出場停止ペナルティへの控訴は責任逃れ目的ではない? アプリリア、前例重視し行動「過去にはこんな処分はなかった」
MotoGPチェコGPで発生したマルコ・ベッツェッキのマーシャル殴打事件。チームCEOのマッシモ・リボラは控訴した理由について「前例との違い」にあったと説明した。
Massimo Rivola, CEO of Aprilia Racing
写真:: Gold and Goose Photography / Getty Images
MotoGPチェコGPでマルコ・ベッツェッキがマーシャルを殴打し、決勝の出場停止処分を受けた事件では、チーム側が控訴していた。その理由についてアプリリア・レーシングのマッシモ・リボラCEOは”前例との違い”を挙げた。
ベッツェッキはスプリントレースで転倒したあと、マシンの回収に出てきたマーシャルを2度殴打。これはマーシャルが誤ってアクセルを吹かしてしまったことにベッツェッキが激怒したことが要因だったと後に説明されたが、そういった理由はともかく、MotoGP側はこの件を重く見て、決勝レース出場停止のペナルティをベッツェッキに科した。
インターネット上でも当時の映像が拡散され、ベッツェッキには批判の声が多数寄せられた。
ただその後、アプリリアはこの処分に対して控訴。マッシモ・リボラCEOとチームマネージャーのパオロ・ボノラが審理に出席したが、スチュワードは控訴を棄却し、当初の出場停止処分が維持された。
リボラCEOはチェコGPの3日目に、控訴は責任逃れを目的としたものではないと釈明。アプリリアとして暴力行為を容認するつもりはないと明言しつつ、前例を参考にペナルティの軽減を目指していたのだと説明した。
「まず最初に、マーシャルの方に謝罪したい」
リヴォラは語った。
「次に、我々はゼロ・トレランス(無寛容)の立場だ。だから処分そのものについては受け入れている」
「我々が控訴した理由は、過去にも今回より軽いとはいえ、非常に目立つケースがあったからだ。例えばアレイシ(エスパルガロ)と(フランコ)モルビデリの件だ」(※2023年カタールGP FP2でエスパルガロがモルビデリの頭を叩いた事例)
「その時は1万ユーロの罰金と6グリッド降格だった」
「だから私としては、『少し厳しすぎるのではないか』と思ったんだ。『高額な罰金でもいいし、さらなるグリッド降格でもいい。しかしレースには出させてほしい。過去にはこんな処分はなかったのだから』とね」
「だが、もし今後はこれが基準になるのであれば、それで構わないし賛成だ。良い前例ができたということだろう」
Marco Bezzecchi, Aprilia Racing
Photo by: Gold and Goose Photography / Getty Images
今回の控訴について、結果的に誤ったメッセージを発信することになったと後悔していないかと問われると、リボラCEOはこう答えた。
「いや、していない。結局のところ、私は自分のチームとライダーを守らなければならないからだ」
「私は彼らがレースをしている姿を見たいのであって、走れない姿を見たいわけではない。そして、こうした処分が下された例を私は過去に見たことがなかった」
リボラCEOは今シーズン、自チームのライダーふたりがタイトル争いを繰り広げる中、難しいチーム運営の対応に追われてきた。
カタルニアGPでは、マルティンとサテライトチームのラウル・フェルナンデス(トラックハウス)が接触するクラッシュが発生し、転倒後にはマルティンがチームマネージャーを怒りのあまり突き飛ばすシーンもあった。
また、ハンガリーGPではマルティンがスタート直後に転倒しベッツェッキとフェルナンデスを巻き込む多重クラッシュを引き起こしてしまった。ハンガリーGPのクラッシュではリボラCEOが公然とマルティンの動きを批判していた。
ライダーマネジメントの難しさについて尋ねられると、リボラCEOは次のように語った。
「彼らは心も、持てるものも、すべてを注ぎ込んでいるライダーたちだ。少し馬鹿げて聞こえるかもしれないが、私は自分のすべてを出し切るライダーたちと仕事をするのが好きなんだ」
「もちろん、私自身も含めて、彼らとの接し方には改善の余地がある。これは私にとっても良い教訓になった」
■過去の暴力行為の事例
こうしたケースは稀ではあるが、感情が高ぶった結果としてライダーが暴力的な行動に出た例は過去にも存在する。転倒後にマーシャルを突き飛ばす場面は過去に何度か見られていて、ベッツェッキもこれ以前に1度マーシャルを突き飛ばしたことがあり、その時は1000ユーロの罰金を科されている。
また他の違反行為としては、Moto2でロマーノ・フェナティが2018年のサンマリノGPにおけるバトル中に、ステファノ・マンツィのブレーキレバーを握るという行動に出た件が悪名高い事例だろう。この一件ではフェナティは2戦出場停止のペナルティを科されている。
グランプリライダーがレース出場停止処分を受けた直近の例は2021年で、デニス・オンジュがアメリカズGPで多重クラッシュを引き起こしたとして2戦出場停止処分を受けている。
なお四輪最高峰のF1では、2018年にマックス・フェルスタッペンがエステバン・オコンと衝突し小突きあった結果、フェルスタッペンに2日間の社会奉仕活動のペナルティが科されている。
記事をシェアもしくは保存
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。