超期待の若手アコスタ、KTM離脱の未来もありうる!? 2024年MotoGP昇格がなければ契約破棄の可能性
KTMは有力な育成ライダーを抱えているが、特に有望と見られているペドロ・アコスタの2024年MotoGPクラス昇格が実現しない場合、彼を逃してしまう可能性がある。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
KTMは下位カテゴリーからの育成システムを組み上げており、MotoGPクラスにもライダーを送り込んでいる。しかし、昇格が滞った場合には、将来有望なライダーを逃してしまう可能性もある。
2023年シーズンに向け、KTM陣営は大きくライダーラインアップを変更。ファクトリーチームのブラッド・ビンダーのみが継続機用となり、ジャック・ミラー、アウグスト・フェルナンデス、ポル・エスパルガロの3人が加入することになる。
近年はイケル・レクオナ、レミー・ガードナーやラウル・フェルナンデスといった旗下のライダーの放出、移籍が続いていることで物議も醸しているKTM。彼らは最近になり、若手の昇格が急すぎたことなどを認める発言をしていた。
モータースポーツディレクターのピット・ベイラーは、Motorsport.comに次のように語っている。
「MotoGPクラスに昇格すると、プレッシャーが掛かるものだ」
「そして個人的には、我々は素晴らしいMoto2ライダーを、あまりにも早くにMotoGPへ送り込み過ぎたと思う」
「つまり、Moto2で2度目の素晴らしいシーズンを送っても、それはライダー達を傷つけるようなものではないということだ。あのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)ですら、2年やっている」
「レッドブル・ルーキーズカップ、Moto3、Moto2と、下位カテゴリーを少し早く通過させすぎていたと思う。若く才能のあるライダー達はロケットのように通過してきているが、MotoGPクラスはまた別世界なんだ」
「だから、我々も1年後にアウグストを交代しようと言うつもりはない」
「ペドロ(アコスタ)を落ち着かせ、将来に向けてその才能を育て続けることに、むしろやる気が向いている」
「彼がこのパドックにおける、将来の”ダイヤモンド”であることは明らかだ。しかし、彼をMotoGPに昇格させることを急ぐべきではないと私は思っている」
アコスタはMoto3クラスの初年度にチャンピオンに輝き、Moto2クラスへ昇格した2022年から早くもレース勝利を達成。2023年にはチャンピオン争いの候補となると目されており、“未来のマルク・マルケス”という高い期待と評価を集めている、最も注目される若手のひとりだ。
彼の昇格を急ぐことはないというベイラーの発言は、2022年のMoto2王者に輝き、MotoGPに昇格するアウグスト・フェルナンデスにとっては気の休まるものだろう。しかし、アコスタが2024年にMotoGPクラスへ昇格できない場合、彼がKTM陣営を離れてしまう危険性もはらんでいる。
KTMは2021年の段階でアコスタと3年契約を締結。その契約は、2024年のMotoGPクラス昇格を前提としたものになっているのだ。
2024年にKTM陣営はライダーの契約更新時期を迎える。前述のアウグスト・フェルナンデスに対する“猶予”の考えが変わらないとすれば、アコスタの席はビンダー、ミラー、エスパルガロの3人の中から空ける必要がある。
アコスタに近い関係者によると、彼らとしても2023年半ばまでに『2024年のMotoGPクラスデビューを保証しなければ、契約は解消されるだろう』ということだ。
その場合、他チームがアコスタの獲得を巡って動くだろうことは想像に難くない。多くのチームが2024年にライダーの契約満期を迎えるためだ。
『来年の事を言えば鬼が笑う』とは言うものの、2023年シーズンのKTM陣営の動き、ひいては2024年シーズンに向けたシリーシーズンは、今後の注目ポイントとなるかもしれない。
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