ジャコモ・アゴスチーニ、怪我で欠場マルケスに「昔なら5回は死んでる」装備盛り盛り現代マシンに苦言
MotoGPにおいて史上最多チャンピオン獲得回数を誇るジャコモ・アゴスチーニ。彼は6度のMotoGP王者であるマルク・マルケスに、自分の現役時代なら「5回は死んでいただろう」と話していたという。
ロードレース世界選手権において史上最多となる15回のチャンピオン獲得を誇るジャコモ・アゴスチーニ。彼は現在怪我で欠場が続いているマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)について言及した。
アゴスチーニは現在80歳ながらも、観客としてレースに訪れるなど、今もその興奮を楽しみ続けている。彼はマン島TTレースでの優勝経験もあり、ロードレースでも危険の多い時代を戦ってきたライダーだ。
現代のMotoGPで最もリスクを冒して走るライダーのひとりがマルケスだろう。彼は現在2020年に経験した大クラッシュで負った右腕骨折を完治させるべく療養中だ。
アゴスチーニはマルケスのリスクを冒した走りに驚きを隠さないものの、当代最強に近いライダーの才能を認めている。
「彼が何度も転倒してしまって、今は活動を休止しているのは残念だ。何時だったか、彼には『私の時代だったら、君は5回は死んでいただろう』と話していたんだ」
アゴスチーニはCorriere dello Sportにそう語っている。
「しかし彼はそうやって100%を出す男なんだ」
「彼が以前のような形で戻ってくることを願っている。マルクは観客を思わず立ち上がらせることのできるライダーで、私は彼のことが好きだ。彼とファビオ(クアルタラロ/ヤマハ)はグランプリのスタート前に私に挨拶しようとしてくる子たちなんだ」
Giacomo Agostini et Fabio Quartararo
なおアゴスチーニは現在のMotoGPマシンについてはあまり好意的ではない。よりライダーがより大きな役割を負うように、トラクションコントロールや電子アシストを減らすことを望んでいる。
「MotoGPのマシンはあまり好みではない」と、彼はGPOneに語っている。
「パワーを一部取り去りたいものだ。より危険にするものであって、ショーを盛り上げるものではないからだ。電子アシストに頼ることで、ライダーの手首で操作する楽しみを奪うことになる」
「馬力が少なければ、事故の危険性も低くなり、スペクタクルも増えるだろう。Moto2やMoto3での戦いは馬力云々ではなく、ライダーがショーを見せているから面白いんだ」
現在、MotoGPは複数の勝者が誕生する群雄割拠の時代となっている。だがアゴスチーニは圧倒的な強者が存在することの大事さも指摘している。
「複数の勝者たちも見たいのだろう。だがモハメド・アリやエディ・メルクス、マラドーナやバレンティーノ・ロッシ、ラファエル・ナダルといったような、他ができないことをする”ヒーロー”が求められている」
「私は勝利を寡占する人が、ファンに倦怠感を抱かせるとは思わない。彼らは大衆を魅了し、恋に落とす。ロッシが勝利しなくなった晩年まで、彼らが抱いていた愛情を考えてみてほしい」
「モーターサイクルレースには素晴らしいキャラクターが必要だ。最高のライダーのために多額の投資をしているメーカーが、タイヤが機能しなかったり、電子的な問題で負けたりするのは不公平だ」
「電子制御や(多すぎる)パワーは削減しなければならない。ショーを形作るのは280馬力ではない。かつては130馬力でショーが存在していたんだ」
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