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クラッチロー「もう居場所がなかった」2014年ドゥカティ離脱の裏側語る

2014年にドゥカティとの契約を更新することを諦めたカル・クラッチローだが、自身の決断ではなく既にチームがアンドレア・イアンノーネと契約を結んでいたことが要因となったと明かした。

Cal Crutchlow and Aleix Espargaro get close

写真:: Ducati Corse

 現在LCRホンダからMotoGPを戦うカル・クラッチロー。彼は2011年にテック3・ヤマハでMotoGPデビューを果たすと、ここで高いポテンシャルを見せつけたことが、2014年のドゥカティファクトリーチーム移籍へと繋がった。

 しかしドゥカティ移籍後、彼はマシンへの適応に苦戦してしまい、2014年に獲得した表彰台は雨のアラゴンGPで獲得した1度のみだった。そしてクラッチローは2015年の契約延長をあきらめ、LCRホンダへ移籍することになった。そしてLCRホンダでは一転して勝利ライダーとなり、自身の評価を固めていった。 

 ドゥカティ離脱から約6年が経過するが、クラッチローはMotoGPレポーターのマリエッタ・エヴァンスとのインタビューの中で、当時の移籍市場における真相を説明し、ドゥカティが既に他のライダーと契約に動いていたことが原因だったと明かした。

「ドゥカティのマシンで速く走れたはずなんだ。僕はそれについて一度も疑ったことはない」

 クラッチローはyoutubeに投稿された映像の中でそう語っている。

「(アンドレア)ドヴィツィオーゾを見れば、彼もまたドゥカティ初年度には苦戦していた事がわかるだろう。でも彼はそれを受け入れようとしていて、僕もそうすべきだった」

「僕が(ドゥカティを)離れた理由は、勝てないと思ったからじゃない。ドゥカティは既に他のライダーとファクトリー契約を済ませていたんだ。僕が留まっていたとしても、そこに居場所はなかった。彼らは(アンドレア)イアンノーネに決めていた」

 またクラッチローはドゥカティ時代に経験した苦戦が自分を強くする役に立っていると感じている。

「最初はドゥカティのマシンへの適応が難しかった。そのことは僕だけじゃなく、当時のドヴィにも起こったことだ。そして後のホルヘ(ロレンソ)、以前のロッシにも起こっていて、全員がヤマハから移籍しているんだ。でもこの経験は、ライダーとしてより僕を強くしてくれた」

 2017年からドゥカティに加入したロレンソは、ドゥカティのマシンに適応し優勝を記録しはじめたものの、2018年限りで契約が終了。昨年はレプソル・ホンダへ移籍したものの、そこでも適応に苦戦し、大クラッシュなども影響し引退するに至ってしまった。

 自身と似た苦戦の経験をしたロレンソについて、クラッチローはホンダに残っていたとしたら最終的に適応していただろうと分析。しかしその引退という幕引きにも理解を示した。

「もしホルヘがホンダに留まっていたとしたら、彼は最終的にはマシンに適応していただろう」

「だけど僕らライダーは耐えるのは得意じゃないし、彼の状況は理解できる。ロレンソはMotoGPで優勝ライダーであるにもかかわらず、(ホンダ時代は)トップ10に入るのも難しかった。バルセロナとアッセンでのクラッシュの後、以前のように乗れなかったからといっても、彼を責めることはできない。ホルヘは5度の世界王者で、彼はバイクの乗り方なんてものは知っているんだ」

 

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