ロレンソ、”チームオーダー無視”はドヴィツィオーゾにベストな選択

ロレンソは、チームオーダーを無視して走り続けることが、チームとドヴィツィオーゾにとってベストな選択だと考えていたという。

 逆転タイトルの可能性をかけて最終戦バレンシアGPに乗り込んだ、ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾ。しかしドヴィツィオーゾがタイトルを獲得するためには、優勝することが最低条件であった。

 レースでドヴィツィオーゾは、チームメイトのホルヘ・ロレンソの後方5番手を走り、抜きあぐねているように見えた。チームもそう判断し、ロレンソに対して「ドヴィツィオーゾを前に行かせるように」という指示である”マップ8に変更せよ”という司令をダッシュボードに送る。しかしロレンソはこれに従わなかったため、サインボードに「-1」と表示、明確に”ドヴィツィオーゾを先行させよ”とのチームオーダーを出した。

 ロレンソはそのサインボードの指示にも従わず、チームメイトに先行させることを拒否したまま走行。しかし、残り6周という段階で転倒してしまう。さらに同じ周にはドヴィツィオーゾも転倒を喫し、これで逆転タイトルの望みは完全に潰えた。

 レース後、記者団の取材に応えたドヴィツィオーゾは、ロレンソに抑えられていなかったと主張。タイトル争いのライバルであったマルク・マルケス(ホンダ)を含むトップグループについていくためには、”限界を超えて”プッシュせねばならなかったと感じていたという。

 一方のロレンソは、チームオーダーを無視していたことを認めた。しかしその理由について彼は、自身が先導した方が、ドヴィツィオーゾがタイトルを獲る可能性が増すだろうと考えていたと説明する。

「ダッシュボードの指示を見ても、僕は最後までプッシュし続けた。なぜならその方が、ドゥカティとドヴィ(ドヴィツィオーゾの愛称)にとって最高の作戦だと分かっていたからだ」

「僕は彼ができるだけ先頭グループに近づけるように、0.1〜0.2秒ペースを改善するのを手助けした。僕の意図はそこにあった。そして、実際に先頭グループに近いところを走ることができた」

「もし彼に勝つチャンスがあれば、僕は進路を譲っただろう。しかし、残念ながらそういうことは起きなかった」

「たぶんいくつかのコーナーでは、ドヴィが僕に近付いた。そして彼のペースを少し遅くさせてしまったかもしれない。しかし全般的に言えば、僕が彼の前を走ることで、彼のペースを少し改善することができた。彼が先頭集団に近付くのを助けたんだ」

「僕はドヴィが苦労しているのを知っていたし、彼のペースも分かっていた。そして彼がレースで、この週末で最も良いペースで走っていた。それも、僕のバイクが助けになったからだ」

「僕の考え方は間違っていなかったから、満足している。もし僕の考えが間違っていて、彼を遅くさせてしまったのなら、それは残念なことだ。でもそうじゃない。僕の感覚は正しかった」

 ロレンソはセパンとは異なり、事前にチームと戦略について話し合わなかったことも明らかにした。

 チームオーダーを”無視する”という判断が、ファンに誤った認識を与える可能性もあったのではないかと尋ねられたロレンソは、次のように語った。

「いや。まず最初に、僕は他の人たちがどう考えているのかについて、あまり気にしない人間なんだ。なぜなら、僕は正しいと思うことをするから」

「ライダーが何を感じているのか、理解するのはチームにとってすごく難しいことだ。でも、この仕事に関わっていない人たちのことを想像してみて欲しい……彼らが理解する方が、10倍難しいんだ」

Additional reporting by Lena Buffa

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この記事について
シリーズ MotoGP
イベント名 バレンシアGP
サーキット バレンシア・サーキット-リカルド・トレモ
ドライバー アンドレア ドヴィツィオーゾ , ホルヘ ロレンソ
チーム Ducati Team
記事タイプ 速報ニュース