スズキのリンス「チームを背負う覚悟はできている」と開発力にも自信
スズキのリンスは、MotoGPで2年目を迎えたばかりだが、来季からチームやバイクの開発を率いる準備ができていると主張している。
















MotoGPで2年目のシーズンを過ごしているスズキのアレックス・リンスは、来季からチームメイトが自分より経験の少ないライダーになったとしても、チームとバイクの開発を率いていく準備はできていると語った。
リンスは2017年にMoto2クラスから昇格し、スズキから最高峰クラスにデビュー。怪我により前半戦5レースを欠場したもののベストリザルト4位、ランキング16位でルーキーシーズンを終えた。2年目となる今季は、第2戦アルゼンチンGPで3位となり初表彰台を獲得している。
第5戦フランスGPの際には、チームと2年間契約を延長したことが発表されているが、彼のチームメイトはまだ未定だ。
チームに在籍しているアンドレア・イアンノーネは、来年以降自身がチームに残ることはないと確信しており、リンスの相方になるライダーとしては、現在Moto2クラスに参戦しているジョアン・ミルが有力候補だと考えられている。
リンスは、多くの人々がミルに関心を寄せているものの、現ドゥカティのホルヘ・ロレンソや現マルクVDS・ホンダのフランコ・モルビデリがパートナーとなる可能性もあると言及。そして誰がチームメイトになっても問題ないと語った。
「本当にあまり気にしていない。僕は自分自身のことに集中する」
「チームメイトになるライダーが多くの経験を持っていようと、そうでなかろうと関係ない。僕は自分のやり方でやろうとするだけだ」
彼は、もしMotoGPでの経験がないミルや、2年目を迎えるモルビデリと組むことになっても、ひるむようなことはないと主張した。
バイクの開発をリードしていくという責任を背負う準備ができているかという質問に対して、リンスは「僕はそれに備えている。間違いなく、準備はできている」と答えた。
「これまで在籍したチームで、僕はかなりバイクの開発を進めてきた。そのいずれも自分が第1ライダーだったと言いたいわけではない。例えば、このチーム(スズキ)でも僕はそうやってきたはずだ。そうだろう?」
「自分が第1ライダーだと言っているわけではないし、イアンノーネが第2ライダーだというわけでもない。それは、スズキの哲学にも合致していないだろう。だけど昨年、僕はバイクの開発をかなり行った」
「僕は自分のやり方でやっていく。そしてもしミルやモルビデリが来ても、経験のあるライダーとして振る舞う準備ができていると確信している」
スズキが今季、大幅にパフォーマンスを改善させた要因のひとつであるエンジンについて、リンスは自分がエンジンの進歩に貢献したと強調した。
「昨年、僕たちはエンジンの面でかなりロスをしていたのは間違いない。今のエンジンには、僕の意見やアンドレアの意見が採り入れられている。ふたりの意見はだいたい同じだったんだ」
ミル、スズキとの交渉が進展していることを認める
イアンノーネに代わるライダーの有力候補であるミルは、イタリアGPが行われるムジェロで、スペインメディアに対して、まだ何かにサインしたわけではないと話した。一方で、スズキとの話し合いに進展があったことを認めている。
「全力で交渉している」
そうミルは述べた。
「今週末か、来週末にでも何かをお知らせできればいいと思っているけど、これまでのところ何かにサインをしたわけではない」
「(スズキに加入できたとしたら)本当に素晴らしいことだ。ファクトリーバイクを手に入れるんだ。ファクトリーチームに加入して(MotoGPに)ステップアップするというのは、僕が自分で立てた目標なんだ」
「(スズキは)表彰台も獲得しているし、非常に競争力のあるバイクだと思う」
現在、Moto2クラスのランキングで7位に位置しているミルは、チャンピオンシップに集中できるよう、自分の将来をすぐにでも決めることを望んでいると語った。
「すべてを、可能なかぎり早く確定させたい。そうすれば、Moto2クラスの残りのシーズンに100%集中できる」
「今はMoto2クラスのタイトルのことは考えていないが、もしどのレースでも先頭争いができ、表彰台に上がれるような強さがあれば、(タイトル争いに)挑戦できるだろう」
この記事について
シリーズ | MotoGP |
ドライバー | アレックス リンス , ジョアン ミル |
チーム | Team Suzuki MotoGP |
執筆者 | Valentin Khorounzhiy |