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プラマック・ヤマハの新人ラズガットリオグル、早くもモチベーション低下? テストで適応に苦しみタイム出せず……その要因は

トプラク・ラズガットリオグルは、MotoGPデビューを前にして適応に苦しんでおり、モチベーションも低下していると認める。その理由はどこにあるのだろうか。

Toprak Razgatlioglu, Pramac Racing

 プラマック・ヤマハからMotoGPにデビューするトプラク・ラズガットリオグル。セパンでのプレシーズンテストを終えた段階で、彼のMotoGPマシンへの適応は決して順調にはいっていない。

 2021年、2024年、2025年と3度WSBK(スーパーバイク世界選手権)王者に輝いたラズガットリオグルがついにMotoGPに転向するとあって、彼の走りには注目が集まってきた。セパンでの合同テストでは、新型V4エンジンに安全上の問題が発生したことでヤマハ陣営が2日目の走行を取りやめるというアクシデントもあったが、ラズガットリオグルはシェイクダウンテストも含め5日間を走行した。

 ただ、彼のベストタイムは最終日に記録した1分58秒326で、これはトップタイムをマークしたドゥカティ陣営のアレックス・マルケス(グレシーニ)からは約2秒遅れの18番手に留まるモノだった。また同日のヤマハ勢最速タイム(アレックス・リンス)からも0.7秒以上遅れていたが、エースライダーであるファビオ・クアルタラロが負傷により欠席していたことを加味すると、実際にはもっと差がついた可能性がある。

 少しでも早くMotoGPマシンに適応したいラズガットリオグルにとっては非常に困難な状況にある。彼は次のように語る。

「学べたことがあるけど、多くはない。まだ自分のライディングスタイルを変えようとしている最中なんだ」

「今朝は力強いスタートを切れなかった。タイムが出ないから、少し怒りも感じている。午後にはユーズドタイヤで良いセットアップが見つかって、少し良くなったと感じたけどね」

 そう語ったラズガットリオグル。ニュータイヤを履いた時の一発のアタックがうまくいかなかったことを悔しがっている。

「1分57秒台が出ると思っていたけど、出せなかった。57秒7や57秒6くらいは見えると思っていたけど、走り始めからとても難しかった」

「これまでと同じように乗っているのにタイムが出ないから、モチベーションも下がってきている。最終的にはリズムを見つけたけど、新品タイヤを2本使ってすべてやった結果が58秒3。理論上は58秒1か58秒0も出せたけど、それでもやはり57秒台には届かない」

「僕にとってはスーパーバイクのこと(成功)があるから、スクリーン上で自分の名前がこんなに下にあるのを見るのは受け入れがたい。でも早く学ぼうとしている。どうなるかは分からないけど、毎日全力を尽くしている」

なぜラズガットリオグルは苦戦しているのか?

Toprak Razgatlioglu, Pramac Racing

Toprak Razgatlioglu, Pramac Racing

Photo by: Hazrin Yeob Men Shah / Icon Sportswire via Getty Images

 彼の適応の遅れは複数の要因によるものだ。まず第一に、彼はミシュランタイヤに適応しなければならない。これはWSBKで慣れ親しんだピレリとは特性が大きく異なる。2027年にはMotoGPもピレリタイヤにスイッチするのだが、少なくとも現時点では、ミシュランの“DNA”を理解しなければならない。

「このタイヤはピレリとは少し違う。ピレリではスピンすると感じてもコントロールしやすい。でもミシュランはスピンすると終わりだ」とラズガットリオグルは言う。

「フロントタイヤのフィードバックは今は完璧。でもリヤはとても敏感で難しい。グリップを理解するのが簡単ではなく、もっと時間が必要だ」

「タイであと2日テストがある。今回サスペンションは触らず、新パーツを試しただけだったから、次は違うセットアップも試すかもしれない」

 本格的なレースシミュレーションまではできなかったものの、ユーズドタイヤではまずまずのリズムを掴めたラズガットリオグル。やはり課題は新品タイヤを履いた時の挙動のようだ。

「ニュータイヤで走ると、アクセルを開けるのをすごく待たなければならないのが難しい。スーパーバイクではリヤタイヤを使って曲がっていたんだ。スライドさせながらも路面を掴み、良い加速ができていた」

「でもMotoGPでは逆だ。特にリヤがすごく敏感だから、Moto2のようにとても優しくアクセルを開けないといけない。チームからもスムーズに乗るように言われるけど、言うのは簡単だ。スーパーバイクに乗ってからだと本当に難しい」

 さらに、ヤマハのYZR-M1に合わせたライディングスタイルの構築も課題だ。市販ベースのWSBKマシンとMotoGPのプロトタイプバイクの性能差は想像ほど大きくないが、最大限のパフォーマンスを引き出すための乗り方はまったく異なる。

 ラズガットリオグルはここまで、大胆に強くブレーキングするスタイルは踏襲することができているが、他の領域では明確に苦戦している。

「ブレーキングは問題ない。ハードブレーキングでバイクを止めるところは完璧だ。でも長いコーナーでの走りがまだ理解できていない。コーナリングスピードが少し難しい」

「今朝アレックス・マルケスを見たんだ。彼のバイクは旋回も加速も素晴らしく、グリップもある。自分も同じように乗ろうとしているけど、バイクが曲がってくれずに少しロスしている」

 彼は今週のテストで異なるハンドルバーも試したが、それには代償もあったという。

「このハンドルバーになって良くなったけど、ストレートで少しトップスピードを失う。高いハンドルバーだからコーナーでも少し失うかもしれない」

「バイクを傾けるのが簡単じゃない。これは本来の自分のスタイルではない。でもMotoGPではそれが必要だから、今はスタイルを変えようとしている」

 MotoGPは3月1日にタイ・ブリーラムで開幕戦が行なわれるが、その前に同地で2日間のテストが実施される。ラズガットリオグルはそこでレースシミュレーションを完了し、MotoGPデビューに備えることを目標としている。

 

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