フル参戦2年目の載冠はロッシ以来。Moto3王者ジョアン・ミルの可能性

今季のMoto3クラス王者に輝いたジョアン・ミル。ホンダもその速さを認めるミルは、今後どんな活躍を見せていくのだろうか?

 フィリップアイランド・サーキットで行われた第16戦オーストラリアGPのMoto3クラス決勝レースで、ジョアン・ミル(Leopard Racing)が年間総合優勝を達成した。今シーズンを圧倒的な優勢で進めてきたミルにとって、チャンピオン獲得はもはや時間の問題で、この”フライアウェイ”3連戦の端緒となった日本GPでもすでにリーチがかかっている状態だった。

Joan Mir, Leopard Racing
Moto3王者に輝いたジョアン・ミル

Photo by: Gold and Goose / LAT Images

 雨のレースになった日本GPでは、ミルがノーポイントで終えてしまった一方でランキング2位のロマーノ・フェナティが優勝したために、王座獲得は次のオーストラリアGPへと持ち越しになった。このオーストラリアGPでは、フェナティの着順に関係なく、優勝もしくは2位でタイトルが確定する状況。ここまでの16戦中8戦で優勝してきたミルにとっては、いつも通りのレースをすれば王座を確定できる可能性の高い週末だった、と言えるだろう。

 Moto3クラスの決勝レースは、天候が不安定な当地に典型的な気象変化で、午前中の雨の影響により路面にはわずかにウェットパッチが残る状態からスタートしたものの、3周目あたりにはほぼ問題のないドライコンディションになっていた。しかし、レース途中で驟雨に見舞われて16周目に赤旗中断。15周終了段階の順位でリザルトが成立した。

 15周目を終えて、トップでコントロールラインを通過していたミルが優勝。今季9勝目となり、2017年Moto3クラスのチャンピオンを獲得した。

「2年前に初めてグランプリを走ったときは『みんな、なんて速いんだ!!』とビックリしたけど、今はこうやってチャンピオンを獲得できた。ホントに嬉しい」

 現在20歳のミルが初めてMoto3クラスのレースに参戦したのは、今からちょうど2年前、2015年のオーストラリアGP。当時、Leopard Racingに所属していた尾野弘樹が負傷欠場した際の、一戦限りの代役参戦だった。皆の速さに驚いた、と彼が言っているのはこの時の出来事で、日曜の決勝ではミルも転倒リタイアを喫している。

 翌2016年から同チームでMoto3クラスにフル参戦を開始。シーズン後半戦が始まったばかりのオーストリアGPで初優勝を飾り、年間ランキング5位でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

 今年のプレシーズンには、HRC開発室長の国分信一氏も「ミルは速いですよ」と優勝候補に数えていたが、その言葉通り開幕戦のカタールGPで優勝すると、前半戦だけでも9戦中5勝を挙げる圧倒的な強さを見せた。このシーズン前半戦には何度か、腰を据えて彼と一対一で話を聞く機会があったが、年齢相応の明るさも見せる半面、俯瞰した冷静な視点の窺える応答がいつも印象的だった。前半戦が終わった段階で、ミルは「チャンピオンを獲る自信がある」と話していた。ちなみにこの段階で、彼はすでに来季のMoto2昇格を決めている。

 そして、後半戦に入ってからも好調さを維持し、ノーポイントで終わった日本GP以外では全戦でポイントを獲得してこの日曜にチャンピオンを決めた。シーズンはまだ2戦を残しているが、年間9勝は、Moto3クラスでは初(125cc時代には、マルク・マルケスが2010年に10勝を達成している)。また、フル参戦2年目でのチャンピオン獲得は、1997年のバレンティーノ・ロッシ以来である。

取材・執筆/西村章

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この記事について
シリーズ MotoGP , Moto2 , Moto3
イベント名 オーストラリアGP
サーキット フィリップアイランド・グランプリ・サーキット
ドライバー ジョアン ミル
記事タイプ 速報ニュース