新MotoGP王者バニャイヤが振り返る戴冠への道。タイトル獲得の希望見失ったのは「シーズンで1時間だけ」
MotoGPの新世界チャンピオンに輝いたドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤはシーズンを振り返り、ランキング首位との差が91ptに開いたドイツGPの後「1時間だけ」、タイトル獲得への希望を見失ったと語っている。
写真:: Gold and Goose / Motorsport Images
ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤはMotoGP最終戦バレンシアGPで、優勝が絶対条件だったタイトル争いのライバルであるファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が4位に留まる中、9位でレースを終えて初のライダーズチャンピオンに輝いた。
ドゥカティのライダーとしてはケーシー・ストーナー以来15年ぶり、イタリアメーカーに乗るイタリア人としては、1972年にMVアグスタでジャコモ・アゴスチーニが戴冠して以来の快挙だった。
そして新記録がもうひとつ。バニャイヤは、5度のリタイアもあり91ptという大差をつけられながらも、タイトルを獲得した史上初のライダーとなったのだ。
タイトル獲得後、バニャイヤは4度目の転倒リタイアを喫したことでランキング首位クアルタラロとの差が91ptまで拡大したドイツGP後に、一時はタイトル獲得の望みが潰えたかもしれないという思いが頭をよぎったと明かした。
「ザクセンリンクでのレースの後、30分から1時間くらいはチャンピオンシップへの期待を信じられないでいた」
「でもそこから、まだチャンピオンになれるチャンスがあると気づいたんだ」
「今年、僕らの仕事ぶりは素晴らしいモノだったし、シーズン後半は信じられないようなパフォーマンスを発揮できた」
「本拠地では何を改善すべきか、なぜ僕はクラッシュし続けていたのか、なぜ僕がミスしまくっていたのかなど全てにおいて分析を行なって、あの瞬間から信じられないようなことをやってのけたんだ」
Francesco Bagnaia, Ducati Team
Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images
バニャイヤはドイツGPでのクラッシュによって自身が抱えていた一貫性のなさに気付かされ、当時はそれを「なかなか受け入れられないでいた」と語る。
「(2022年のMotoGPで)最も厳しかったのは、ザクセンリンクだ」
そうバニャイヤは言う。
「僕はとても競争力があったからね。ル・マンの時みたいに、勝てる可能性があったのに、僕はクラッシュしてしまったんだ」
「その時、自分の弱点が『スピードはあるが、浮き沈みが激しく安定性に欠けるライダーであること』だと気がついたんだ」
「それを受け入れるのは簡単なことじゃない。でもその時から自分の問題を認識し、自分自身を改善しようと努力してきた」
バレンシアGPには14位以上となればチャンピオン獲得という有利な条件で臨んだものの、そのレースは「シーズン最悪」だったようだ。序盤にクアルタラロとの接触によってウイングにダメージを負ったことで「悪夢みたいになった」と感じていたとバニャイヤは語る。
「今年最悪のレースでも、フィニッシュラインを通過した時は特別な気分だった。ピットボードに世界チャンピオンと書かれているのを見て、その瞬間から全てが軽くなった。良い気分だったよ」
「今は素晴らしい気分だけど、簡単じゃなかった。ファビオとのバトルでウイングレットを失って、そこから全てが悪夢と化した」
「周を追うごとに順位を落とし、ディフェンスラインを走ろうとするのも、本当に難しかった」
「レースを終えるまでとても時間がかかったけど、僕はチームや自分自身が成し遂げたことを誇りに思う。とんでもないくらいのことだからね!」
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