ドゥカティのムジェロ4連覇、“青”のヤマハ&スズキ勢が「待った」かける?

ドゥカティが3連覇しているMotoGPイタリアGP。2021年シーズンも彼らは速さを発揮してきているが、ライバル達もやすやすとドゥカティの勝利を許すことはなさそうだ。

ドゥカティのムジェロ4連覇、“青”のヤマハ&スズキ勢が「待った」かける?

 ムジェロ・サーキットで行なわれているMotoGP第6戦イタリアGP。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となったため、2年ぶりの開催だ。

 近年、ムジェロでの戦いはドゥカティによって支配されてきた。2017年〜2019年にかけてはアンドレア・ドヴィツィオーゾ、ホルヘ・ロレンソそしてダニーロ・ペトルッチが勝利を飾り、ドゥカティが3連覇中となっている。

 2021年のイタリアGPでも、ドゥカティは初日から強さを示している。フリー走行2回目ではフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がトップタイムをマークした。

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 バニャイヤはこれまでの5レースで3度表彰台を獲得する好調さで、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)も今季のタイトル争いに挑むライダーとして名を挙げているほどだ。

 ムジェロ戦は彼にとっても母国戦となっているが、彼は母国戦だからといって優勝を目指すのではなく、一貫して競争力を発揮したいという冷静な姿勢を見せている。そして実際、初日の走りでは彼は安定した競争力を発揮してきていた。

 彼のFP1ベストタイム1分47秒186は、リヤに17周を走ったユーズドのミディアムタイヤを履いて記録されたモノ。よりフレッシュな7周使用したタイヤでマークされたタイムが1分47秒660であることは、彼のレースペースの持続性の高さの一端を示している。

 では今回もドゥカティによる勝利は堅いのかといえば、そうではない。ヤマハ勢を筆頭に、多くのライダーがドゥカティの背を捉えんと接近してきている。

Francesco Bagnaia, Ducati Team

Francesco Bagnaia, Ducati Team

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 1.1kmのロングストレートを備えるムジェロは、最高速で劣るヤマハにとって相性が良いとは言えない。しかしファビオ・クアルタラロとマーベリック・ビニャーレスの両ライダーは最高速で劣っていることを気にしていない。これは開幕2連戦が行なわれたカタールで勝利していることもその理由だ。

 クアルタラロは初日の走行ではヤマハ勢最上位の4番手タイム。リヤにミディアムを履いた状態では1分46秒960、1分47秒095、1分46秒975、1分47秒071、1分47秒300という連続5ラップを記録し、決勝に向けても期待の持てる好調な走りを見せた。

 彼はまだ2日目に改善していく必要がある部分も残っていると語ったが、ポテンシャルは高いと感じている様子だ。

「走行のフィーリングはよくて、1分47秒台の前半を5ラップ連続で刻むことができた。凄く良い感じだ」

「僕らはまだちょっと改善すべき部分がある。つまりバイクのセッティング、電子制御や僕のライディングといったところだ。でもフィーリングは良いし、このコースで素晴らしいポテンシャルがあると感じている」

 なおチームメイトのビニャーレスはリヤのミディアムタイヤの劣化がかなり大きいと感じていると説明。これはフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)のFP2の走行でも確認することができる。

 モルビデリはFP2の2度目の出走で、13周を走ったユーズドのミディアムタイヤを装着した状態で1分48秒台のラップを2回記録している。ただモルビデリは2019年型がベースのYZR-M1で3番手タイムをマークすることに成功している。

 そしてヤマハ勢がイタリアGP初日に得た最も大きな成果は、フロント側に作用するホールショットデバイスが実装されたことだろう。既にドゥカティやホンダが導入してきているフロントホールショットデバイスは、ヤマハファクトリーのふたりには好評価を与えられている。この新デバイスの導入によって、彼らがスタートでドゥカティの前に躍り出てコーナリングスピードを活かすことができれば、ドゥカティにとっては大きな脅威になるはずだ。

Maverick Vinales, Yamaha Factory Racing, Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing

Maverick Vinales, Yamaha Factory Racing, Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 ドゥカティによる“赤色”の連覇を止める可能性を“青色”のヤマハが示している傍らで、もうひとつの“青”も注目を集めている。それはスズキのアレックス・リンスだ。

 リンスは2019年のイタリアGPでも先頭争いを演じており、ムジェロの流れるようなコース特性にスズキのマシンが合っていると考えられている。

 FP2でリンスは首位のバニャイヤからわずか0.071秒差の2番手タイムを記録。11周使用のユーズドタイヤでの走行でも1分47秒台前半のタイムを刻んでいる。スズキは今回電子制御のセットアップを変更し、加速を改善。これによってトップスピードもわずかに改善されている。

 スズキにとっての課題は、今も変わらず予選だ。リンスはFP2で記録した1分46秒218では上位に食い込むには十分な速さではないと指摘している。そのため2日目にその領域で前進を見せ、決勝ではクラッシュせずに終えることが必要となる。

■追われるバニャイヤ、優勝争いは大集団を予想

 ライバルに追われる立場にあるバニャイヤ。彼はヤマハとスズキによる追い上げだけではなく、他のドゥカティ勢も上がってくることを予想し、優勝争いは7〜8人と多くのライダーによって争われることになると考えている。

「ヤマハ勢は本当に強かったね。ファビオやマーベリック、フランキー(モルビデリ)は今日凄く速かった」

「でもドゥカティの他のライダーも、2日目はペースを改善して速くなってくるだろうと思う。だから優勝争いは7〜8人ですることになると思っている。でも今のところ僕のペースは凄く良いし、明日もこの良い形で続けていくつもりだ」

 そして、バニャイヤの語る以上に優勝争いに参加するライダーは多いかもしれない。KTMのブラッド・ビンダーとミゲル・オリベイラは新型シャシー、そして新燃料によってペースと最高速を改善してきている。また中上貴晶(LCRホンダ)もFP2のユーズドタイヤでの走行でしっかりとしたペースを示していた。

 ドゥカティ勢はこれまでの5レース全てで表彰台を獲得、地元戦を絶好調の状態で迎えている。その彼らをヤマハやスズキが打ち倒すことができるのか……まずは29日の予選でその一端を垣間見ることになりそうだ。

 

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