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MotoGP 第16戦日本GP

青木3兄弟、26年振り揃って走行。“パラライダー”支援の一般社団法人設立へ

青木3兄弟がサーキットに集結し、26年ぶりに3兄弟が共にバイクを走らせた。

青木宣篤、青木拓磨、青木治親

 MotoGP日本グランプリの開幕前日となる17日(木)、ツインリンクもてぎで青木宣篤、青木拓磨、青木治親の“青木3兄弟”が26年ぶりに揃ってバイクを走らせた。

 1998年のテストで負った脊髄損傷によって下半身不随となった拓磨。怪我を負った後は二輪から離れ、4輪レースへと戦いの場を移していた。

 しかし今年7月、拓磨は鈴鹿8時間耐久ロードレースの際に22年ぶりにバイクを走らせた。これは末の弟である治親の“拓磨をもう一度レーシングバイクに乗せたい”という思いが発端となり、サイドスタンドプロジェクト“Takuma Rides Again”の名の下準備を進め、それが実を結んだものだった。

 それから約3カ月。今度は青木3兄弟が26年ぶりに揃ってバイクを走らせ、またひとつ3兄弟の夢が実現した。

 今回拓磨が走らせたバイクは、ホンダのMotoGPマシンであるRC213Vの公道版である“RC213V-S”に改造を施したものだ。鈴鹿8耐ではCBR1000RRを駆ったが、今回は生粋のレーシングバイクと言えるマシンだ。

 ピットレーンに姿を表した青木兄弟は、拓磨をマシンに乗せると爆音を響かせながらコースイン。

 揃ってホームストレートに戻って来た3人はアクセル全開で駆け抜け、あっという間に予定されていた2周の走行を終えた。

 走行後、拓磨はRC213V-Sについて、「市販車ですけど、ワークスマシンと言っていいと思います。(CBR1000RRと比べて)特に加速は2倍は違うのではないか。素晴らしいマシンだと思う」と過去に駆っていたNSRと比較しつつ、強烈な加速について嬉しそうに語った。

 なお拓磨は今回、ツインリンクもてぎのコースをバイクで初めて走った。建設中のサーキットを眺めていた事を思い出すと、懐かしげに当時のことを振り返った表情が、感慨深げで印象的だった。

 またこの走行に先駆けて、一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)の発足が公表された。障害があっても、バイクを諦めたくない……“バイクに乗る”という夢を追いかける人々を後押しするため、このSSPを発足させたという。なお代表は青木治親が務め、理事に青木宣篤が就く。

 今後SSPは、MotoGP日本GPでのデモランを経て、11月には東京都主催のパラアスリートイベント「Team Beyond」に出演する予定だ。さらに年5回の予定で身体障害者を対象としたサーキット走行体験会や青木拓磨のデモラン、各種イベントでの障害者バイクライディングの普及活動を行っていくとのことだ。

 また将来的には世界各国のパラライダーとの交流イベントや、バイクへの専用システムの取り付け、バイクの管理、メンテナンス、運搬、更にSSP Para Moto Raceの開催なども目指すとした。

 SSPの活動内容等、詳しい情報は公式ホームページ(http://ssp.ne.jp/)まで。

青木治親、青木拓磨、青木宣篤

青木治親、青木拓磨、青木宣篤

Photo by: Jun Goto

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