ロッシ8度目タイトルならず「骨折しなくても、狙えなかった」と白旗
ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、右足の骨折は、今年のMotoGPタイトルを争うのに、全く影響を及ぼさなかったと語る。

ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、8月下旬にモトクロスのバイクに乗ってトレーニングしていた際に転倒。右足を骨折し、母国ミサノでのレースを欠場することになった。
診察した医師は、長期の休養は避けられないとしていたものの、わずか22日で戦線に復帰。アラゴンGPの金曜日からマシンに跨がった。
ミサノ前の時点で、ロッシはポイントリーダーから僅か26ポイントの遅れに過ぎず、8回目のタイトル獲得を目指していた。しかしミサノを欠場し、もてぎではクラッシュによりリタイアしたことで、その目標を諦めねばならなかった。
しかしロッシは、自らの怪我やもてぎでの転倒よりも、今季のヤマハのマシンのリヤタイヤのグリップが不足しているため、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)やアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に打ち勝つことは不可能だったと考えている。
「僕からすれば全然良くない。なぜなら、僕はあまりにも多くの問題を抱えているんだ」
怪我がなければ、今季のタイトル争いはどうなっていたかと尋ねられたロッシはそう語った。
「シーズンを通して、そしてシルバーストン前にも言っていたように、僕はすでにチャンピオンシップを争うほど強くなかった」
「現実的に言えば、僕が足を骨折しなかったとしても、十分な強さはなかった。だから、チャンピオンシップを目指して戦うことはできなかっただろう。僕は2レース連続で力強いレースをすることができなかった」
ロッシはマレーシアGPでも苦戦。彼は7位でフィニッシュしたものの、2017年仕様YZR-M1は、ウエットコンディションで走るのは「不可能」であり、「危険」でもあると示唆した。
しかしそれでもロッシは、バイクにはまだ未開拓のパフォーマンスがあると感じているという。
「僕の意見では、バイクの可能性はそれほど悪くない。問題は、タイヤを機能させられないことにある」
そう彼は語った。
「シーズン開幕当初、このバイクは大きな問題を抱えていた。この2018年スペックのシャシーは、シルバーストン以降にもたらされた。でもその後、僕は骨折してしまった。だからある局面では、僕は他のライバルの後ろにいるんだ」
「でも、非常に難しいシーズンだったにもかかわらず、ドライコンディションでは多くの重要なことを学んだんだ」
Additional reporting by Oriol Puigdemont and Scherazade Mulia Saraswati
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この記事について
シリーズ | MotoGP |
ドライバー | バレンティーノ ロッシ |
チーム | Yamaha Factory Racing |
執筆者 | Jamie Klein |