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レースに引っ張り出されたクラッチロー、ドヴィツィオーゾに「女子との休暇がキャンセル……デカい貸しだからな!」

カル・クラッチローは引退したアンドレア・ドヴィツィオーゾの代役としてアラゴンGPからレースへ参加するが、そのために「休暇をキャンセルしなくちゃいけなかった」と冗談めかした。

Cal Crutchlow, Yamaha Factory Racing

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 MotoGP第15戦アラゴンGPから、カル・クラッチローがレースに再び参戦する。彼は、引退したアンドレア・ドヴィツィオーゾの穴を埋めるために招聘されたが、そのために休暇をキャンセルしなくてはならなかったと冗談めかした。

 クラッチローは2020年限りでMotoGPの現役から退くと、翌年からはヤマハのテストライダーに就任。昨年もフランコ・モルビデリの負傷欠場中や、チームを離脱したマーベリック・ビニャーレスの代役として参戦していたが、2022年も再びレースに参加することになった。

 今回クラッチローは、アンドレア・ドヴィツィオーゾが第14戦サンマリノGPで引退となったため、今シーズンの残る6レースに出場する事になっている。

 アラゴンGPの走行開始前となる木曜日、取材に応えたクラッチローはMotoGP参戦にあたって休暇をキャンセルしなくてはならず、ドヴィツィオーゾには”貸し”だと冗談めかしたが、かつてテック3時代にチームメイトだったドヴィツィオーゾに敬意を表した。

「みんなは『ドヴィの代わりだ』と言う」

「でもドヴィに取って代わることはできない。彼は素晴らしいライダーなんだ。僕はそういった言い方にはいつも違和感を抱いているんだ。僕はドヴィの代わりじゃない」

「思うに、僕らは(ドヴィツィオーゾの引退で)”ロボットではない”、最後の純粋種を失ってしまった」

「他のライダー達を悪く言うつもりとかじゃないんだ。でも、僕の目には残念なことだと映るし、現代的な視線ではそうではない」

「ドヴィと長いこと一緒に走れたのは素晴らしかった。彼は特別な男だったよ。彼は自分自身に忠実だったし、何が起こっても決してメンタリティを変えたことはなかった。そのことが、彼という人間について雄弁に物語っていると思う」

「彼に電話をかけて、デカい貸しだからなと言ったんだ。”女の子”たちとの休暇をキャンセルしなくちゃならなかったからね!」

Cal Crutchlow, Yamaha Factory Racing

Cal Crutchlow, Yamaha Factory Racing

Photo by: Dorna

 この先、クラッチローは8週間でレースを6回、さらにヘレスでのプライベートテスト2回と、かなり忙しく動き回ることになる。

「この先、8週間でレース6回とテスト2回があるから、かなり忙しい時期になるね」

「週末は仕事仕事だけど、そういうものだ。テストでヘレスにも戻るしね」

「地球を何周したか知らないけど、そういうものだからね。もうずっと前から受け入れているよ」

「状況を受け入れて、やっていこうと思えたら、良い心構えだ。それに昨日今日で突然呼び出されて、乗れと言われたわけでもない」

 クラッチローはこの先6レースで、ヤマハのためにテストをしていくことを認めているが、可能な限りベストな成績を残すため、全力を尽くすと語った。

 今回のレース復帰で、結果のためにプッシュするのか、テストをするのかと問われると、クラッチローは「多分作業をしていくだろう」と答え、更にこう続けた。

「結局のところ、何のためにレースをするのか? ということなんだ。僕はチャンピオンシップで優勝するつもりではないし、レースで勝つつもりもない」

「でも、グリッドに並んだなら、レースに勝つチャンスはある。レースに参加しているんだからね。最終的には、僕も自分の全力を出すよ。全力はどこにあるんだと言われれば、わからないけどね」

 
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