戦慄の大クラッシュを喫したアレックス・マルケス、接触振り返り「避けられるとしたら、バニャイヤの方だった」
MotoGPアラゴンGPでフランチェスコ・バニャイヤと激しいクラッシュを喫したアレックス・マルケスが、当時の状況を振り返った。
MotoGPアラゴンGPでは、残り6周のところで3番手を走っていたアレックス・マルケス(グレシーニ)とそれを追っていたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)のクラッシュが発生。幸いライダーはどちらも大怪我を免れたが、マルケスはクラッシュを避けられたとしたら、それはバニャイヤの方だったと振り返った。
予選で5番グリッドを獲得したマルケスは、スタートでホイールスピンを起こしたバニャイヤと危うく接触しそうになりながらもスプリントで4位入賞を果たしており、決勝レースに向けては表彰台を争うペースがあると語っていた。
決勝レースでも同様にバニャイヤがスタートで挙動を乱し、マルケスに突っ込んできそうになった。しかし巧みにそれをかわしたマルケスはポジションを上げ、3周目から17周目まで3番手を走った。
スプリントでは苦戦したバニャイヤだが、決勝ではレース後半に追い上げを開始。ターン12でラインを外してしまったマルケスに対し、後方から追い上げて差を縮めていたバニャイヤが急接近した。
そしてターン13に向けてバニャイヤはアウト側からオーバーテイクを仕掛けた。自らのラインに戻ろうとしていたマルケスと、そのバイクが死角に入りイン側にスペースを残さなかったバニャイヤ。2台のバイクは交錯し、大クラッシュとなってしまった。
バニャイヤの上にマルケスのバイクが乗り上げる戦慄のクラッシュだったが、バニャイヤは打撲程度の怪我で済んだのは不幸中の幸いだった。
「残り数周まではとても順調で、そこまではとてもいいレースができていた」
そうマルケスは振り返った。
「ターン12では少し深く入ってしまった。みんなかなりスライディングしていたし、僕たちも限界まで攻めていたからね。ターン13に入ったとき、まず後ろに誰がいるのかわからなかった」
「そしてすでにイン側についた時、頭が右を向いていてアウト側の視界はなかったけど、接触を感じた。バイクはすでに起こしていたし、僕は何も出来なかった。ウォールがどこにあるのか見ようとしていたんだ。複雑な瞬間だった」
一方のバニャイヤはレース後、マルケスのことを危険なライダーだと激しく批判した。
マルケスは、バニャイヤにはあそこで無理に抜きに行く必要はなく、イン側にスペースを残すべきだったと語った。
「彼が批判することも、僕が批判することもできるだろう。彼は僕がそこにいることを知っていたが、僕が彼が外側にいることを知らなかった」
「あれほどペースが良くて、あれほど速く走ってくるのなら、あんなふうに急かさずに別のタイミングで抜くこともできたはずだ。レースディレクションに唯一言ったのは、彼は1メートルの間隔を空けて、イン側のラインに行かないようにすべきだったということ、それだけだ」
「彼は僕がそこにいることを知っていたし、僕がコーナーに進入しようとしている、あるいは曲がろうとしていることは分かっていた。そこからは、彼には彼の、僕には僕の意見があるが、最終的な結果は変わらない」
レース後、ふたりはそれぞれレースディレクションに呼ばれたが、スチュワードは2人を別々に受け入れた。
「ペッコ(バニャイヤ)とは話していない。彼ら(スチュワード)が望んだから、別々にレースディレクションに行ったんだ。僕が外に出てきたとき、彼は外に座っていたけれど、たくさんのカメラとたくさんの人がいて、話したくなかった。ペッコとはいい関係で、スペイン選手権では2、3年ピットボックスをシェアしていたし、お互いのことをよく知っている。だから、僕たち2人のレースが早く終わってしまって悲しいよ」
マルケスは、バニャイヤとのクラッシュと共に、表彰台を獲得する絶好の機会を失ったことを深く悲しんだ。
「僕たちはアラゴンで表彰台を争っていた。最後まで全力を捧げて戦ったはずだ。バニャイヤもチャンスを掴みたかったんだ。彼は今日オーバーテイクが非常に難しく、多くのリスクを負わなければならないことを知っていたからだ」
「彼がチャンピオンシップを戦っていて、彼にとってベストな週末になっていないのは理解していた。彼はどうにかしたいと思っていたのだろうが、それはそれだ。話をしても何も変わらない。僕たちは前を向かなければならない」
なおmotorsport.comの調べでは、レース数時間後に状況が落ち着いたところでふたりが個人的に面会した事が分かっている。
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