マルケスとバニャイヤの接触事故、ペナルティは無し。危機一髪のバニャイヤは「ああいう奴とレースするのは危険」と憤慨
MotoGPアラゴンGP決勝でのアレックス・マルケスとフランチェスコ・バニャイヤの接触転倒は、審議対象になったがペナルティは発生しなかった。ただバニャイヤは納得できていないと不満をぶちまけた。
Francesco Bagnaia, Ducati Team, Alex Marquez, Gresini Racing crash
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
MotoGP第12戦アラゴンGPの決勝で発生したアレックス・マルケス(グレシーニ)とフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)の接触転倒は、審議対象になったもののペナルティなどは科されないことが決まった。ただこの結果にバニャイヤは納得できていないようだ。
マルケスとバニャイヤのアクシデントは、表彰台最後の一席を巡ってバトルが展開されると思われた残り6周で発生。マルケスがターン12でワイドに膨らんでしまいタイムロスした際、これを好機と見たバニャイヤはターン13に向けてアウト側から追い抜きをしかけたのだが、ターン13へのアプローチで両者が接触。ふたり一緒にもつれ込むようにクラッシュしてしまったのだ。
バニャイヤの上にマルケスのマシンが乗り上げる形の危険なクラッシュとなったが幸いバニャイヤは打撲程度で済んだ。しかしタイトル争いではノーポイントに終わったことでホルヘ・マルティン(プラマック)にリードを大きく広げられてしまった。
このクラッシュは審議対象となり、レース後にライダー2名はレースディレクションの元に召喚され、それぞれが見解を語った。ただ最終的にこの件でペナルティが科されることはなかった。
バニャイヤはレース後に、マルケスのことを強く批判。当時の行為が「危険」なものだったと語った。
「たくさんのことを声明すべき状況じゃない。あの状況は見た通りだ。ああいった事をするライダーがいるというのは心配だね。僕が彼と当たって下敷きになっているときアクセルが吹かされているのを感じたけど、彼は僕が振り落とされるまで加速をやめなかった」
「何より最悪で、僕を一番怒らせているものはデータにある。テレメトリーでは接触したあと、(マルケスが)40%から60%へ加速していたことだ。こういったことをする人とレースをするのは危険だ」
「普通は接触を避けようとするものだけど、このデータはそういう風に思わない人もいることを示している」
Francesco Bagnaia, Ducati Team, Alex Marquez, Gresini Racing crash
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
一方でマルケスはバニャイヤが追い抜きを仕掛けて来た際、自分の位置からは見えていなかったと主張し、衝突を避ける義務はバニャイヤ側にあったと話した。
「起きたことは変えられない。そして接触を避けられる誰かがいたとすれば、それはそこにいた彼だ。僕は(バニャイヤが)アウト側にいたことを知らなかった」
「レースディレクションに話したのは、彼がもう少し僕との間に距離を空けて、イン側に流れてこなければ、何も起こらなかっただろうということだけだ」
見解が異なるふたりだが、バニャイヤはマルケスが謝罪しようとしなかったことにも憤りを感じている。
なおmotorsport.comの調べでは、レース数時間後に状況が落ち着いたところでふたりが個人的に面会し、緊張を緩和した事が分かっている。
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