早期復帰のロッシ「復帰を決めたのはタイトル争いのためではない」
今週末のアラゴンGPに出走する予定のロッシは、チャンピオンシップを争うのために復帰するのではないと語った。

ヤマハのバレンティーノ・ロッシは、手術をしてからまだ間もないにもかかわらず今週末のアラゴンGPに出場することを決めたが、それはチャンピオンシップのためではないと話した。
トラック上でのフィットネステストをクリアしたロッシは、今週末のアラゴンGPのフリー走行から戦列に復帰することになっている。最低でも復帰には”30~40日”かかるという見込みだったが、ロッシが大怪我を負ってからまだ22日しか経っていない。
前戦サンマリノGPを欠場したロッシは、ランキングトップと42ポイント差で現在4位につけている。なおアラゴンを含めた残り5レースでは、最大で125ポイント獲得可能だ。
しかし彼は、今年のMotoGPタイトルを獲得するという彼の野望は、アラゴンでの戦列復帰に影響を与えていないと語った。
「チャンピオンシップのためじゃない」とロッシは主張した。
「すべてのことがオープンだとは思うけど、それはトップ3人のライダーに対しての状況だ」
「チャンピオンシップのために復帰を決めたのではない。僕はできるだけ早く良い形で復帰したいと思っていたし、これがベストな方法だと考えている」
「僕はここにいたい。ミサノでのレースを欠場したせいで大きく痛手を被った」
ロッシはタイトルへの野心を重視していないが、ヤマハのチームマネージャーであるリン・ジャービスは、ロッシは先週末行われたF1シンガポールGPでのタイトル争いにインスピレーションを受けているだろうと主張した。
ロッシの復帰についてジャービスは、「彼のキャリアを見たら、”なぜ彼はまだバイクに乗っているんだ?”と尋ねる人もいるだろう」と話した。
「彼はこのスポーツを愛しているし、レーサーなんだ。我々にはまだ5レース残されており、何かが起こる可能性もある。F1のようにね。誰があんなことになると予想していた? ルイス(ハミルトン)は突如大きくジャンプアップすることになり、フェラーリの状況はひっくり返った。何が起こるのかは誰にもわからない」
「チャンピオンシップではバレンティーノの前に3人のライダーがいるが、どうなるのかはわからない。数学的、物理的に(タイトル獲得が)不可能になるまで、彼はレースに出てプッシュし続けるだろう」
アラゴンでの目標は明言せず
ロッシは、シーズン終盤の日本、オーストラリア、マレーシアというフライアウェイ連戦に向けて、アラゴンでバイクに乗ることが極めて重要だと考えている。
「確かにアラゴンでレースをフィニッシュするのは非常に難しいだろう。でももてぎまでに3週間あるし、レースを欠場しないことがとても大切なんだ」
「またシーズン終盤に向けても非常に重要だ。トップレベルの争いに復帰するためにも、怪我をした足のことについて、何をすべきなのかをより明確に理解することもだ」
また彼は、2010年に右足を骨折した時よりも今回の方がスムーズに回復していると語った。しかし2010年と今では状況が異なると語り、アラゴンGPでの目標については話そうとしなかった。
「前回(2010年)の復帰戦は大きなサプライズだった。(ケーシー)ストーナーとの3位争いの末、最終ラップでポディウムを失ったんだ。確か最終コーナーだったと思う。僕にとっては大きなサプライズだった」
「今は状況が違う。自分のレベルはわからないけど、明日はそれを理解する必要がある」
「レースに出ること、レースをフィニッシュすることはいい目標だ。それにおそらく、先頭に立つこともね。でも話すのにはまだ早い。それについては明日話す方が良いだろう」
Additional reporting by Jamie Klein
【関連ニュース】
- ロッシ、メディカルチェックをクリア。アラゴンGP出場へ
- ロッシの回復速度に驚くメディカルディレクター「並外れている」
- ”鉄人”ロッシ、ミサノでプライベートテスト決行。骨折からわずか18日
- クラッチロー、ロッシの代役案に疑問「中須賀やロウズの方が良かった」
- ドゥカティのテスターを務めるピッロ「もっとレース出場機会が欲しい」
この記事について
シリーズ | MotoGP |
イベント | アラゴンGP |
ロケーション | モーターランド・アラゴン |
ドライバー | バレンティーノ ロッシ |
チーム | Yamaha Factory Racing |
執筆者 | Valentin Khorounzhiy |