バニャイヤ、デュパスキエの事故死を受け「MotoGPはレースをするべきではなかった」

ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤはMotoGP第6戦イタリアGPで起きたジェイソン・デュパスキエの事故死を受けイタリアGPを続行したことは正しい選択ではなかったとし、受け入れがたいと思いを語った。

バニャイヤ、デュパスキエの事故死を受け「MotoGPはレースをするべきではなかった」

 2021年MotoGP第6戦イタリアGPのMoto3予選中に起きた転倒事故でジェイソン・デュパスキエ(CarXpert PruestelGP)が亡くなったことが、Moto2クラス決勝レース前にFIMの声明で明らかになった。

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 その後のMoto2クラスとMotoGPクラスは予定通りに決勝レースが執り行われ、MotoGPのレース前にはデュパスキエに黙祷を捧げる時間が設けられた。

 ただドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤのようにレースを行なうべきではなかったと考えているライダーも居る。彼は仮にこの事故がMoto3ライダーではなく、MotoGPライダーだったとしたら、レースは今回のように行なわれていたのだろうかと疑問を抱いたと言う。なおバニャイヤは決勝レースで序盤を先導するも、転倒リタイアに終わっている。

「既に昨日の予選の時点でもう厳しかった。今日は不可能だったよ。スタートで成功し、首位を走っていた。でも今日は優勝しようが、最下位でレースを終えようが何も変わらないね」

 バニャイヤはレース後、そうコメントした。

「多分、人生最悪な日だ。今日は何も楽しめなかった」

「僕は自分自身にレースをするな、今日レースをするのは僕にとって正しいことじゃない。もしこれがMotoGPのライダーに起きたことなら僕たちはレースをしないだろうって、自問したよ」

「そう、だから今日僕はいい気分ではなかったね。こんなニュースの後にレースをすると決めたことに良く思わない」

「僕が転倒しようが関係ない。僕はただ彼(デュパスキエ)と彼の家族のことだけを想っていたよ」

「僕たちは19歳のライダーを失った。とても受け入れがたいね。そして僕たちにレースをしろと決断されたことも受け入れがたいよ」

 テック3・KTMのダニーロ・ペトルッチはバニャイヤのこの心情をに理解を示している。彼はこうした痛ましい事故が発生した後、レースを継続するという判断は“卑劣”だと感じていると認めた。

 また、今回レース続行を決断するにあたり、選手側とレース日程をキャンセルする可能性が話し合われることは無かったようだ。

「まず、今日は本当に本当に難しいレースだった。スポーツとしてではなくね」

 とペトルッチは述べた。

「人間的な面として、気分は良くなかった」

「ちょうど24時間前に僕たちのような人が亡くなった場所でレースをしているのは、素晴らしいことではない」

「仮にレースを1日中断すると決断する立場でなくても、僕はいつもレースをするのはちょと卑劣だと感じるよ」

「彼のような人を、僕のようなライダーを、もう一緒にいない人のことを考えてほしい」

「誰もひとりのライダーが居なくなってしまったことを言おうともしないし、『レースをするのが正しいことか、少し話せるだろうか』と聞いてきて会議を開こうとさえしない」

「誰も僕たちに聞かないんだ。今日は既に終わってしまったけど、一番困難だったことというのは、昨日さ。トラック上に選手が横たわっていて、その人と同じスーツを着て3分後にはピットレーンがオープンされ、ライダーが亡くなったかもしれないポイントを通過しなければならないんだからね」

 そしてMotoGPのベテラン、ペトロナス・ヤマハSRTのバレンティーノ・ロッシはこのようなシチュエーションが選手に“なぜレースをするのか”を問わせるものだと認めた。ただレースを中止した場合でも、起きたことは変えられないという認識も付け加えた。

「今日はとても難しかった。ジェイソンに何が起こったかを考えるとね。なぜ僕たちはレースをするのかっていう疑問がでてくるんだ」

 またロッシは以下のように続けた。

「全てのことが意味を失うよ。ただ今日僕たちがレースをしなくても大きな意味をなさなかったと思う。残念だけど今日僕たちがレースをしなかったとしても、昨日のジェイソンの出来事は変えられないんだ」

「ともかく、今回のことはとても残念だし、心が痛いよ」

 ロッシのチームメイトであるフランコ・モルビデリはそうした考えに賛同。またこのような出来事がモーターサイクルレースでは今後も起こり得ると語った。「今回の出来事は何も初めてではない。そしてこれが最後にはならない」

「僕たちは前に進むしかないし、僕たちのスポーツをしていく必要がある。時に人生はろくでもなく、最悪さ」

「それでも前に進むしかないんだ。だってそれが人生だから。そう、これがこういう状況を切り抜ける僕のやり方さ」

 

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