










ホルヘ・ロレンソは10番手を走行中の14週終了時点でピットインを行い、スリックタイヤが装着されたセカンドバイクに乗り換えた。その際、彼のクルーは反対していたようで、ロレンソがピットインしてきたことに困惑しているように見えた。
結局、ロレンソはわずか1周でピットに戻ってきた。コースはまだ濡れており、ドライタイヤを履くにはまだ早すぎたようで、新しいフロントタイヤを装着したファーストバイクで再び出て行った。
この2回のバイク交換の結果、ロレンソはポイント圏外の17位に終わり、2位に入ったヤマハのチームメイト、バレンティーノ・ロッシにポイントでも逆転され、ランキング3位に落ちてしまった。
ロレンソはレース後、クルーチーフのラモン・フォルカダは、ロレンソのファーストバイクのフロントタイヤのトレッドが大きく剥離しているのを認識しておらず、ピットで混乱が起きたとメディアに語った。
「チームは何が起きていたのかわかってなかった」と彼は振り返った。
「最初は理解していなかった。バイクを止めた時、トレッドが剥離していた部分は路面に隠れてしまっていたからね」
「だからフロントタイヤは完璧に見えた。バイクを動かしてはじめて彼らはタイヤが部分的に無くなっているのを理解したんだ。だからおそらく、ラモンはどうして自分がバイクを変えたがっていたのか、わからなかったんだと思う」
「スリックに変えたけれど、路面はまだまだ濡れていて、危険だった。乗り続ける意味はなかったから、もう一度バイクを変えたかったんだけなんだ」
タイヤの”脱落”問題は欠陥?
フロントタイヤについての問題は複雑で、ロレンソは、ドゥカティのワークスライダー、アンドレア・イアンノーネとアンドレア・ドヴィツィオーゾらと同様、タイヤ欠陥がレースに影響したと考えている。
ハードのフロントタイヤを選択したかったか尋ねられると、ロレンソは「このような問題が起きて欲しくないだけ。フロントタイヤは構造に限界が来ていた」と語った。
「同じではないものの、タイヤの違いはわずかだ。このようなことは起きるべきでないし、ミシュランは二度と起こらないように対策をしなければならない」
「もし次に似たようなコンディションになった場合、違うトラックでも同じようなことが起こりかねない。そうなってはならない」
「タイヤの面でデグラデーション(性能劣化によるペースの下落)が起きるかもしれないが、タイヤのトレッドが剥離するというのは起こってはならないことだ」
手に入ったかもしれない表彰台
ロレンソは、タイヤの問題がなければ、3位には入れたと考えており、同じタイヤを選択していたチームメイトのロッシに挑戦できたかもしれないと語った。
「とても不運なことに、最初に履いたタイヤでレースをフィニッシュできなかった。ドヴィツィオーゾやイアンノーネのようにね。カル・クラッチローやロッシと共に僕が最速のライダーのひとりだった」とロレンソは振り返った。
「3位、もしかすると2位に入れるくらいに速かったと思っている。けどそうはならなかった」
この記事について
シリーズ | MotoGP |
イベント | チェコGP |
ロケーション | Brno Circuit |
ドライバー | ホルヘ ロレンソ |
チーム | Yamaha Factory Racing |
執筆者 | Jamie Klein |