妙だな……バニャイヤ、MotoGP中盤戦で失速気味の旧型ドゥカティ勢に驚き「あちらはアップデートもしているのに」
フランチェスコ・バニャイヤは、ドゥカティの最新型バイクであるGP24が好成績を残しているにもかかわらず、バイク自体は実際には昨年型のGP23と大きく変わらないと感じている。
ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは、最近になって自分たちが乗る最新型MotoGPマシン、デスモセディチGP24が旧型のGP23を引き離し始めていることを不思議に感じているようだ。
今季ドゥカティ陣営は、ファクトリーチームとプラマックに最新型のGP24を、グレシーニとVR46に旧型のGP23を供給している。序盤戦はグレシーニのマルク・マルケスがコンスタントに表彰台に乗るなどしていたが、直近4レースでは3回GP24が表彰台を独占している。
今季はミシュランが新しいタイヤを導入しているが、ドゥカティはこのタイヤをより深く理解することができており、その知見をフルに活かせているのはGP24だけなのでは、とも言われている。一方でバニャイヤは、新型と旧型の差は外から見るほど大きくないと主張しており、これは彼のライバルであるホルへ・マルティン(プラマック)も同じ考えだ。
特にバニャイヤは、GP23には数ヵ月前のフランスGPでいくつかのパーツにアップデートが施されたにもかかわらず、最新型に匹敵するパフォーマンスが出せていないことに驚きを示した。
「それぞれ考えがあるだろうから、みんな僕の言おうとしていることには耳を貸さないだろうけど、それは気にしていない」
DAZNスペインに対してそう語るバニャイヤは、さらにこう続けた。
「ル・マン(フランスGP)まではGP23が常に優勝を争っていたのに、それ以降は今に至るまで、僕たちが常にはるか先を行っている。(GP23に)何の改善もないのは少し奇妙だ」
「僕たちのバイクは、テスト以降何の進化もない。でも一方でGP23は、今年の初めから2〜3回アップデートしているんだ」
「とはいえ結局は似たようなものなんだけどね。誰も僕の言うことに耳を貸さないだろうけど、これが現実なんだ」
ここ数戦のマルケスの失速により、タイトル争いはバニャイヤとマルティンによる一騎討ちの様相が強まっており、そこに伏兵としてエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)が加わるかどうか……といった流れとなっている。
MotoGPクラス3連覇がかかるバニャイヤは、マルティンと3点差のランキング2番手につけている。バニャイヤはスプリントレースでの成績でマルティンに後れをとっているため、スプリントでの改善が必要だと考えている。
「3点差なんてあってないようなものだから、結局はゼロからのスタートと同じだと思っている」とバニャイヤは言う。
「クラッシュしないように上手くやることが大事になる。スプリントではアンラッキーもあったしミスもあったけど、常に完走することが重要だ」
「マルティンは短い距離のレースでも常に速さがあって、僕よりも(スプリントで)多くのポイントを稼いでいる」
そんなバニャイヤは来季からマルケスを新たなチームメイトに迎えるが、これはMotoGPにおける最強のコンビとなる可能性がある一方で、才能あるふたりのドライバーが頭を突き合わせることが災いのもとになるのではないかという指摘もある。
バニャイヤ自身もそういった懸念について否定していないが、次のように述べた。
「僕たちはふたりとも頭が良く、(チーム内の)穏やかな風土を維持しながらサーキットで戦うことができる。だからそれは良いことだと思う」
「(鶏小屋に)雄の鶏が2羽入ると、大変なことが起こる可能性はあるよ。でも僕たちは賢いから、上手くやれると思う」
「一番大事なのは結果であって、僕は彼を倒したいし彼は僕を倒したい。それは疑いようのない事実だ。でもコース外では協力することになるだろう。来年の僕たちはGP25(最新バイク)の台数が減り、データも少なくなるから、同じ方向を向いていることがより重要になるだろう」
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