MotoGP イギリスGP

「転倒する危険性があった」バニャイヤ、イギリスGPでは3位が“最大限の結果”。タイトル争い考え後退も受け入れ

ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGPイギリスGPのトップ争いを繰り広げていたプラマックのホルヘ・マルティンに追いつこうとすれば転倒していた可能性があったと語った。

Francesco Bagnaia, Ducati Team

Francesco Bagnaia, Ducati Team

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、MotoGPイギリスGP決勝を3位で終え、ポイントランキングではプラマックのホルヘ・マルティンにリードを奪われる形となった。

 このふたりは決勝レースでもトップ争いを演じたが、バニャイヤとしてはマルティンに追いつこうとすれば転倒していた可能性があったという。

 直近4戦を制しイギリスGPに臨んだバニャイヤだったが、決勝では優勝したチームメイトのエネア・バスティアニーニや2位マルティンに歯が立たず、トップから6秒以上離されての3位フィニッシュとなった。

 バニャイヤは前日のスプリントで表彰台圏内を走行中も転倒を喫しており、タイトル防衛においてトリッキーな週末となった。

 マルティンはスプリントと決勝の両方で2位を獲得。ポイントを重ねてランキング首位に躍り出た。とはいえ、2024年シーズンは全20戦のうち10戦を残しており、両者の差はわずか3ポイントだ。

 レース後に語ったバニャイヤは、タイトル争いにおけるダメージを最小限に抑えるためには3位でポイントを獲得するしかなかったと明かした。

「トライはした。でも昨日の転倒の後では、レースをフィニッシュした方が良かった」とバニャイヤは語った。

「今回も転倒するリスクがあった。ターン6〜7でフロントを失ってエネアにオーバーテイクされてしまった」

「でもその時、僕は既に少し苦戦していた。ホルヘを追いかけようとしていたけど、ホルヘについていくにはリスクが大きすぎた」

Jorge Martin, Pramac Racing, Francesco Bagnaia, Ducati Team

Jorge Martin, Pramac Racing, Francesco Bagnaia, Ducati Team

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

「だから後ろのライダーとのギャップをマネジメントしてレースを終えた。3位は問題ないよ」

 バニャイヤは決勝スタートでポールシッターのアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)を交わしてトップに立つと、レース前半はペースをコントロールしていた。しかし全20周のうち10周目にマルティンにヴィレッジで先行を許した。

 その2周後にバニャイヤはベールでアウト側に膨らみ、バスティアニーニが2番手に浮上。バニャイヤは勢いそのまま、最終ラップ前にマルティンを抜き去り今季初優勝を飾った。

 バニャイヤは今後、同じデスモセディチGP24を駆るバスティアニーニやマルティンのペースについていくことができなかった理由を理解するため、自身のマシンデータを注意深く分析すると語った。

「この後はまず全てのデータをチェックしたい。僕が何を間違えたのか知りたいからね」

 レース後の記者会見でバニャイヤはそう語った。

「ペースやタイヤの面で全て上手くマネジメントできていると思っていたけど、ホルヘにオーバーテイクされた時、彼の方が僕よりも良い状態だったことが分かった」

「だから少しペースを落としてレースを完走することにした。正直なところ、今回のレースではポジション争いをするよりも、その方が良かった。僕は最大限の努力をしたし、その最大限の結果が3位だったんだ」

Francesco Bagnaia, Ducati Team

Francesco Bagnaia, Ducati Team

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 決勝に向けて大きな話題となっていたのがタイヤ選択だった。ミディアムタイヤがフルディスタンスに耐えられるかどうかが疑問視されていたのだ。

 結局、気温が低かったこともあり、2人を除く全てのライダーがフロントにミディアムタイヤを選択。バニャイヤもそれに倣った。

 しかしバニャイヤはフロントタイヤの挙動が好みに合わず、リヤタイヤに余計な負担をかけてしまったという。

「フロントタイヤに不満がある時はいつも、リヤに負担をかけてしまう。フロントで無理に曲がることができないからね」とバニャイヤは説明した。

「今に始まったことじゃない。今回はミディアムを選んだけど、フロントタイヤには完全に満足できた訳ではなかった」

「フロントタイヤでバイクを曲げることができず、リヤタイヤの消耗に少し苦しんだから、リヤはいつも異常に終わってしまった」

「かなり動いてしまっていたし、ロックもしていた。ワイドになったのは、コーナー進入時にアクセルに触れてしまったからだ。タイヤのグリップが思ったよりも低くて、マシンをターンさせるのが難しかった」

 

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