中上、セパンで存在感示す。「即座にタイムを出せるようになってきた」

今季MotoGPデビューを果たす中上貴晶。モルビデリやルティなど、強力なルーキーが揃う中、セパンテストで存在感を示した。

 1月28日から30日までの3日間、マレーシアのセパン・サーキットで2018年第1回目のプレシーズンテストが行われた。

 MotoGPクラスを戦う24選手のうち、今年世界最高峰クラスにデビューするライダーは4名。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)、フランコ・モルビデリ(Team Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)、トーマス・ルティ(同)、ザビエル・シメオン(Reale Avintia Racing)という顔ぶれだ。ともに昨年までMoto2クラスを戦っていた選手たちで、この4名がルーキー・オブ・ザ・イヤーを争うことになる。

Franco Morbidelli, Estrella Galicia 0,0 Marc VDS
フランコ・モルビデリ(Marc VDS)

 

 中でも注目されるのが、同じホンダ勢としてRC213Vを駆る中上、モルビデリ、ルティの3選手だ。彼らのうち世界的に最も注目されているのは、おそらく2017年のMoto2クラスチャンピオン、モルビデリだろう。バレンティーノ・ロッシの若手選手育成プログラム”VR46アカデミー”出身でもあり、昨シーズンの成績は8勝を含む12表彰台という高水準の成績を見れば、彼に注目が集まるのは十分にうなずける。しかし、今回のテストで最も強い存在感を発揮したルーキーは、彼ではなく、日本人の中上だった。

 中上はテスト初日から精力的な走り込みを続け、夕刻には初めてのタイムアタックにも挑戦して経験豊富なベテラン選手たちに食い込むラップタイムを記録した。この日はトップから1.237秒差の12番手。翌日は軽い転倒を喫して、2台のバイクのうちフィーリングの良い方を使えなくなってしまったため、以後は予定していたプログラムを一部変更することになった。テスト3日目には、決勝レースを想定したロングランも実施した。

「酷暑の条件下なのでキツいぞ、と皆から言われていたのですが、思っていた以上に厳しかったです。今はテストだから単独で淡々と走っているだけですが、レースになるとバトルもあるので、周りの選手たちの動きを冷静に観察できるくらいの体力は必要でしょうね」

 そう言いながらも、2分00秒台後半から2分01秒台前半で安定したタイムを刻めたロングランを含め、充実したテスト内容には満足した様子で、充ち足りた笑顔でこの3日間を振り返った。

Takaaki Nakagami, Team LCR Honda
中上貴晶(LCRホンダ)

 

「今回のテストを終えて、かなり慣れてきた感覚はあります。(11月の)ヘレスと比較しても、今はパッと乗って即座にタイムを出せるようになってきました。今までなら何回か走りこまないとベスト近くに持っていけなかったのに、今は数周走っただけでも思いどおりに攻めてそこそこのタイムを出せるようになってきました。次のテスト地、タイも暑いと思うし、バイクに乗ることが何よりのトレーニングなので、引き続きこの調子でタイムを詰めていきたいと思います」

 中上は3日間の総合順位を15番手とした。モルビデリは20番手、ルティは25番手だった。モルビデリの順位は、2日目の転倒が原因で最終日に左手の痛みを訴えていたことをある程度勘案する必要があるだろうし、ルティもまた、昨秋に脚を負傷して今回が初めてのMotoGPテストであったことを考慮すれば、2分01秒126までタイムを詰めてきたのは、やはりさすがというべきか。

 それぞれに可能性を秘めた彼ら3人のルーキーは、世界最高峰の厳しい環境の中で一層その資質が磨きあげられてゆくだろう。次回のMotoGPプレシーズンテストは、タイ・ブリーラムのチャーン・インターナショナル・サーキットで2月16日から3日間にわたって行われる。

取材・執筆/西村章

コメント
コメントを書く
この記事について
シリーズ MotoGP
イベント名 Sepang January testing
サーキット セパン・インターナショナル・サーキット
ドライバー 中上 貴晶
チーム Team LCR
記事タイプ 速報ニュース