シート喪失のリンス、2027年の残留諦めず「まだ空席は残っている。返事を待っているところ」
ヤマハのシート喪失が決まったアレックス・リンスは、まだ来季の継続参戦に向けて希望を捨てていない。
アレックス・リンスは2027年のシート確保の可能性はまだ残されていると考えている。
2024年からヤマハに所属するリンスだが、ヤマハは2026年限りでリンスとの契約を終了する。シーズン序盤戦でシート喪失が決まったリンスは現在、来季のMotoGP残留を目指して少ないながらもシート獲得の可能性があるチームへとアプローチをかけている。
ただリンスにとっての状況は厳しい。ライダー市場そのものの動きが早く、既に多くのシートが埋まっている上に、スズキやLCRホンダ時代に見せたパフォーマンスに匹敵する力をヤマハでは示せていないことも、彼にとっては厄介な要素となっている。
リンスはそれでも諦めておらず、イタリアGPではヤマハ勢の中でも最も力強い走りを見せ、予選Q2へ陣営で唯一直接進出を決めた。スプリントレースでは12位となり、決勝では15番手を走行中の11周目にクラッシュでレースを終えた。
もちろん、その結果だけではライダーとしての評価を高めるには十分ではない。しかし、それは現在のヤマハの実情を正確に反映したものでもある。特にリンスと、シーズン終了後のMotoGP離脱が有力視されているプラマックのジャック・ミラーにとってはなおさらだ。
「自分の能力をすべて見せられるバイクじゃない。来年どうなるのか? それは分からない」
リンスはそう語った。
「MotoGPに残りたいと思っている。でも時間はどんどん過ぎていく。ただ、自分が何をできるライダーなのかは分かっているから落ち着いている。もし実現しなくても人生は続いていく」
「MotoGPにはまだいくつか空席が残っているし、その返事を待っているところだ」
Alex Rins, Yamaha Factory Racing
Photo by: Gold and Goose Photography / LAT Images / via Getty Images
現時点で空席が残っているとみられるのは、主にトラックハウスとテック3のシートだ。
トラックハウスについては、エネア・バスティアニーニの加入が濃厚視されている一方、もうひとつのガレージを誰が使用するのかが最大の焦点となっている。その不確定要素は、ラウル・フェルナンデスがムジェロのスプリントで優勝したことでさらに大きくなった。
ただ調べではMoto2のマニュエル・ゴンザレスを起用する方向に進んでいるようだ。
KTM陣営のテック3では、マーベリック・ビニャーレス、ブラッド・ビンダー、ルカ・マリーニ、そしてMoto2のセナ・アジアスが有力候補と見られている。
なおヤマハはリンス、そしてファビオ・クアルタラロのファクトリーライダーの両名が今季限りでチームを去る予定となっていることで、それぞれのライダーは微妙な立場に置かれてしまっている面もある。
ヤマハはすでに、2027年以降の将来を見据えて動いている。マシン開発の一部で、現行ラインアップのライダーが完全にはアクセスできなくなっていることも自然な流れだ。
その事情はライダー側にも当てはまる。クアルタラロはすでに、現行マシンに競争力がない以上、最優先事項は負傷を避けることだと明言している。
ただリンスは、MotoGPでの将来を懸けて戦っているため、少しも手を抜く余裕がない。予想されたことではあるが、こうした複雑な状況は組織内に時として緊張を生み出している。ただし、それは日々ともに働く現場スタッフというよりも、むしろマネジメント層との関係においてだ。
「自分がクルーととても良い関係を築いているのは良いことだと思う」と、リンスは言う。
「チーム内では、以前と同じ状況ではない。嘘じゃない。今になって人の本当の姿が見えてきた。まだレースはたくさん残っているけど、自分はできる限りプロフェッショナルであり続け、敬意を持って振る舞おうとしている。そういうふうに育てられてきたからね」
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