MotoGPも暑さ対策たのむ! 酷暑レースでライダー疲弊「天候プロトコル要検討」とクラッチロー
カル・クラッチローは、「最も暑いレースのひとつ」と表現したチェコGPを経て、MotoGPは天候に関するプロトコルの導入を検討すべきだと考えている。
Cal Crutchlow, Team LCR Honda
写真:: Gold and Goose Photography / Getty Images
先日行なわれたMotoGP第9戦チェコGPは、猛暑に見舞われた。そんなレースウィークを経て、カル・クラッチロー(LCR)はMotoGPとしても、他スポーツと同様に天候プロトコルを検討すべきだと語った。
チェコGPでは同国の気象当局が国内全域に熱波警報を発令。実際に気温は30度を超え、路面温度も55度にも達する環境の中でスプリントレースが行なわれた。
この猛烈な暑さを受け、負傷したヨハン・ザルコの代役として参戦しているクラッチローはMotoGPに対応を求めている。彼は他のスポーツではこのような状況に備えた対策が存在すると指摘した。
「今日は本当にクソ暑かった」と、クラッチローはスプリントレース後に語った。
「本当に暑かったし、みんながあそこで待たされているのを見ただろう。グリッドに行って、それから暑すぎるからグリッドを離れようとする。マジで暑かった。自分が経験したレースの中でも最も暑いレースのひとつだったよ」
「今回は半分の距離のレースだった。もし今日が20周のレースだったと想像してみてほしい」
「自分の意見としては、この状況全体について少し考え始める必要があると思う。どうすればいいかは分からないけれど、他のスポーツには天候プロトコルがあるし、そういう仕組みが整っている」
日曜日も厳しい決勝レースとなり、気温は33℃に達したが、クラッチローは集団の中で走ることがどれほど大変だったかを強調した。
「1周目の集団の中の暑さは、本当にひどかった」
「土曜日には眉毛が焦げたんじゃないかと思った。日曜日は1周目のターン4を立ち上がった時にティアオフシールドを引き剥がそうとしたんだ。焦げているように見えたからね。集団の中にいると、他のバイクからそれだけ大量の熱が発せられているんだ」
MotoGPで通算9度の王者、マルク・マルケス(ドゥカティ)もクラッチローの意見に同意している。彼は特に、レース前のグリッド手順そのものが極端な暑さの中ではライダーたちの負担を増やしていると付け加えた。
Cal Crutchlow, Team LCR Honda
Photo by: Gold and Goose Photography / Getty Images
スプリント後になぜあれほど疲れ切っているように見えたのかと問われたマルケスは、次のように語った。
「問題は、自分がこのスケジュールを好きではないということなんだ」
「週末を通してエネルギーを温存しようとしている。でもスプリントの時、路面温度55℃、気温35℃の中で25分もそこで待たされていると、汗だくになってしまう」
「だから僕はあれが好きじゃない。本当に表彰台に上がるのも嫌だった」
そしてクラッチローは、この問題の根底には安全面を含む重要な課題に対してライダーたちが団結できていないことがあると主張した。
「ここでの問題は、いつもと同じで、ライダー組合がないことだ」
クラッチローはそう語る。
「誰かひとりが走ると言えば、結局みんな走る。そしてMotoGPの運営側もそれを分かっている」
「もしコースが深い水で覆われていたとしても、ひとりが出て行けば、みんな『自分たちは走らない』とは言わない。そのひとりがピットレーンを出れば、結局みんな出て行く。団結しないからだ。誰かが有利になるのを嫌がるし、メーカーから『レースを走らなかったなら給料は払わない』と言われたくないからね」
「それが現実なんだ」
なぜF1ドライバーたちは同じような状況に直面しないのかと尋ねられると、クラッチローはこう答えた。
「彼らは団結しているからだよ」
■F1の天候プロトコル
F1では極度の暑さに対応するための「ヒートハザードプロトコル」が存在している。
これは2023年のカタールGPで高温かつ高湿度のレースで複数のドライバーが体調不良に見舞われたことをきっかけに導入された仕組みで、スプリントまたは決勝レース中の予想気温が31℃以上となる場合に自動的に発令する。
発令時には、ドライバーはスーツの下に体温管理を助ける専用の冷却ベストを着用することが認められる。
このヒートハザードは昨年のシンガポールGPとマイアミGPで宣言された。
さらにF1は今季から新たな”レインハザード”も導入している。このシステムはスプリントまたは決勝レース中のいずれかの時点で降水確率が40%を超えると予測された場合、もしくはレースディレクターの単独裁量で宣言できる。
レインハザードが宣言された場合、チームはより多くのセットアップ変更を行なうことができるようになる。このシステムも、今年のマイアミGPで初めて適用された。
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