クラッチロー、ビニャーレス代役説は否定「まだ話もしていないし、家族とも相談しないと」
ヤマハテストライダーであるカル・クラッチローは、出場を差し止められているマーベリック・ビニャーレスの代役として今後のレースに出場するという噂について、「話し合いもしていない」と否定した。
Cal Crutchlow, Petronas Yamaha SRT
Gold and Goose / Motorsport Images
8月12日、ヤマハはオーストリアGP開幕を前に、マーベリック・ビニャーレスに対して出場停止の“処分”を下したと発表。既にヤマハ離脱が決まっていた両者の、さらなる関係悪化が明らかとなった。
ヤマハ側の説明では、ビニャーレスはイレギュラーな操作を行なったといい、エンジンを故意に壊そうとしたとすら示唆している。
8月末に予定されている第12戦イギリスGP以降のレース出場については、両者の話し合いによって決定されるとプレスリリースには記されていた。しかし彼が今シーズン中に再びヤマハで走ることは厳しいだろうという見方も強い。
そしてイギリスGPでは、ヤマハのテストライダーであるカル・クラッチローが、ビニャーレスの代役としてファクトリーチームのマシンを走らせるのではないかと言われている。
昨シーズン限りで現役を引退したクラッチローは現在、負傷欠場中のフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)の代役としてレースに復帰。第10戦スティリアGPからイギリスGPまでの3レースを戦う予定となっている。
ただ13日(金)に取材に応えたクラッチローは、ビニャーレスの代役を務める可能性について否定。まだ決まったことは何もない状態だと明かした。
「いいや、それ(ビニャーレス代役説)は本当のことじゃない」と、クラッチローは言う。
「ニュースの読みすぎだよ。今の状況としては、僕はリン(ジャービス/ヤマハのマネージングディレクター)とも、マッシモ(メレガリ/ヤマハのチームマネージャー)とも話し合っていない。だからそれが答えだ」
「ニュースで読むことが、いつも真実というわけじゃない。でも当然、僕はヤマハと契約しているライダーだから、リンやマッシモとはそのうち話し合うことになるだろう。僕は彼らふたりとも、スミ(鷲見崇宏プロジェクトリーダー)ともとても素晴らしい関係を築いているし、上手くいっている。仕事のやり方には満足している」
「この2週間はかなり厳しいけれど、ライディングには自信があるし、さらにやらなければならないとなれば、もっとスピードを出せるようにもなるだろう」
クラッチローがヤマハにとって代役の第一候補なのは明らかだが、その一方で彼は望まなければ、代役参戦を断ることができる。
そしてクラッチロー本人も“テストライダー”になりたかったのであり、レースをしたければレースをしていたと言外に代役参戦を続けることに対しては乗り気でない様子を見せている。また、まずは家族と話し合わねければとも強調している。
「分からない。考えても無駄なことだと思う」
代役参戦でファクトリーマシン(現在はモルビデリのAスペックマシン)を走らせた方が、テストを進める上で良い形になると思うかと訊かれたクラッチローは、そう答えた。
「僕はテストライダーになりたいと思っていた。テストライダーの意味するところは、レースのテストをするという意味なのか、それとも(文字通りの)テストをするという意味だろうか?」
「僕の見解では、その両方を行なうのは無理なことだと思える。今年の残りのスケジュールで、テストが猛烈に忙しかったりはしないけれど、レースと、僕の望むようなテストは(一緒には)できないんだ」
「でもさっきも話したように、僕はまだ彼らと話していないし、いつ話をするかもわからない。僕は2022年型のテストをする予定だったんだ。それで、今もテストをしているのは分かる。だけど何をテストしているんだ?」
「2021年型をテストで乗って、ここでも2021年型に乗る可能性があるわけだ。だけど僕はテストライダーになりたかったのであって、レースがしたいならレースをしていただろう。もちろん選択肢の全てを知っているわけじゃないから、そのうち話し合うつもりだ」
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