後半、常にトップスピードが足りてないように見えていた」
「昨年ザクセンリンクに行った時、彼らは準備を万全に整えたように見えたし、トラックが彼らのバイクに合っていると期待していた。だが結果は散々だった。今は、誰も彼らが輝くと思っていなかったトラックで、躍進を果たしたんだ」
「ロッシが、ヤマハはエッジとトラクションのグリップが少し足りていないと語っており、だからシルバーストンでヤマハは少し遅く、エッジを失っていたのだろう。ホンダはトラクションでは良さそうだったので、ヤマハのパワーアドバンテージに対抗できていた」
「ではスズキはただ完全にうまくいったってだけだろうか? そういった様々な要素の組み合わせだったのか? 今年残りのレースで異なるタイプのサーキットに行って、スズキを見てみれば、もっとよく分かるだろう」
「困ったのはマーベリックだ。彼は今頭を掻きむしっているだろうね。私が彼なら、これが今良くなってきているスズキの、ただのラッキーなのかどうか疑っているだろう。彼はロッシ中心に展開されたチームであるヤマハに移籍する予定なんだ」
この記事について
シリーズ | MotoGP |
ドライバー | Kevin Schwantz , マーベリック ビニャーレス |
チーム | Team Suzuki MotoGP |
執筆者 | David Malsher |