バニャイヤ「慎重過ぎると逆に問題。普段通り行く」タイトル優位で迎える最終戦にも不安なしか

　MotoGP2022年シーズンのチャンピオンに、王手をかけているドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤ。最終戦バレンシアGPでは、”慎重さ”よりも普段通りのアプローチを心がけていくという。

　バニャイヤは今シーズン序盤こそ精細を欠いていたが、中盤戦から彼らしい強さを発揮。4連勝を含む好結果を挙げ、一時は脱落したと思われていたタイトル争いに復帰した。

　ライバルのファビオ・クアルタラロ（ヤマハ）が急失速する中、バニャイヤは第18戦オーストラリアGPでランキング首位を奪取。そして第19戦マレーシアGPで7勝目を挙げ、クアルタラロに対するリードを23ポイントまで広げた。最終戦バレンシアでは、2ポイント獲得するだけで、彼の初王者が決まるのだ。

　一方クアルタラロが逆転するには、最終戦で勝利し、かつバニャイヤが15位以下に沈まなければならない。これは実質的にバニャイヤの転倒がなければ厳しい条件とも言えるもので、バニャイヤはタイトルをほぼ手中に収めたと見られている。

　つまりバニャイヤはバレンシアで大きくリスクを冒すこと無く、コンサバな走りを見せれば良いということになるが、彼は最終戦で慎重になりすぎると、「逆に問題が出る可能性がある」として普段通りのアプローチで行くと話している。

「確かに、チャンピオンシップの面では少し良い状況だ」と、バニャイヤは言う。

「でも、慎重になりすぎると、問題が起きることもあるんだ。というのも集団の中で走っているとより難しいし、フロントタイヤの内圧変化も起こるからね」

「だから普段通りにやっていくよ。今週末（マレーシアGP）のように……ではなくね。それに今週はクラッシュしすぎてしまっていたから」

「僕は賢くあることが必要だし、色々なものを理解しておく必要がある。ただレースで勝てる可能性があるなら、勝ちを狙うだろう」

「ドライコンディションになるよう祈ってグランプリ初日を待ちつつ、そしてどうなるか様子を見てみよう」

　バニャイヤはマレーシアGPでは2日目に2度の転倒を喫して予選も9番手になるなど、厳しい状況に直面していた。ただ最終戦に向け、彼はマレーシアGPでの学びからリラックスして臨むことができると語っている。

「今はリラックスすることができるよ」

「今週末は自分のミスによって、かなりタフなモノになっていた」

「だからバレンシアに向けては、（マレーシアGPの）土曜日のように強引にやらなくでも十分に強いんだということを理解していたい」

「そして今日示したように、僕らはクレイジーなことをしなくとも、十分に良いペースがあるんだ」