アレイシ・エスパルガロ、弟ポルが直面する厳しい状況に「みんな、彼が成し遂げてきたことを忘れている」と怒り
アレイシ・エスパルガロは、弟のポル・エスパルガロがMotoGPで成し遂げたことを多くの人々が忘れていることに「とても腹が立つ」と語った。
アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は、大怪我から復帰したばかりにもかかわらずシート喪失の噂が流れる弟ポル・エスパルガロ(GASGAS・テック3)について、MotoGPで成し遂げてきたことを多くの関係者が忘れていると怒りを露わにしている。
ポル・エスパルガロは、今季の開幕戦ポルトガルGPのFP2で転倒。顎や脊椎を骨折する大怪我を負い、長く欠場が続いていたが、サマーブレイク明けのイギリスGPで復帰を果たした。
そして、翌オーストリアGPのスプリントレースでは6位となり、今季初ポイントを獲得。KTMファクトリーのジャック・ミラーからわずか0.5秒遅れという位置でのフィニッシュだった。
ポル・エスパルガロはレース後、長期の休養明けで首の筋肉をもっと鍛える必要があると語ったが、アレイシ・エスパルガロは過去の成功も踏まえ、弟に対して人々は「もっと我慢強くある必要がある」と主張した。
「このパドックにいる多くの人々は、ポルが誰なのか、彼が何を達成したのか、彼がこのブランド(KTM)のために何をしたのかを忘れている。だから僕はとても腹が立っているんだ」
「大きな怪我をして1ヵ月も2ヵ月も休んで、家にいなければならなかったんだ。簡単に行かない時もあるのだから、このスポーツはもっと忍耐強くならなければならない」
「怪我から復帰した選手たちが、10レースの間『あぁ、僕は背中が完璧じゃないんだ』と言っているのを見ることがある。僕の弟は危うく車椅子生活になるところだった。1ヵ月は食事もまともに出来なかったんだ」
「彼は今回6位でフィニッシュした。復帰2戦目のスプリントで、ほとんど経験のないバイクでだ。もっと忍耐強くある必要があるし、ここが世界で最も難しいクラスであることをもっと評価しなければならない」
彼がこうしたコメントをしたのは、弟の去就が不透明になってきたことと無関係ではないだろう。
2017年から4シーズン、KTMのファクトリーチームに在籍していたポル・エスパルガロは、その後レプソル・ホンダに移籍。2シーズンで2度表彰台を獲得した後、今季からKTMのサテライトチームであるGASGAS・テック3に加わっていた。
移籍の際ポル・エスパルガロは2年契約を結んでいるが、この契約が全うされるかは急に分からなくなってきた。というのも、KTMは現在Moto2クラス首位に立つペドロ・アコスタを来季MotoGPに昇格させようとしているからだ。しかしKTMは4人のライダーがいずれも来季の契約を有していることから、事態は複雑になっている。
KTMが来季の参戦台数を増やせるような見込みもないため、サテライトチームのポル・エスパルガロか、ラウル・フェルナンデスのどちらかとの契約を終了することになると見られている。
KTMのステファン・ピアラーCEOは、ドイツの『Speedweek』誌に対し、テック3のふたりのうちどちらがシートを維持するのかは、パフォーマンスで決めることになるだろうと語っているのだ。
怪我から復帰したばかりのポル・エスパルガロには酷な状況だが、アレイシ・エスパルガロは誰が残留に値するか疑問の余地がないと断言した。
「僕からしてみれば、状況は複雑だけどそれは明確だ。ポルには契約があるし、KTMとGASGASの他のライダーには敬意を表するけど、契約を別にしてもポルより優れたライダーはいない」
「契約は別として、もしあなたがブランドのボスで最高のライダーを探しているなら、ポルより優れたライダーはいない。これが僕の意見だ」
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