エスパルガロ移籍の余波、カル・クラッチロー“引退の危機”にドルナCEOが動く
MotoGPを運営するドルナ・スポーツCEOのカルメロ・エスペレータはシートを喪失すると見られているカル・クラッチローの来季の行き先を探す手助けをすると語った。
Cal Crutchlow, Team LCR Honda
Gold and Goose / Motorsport Images
6月初旬、motorsport.comは2021年シーズンから現KTMのポル・エスパルガロがレプソル・ホンダに加入し、アレックス・マルケスがHRCのフルサポートを受けてLCRホンダへ移籍するという情報を掴んだ。
そしてアレックス・マルケスがLCRホンダに加入するということは、すなわち現在所属するカル・クラッチロー、もしくは中上貴晶のどちらかが来季のシートを失うということを意味している。
だが出光興産が支援しているLCRのシートは、特に日本人ライダー向けとして設定されているため、中上がチームを離脱するという事態はまず考えられない。
そのため論理的な帰結は、チームを離脱するのがクラッチローだということになり、彼のMotoGPでのキャリア継続には疑問符が浮かぶようになった。
クラッチロー自身は2020年でMotoGPを引退する可能性は低いと述べていたが、既に2021年のMotoGPのシートが埋まりつつあることも引退説に拍車をかけてしまっている。特にファクトリーチームにはほぼ空きがなく、残っている有力なシートはアンドレア・ドヴィツィオーゾが交渉中のドゥカティの1席と、プラマックの1席のみだ。ただプラマックもフランチェスコ・バニャイヤが継続起用される可能性がある。
しかしMotoGPを運営するドルナ・スポーツはクラッチローにフル参戦ライダーとして残留してもらいたいと考えている。彼はMotoGPクラス唯一のイギリス人であり、2017年から開始したブリティッシュ・タレントカップのイニシアチブを引き続き築いていくために、彼の引退を避けたがっているのだ。
「カルには長い間我々と一緒に居てもらいたいと思っている」
ドルナ・スポーツCEOのカルメロ・エスペレータはmotorsport.comの独占取材に対しそう語った。
「そして我々が何度も行なってきたように、彼の2021年の居場所を見つけることを助けていくつもりだ」
またエスペレータはエスパルガロがレプソル・ホンダへ加入するという情報についても言及。HRCの計画を認識していたため、報道に驚かされることはなかったという。
「ホンダによるポルとの契約は、驚かされるものではなかった」
「一般の人を驚かせるだろうことはわかる。しかし私はそれがどこからどのようにして来ているのかを知っている」
「私はほとんどの人間よりも多くの情報を得ているため、チームが私のことを驚かせるというのは、それほど無いことだ」
エスパルガロのレプソル・ホンダ加入はまだ正式発表されていないが、既にKTMは2021年のライダーラインアップを発表。エスパルガロの離脱とその後任にはテック3のミゲル・オリベイラを昇格させること、テック3にはダニーロ・ペトルッチを加入させることを表明している。
ドゥカティとドヴィツィオーゾの交渉に関しては再開が8月となること、決裂した場合にはドヴィツィオーゾは1年間の休暇を取ることになるだろうとマネージャーは認めている。
その他2021年シーズンに向けた移籍については、バレンティーノ・ロッシとペトロナス・ヤマハSRTの契約締結が、7月17日から始まるスペインGP期間で発表されるとイタリア系メディアが報じている。
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